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『蝉しぐれ』 [2006年07月31日(Mon)]





  昨日、蝉の話を少し書いたところ、藤沢周平の代表作『蝉しぐれ』ついて触れてないのはおかしい、と日本文化、とりわけ剣道ををこよなく愛す「妙齢の美女」からお小言を頂戴した。

舞台は、東北の小藩、海坂(うなさか)藩。歴史上、実在しないがそれだけに読者の想像力を掻き立てる。下級武士・牧 文四郎と隣家の娘おふくの純愛物語。

ある日のまだ靄がかった朝、小川のほとりで蛇に咬まれたおふくを文四郎が救う。清らかな川の流れと緑なす木立に囲まれた城下町。少年の日の淡い恋と剣の道を志す若者たちの友情。そして藩の政争にからんだ、文四郎の父の非業の死。微禄を継いだ文四郎。

藤沢周平の名文に私はすっかりはまってしまった。

他方、おふくは藩主の求めで江戸住まい。いまや雲の上の存在となったおふくへの切ない思いを胸に、公私にわたり悲運が続くなかで、文四郎は父の仇を討つべく、心身を鍛えつづける。

そして最後に2人きりで、昔の思いのまま再会する。

昨年は、なぜか急に時代小説に魅かれ、藤沢周平をはじめ、池波正太郎、池宮彰一郎、浅田次郎、北方謙三、山本周五郎を手当たり次第、読んだ。

私の中にそんなDNAがあったのか、と思ったが、そういえば、親父も兄貴も時代小説をよく読んでいたし、いるなと思い出した。

なぜか、新幹線に乗るときや外国に行くときなどの機内には、時代小説が似合う。仙台での講演の帰り、キヨスクでポルノ(まがい)ではない唯一の文庫本だった『蝉しぐれ』を手に取ったのが、時代小説にはまったきっかけだ。

 明日から2泊3日で台湾に向かうが、今度は池波正太郎を1冊、かばんに入れた。


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