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紅葉を詠んだ詩と歌と [2011年12月02日(Fri)]




    撮影は、石田良介画伯。山梨県内で。





近所の楓が紅く色づきました。
今年は暖かい日が続いたので
紅葉が遅かったように思います。

みなさまの周辺ではいかがですか?

以前、中国の歴史に詳しい方から、
中国では紅葉を観賞する習慣がなかったらしく、
盛唐のころの詩には紅葉を詠んだものがないと
メールで教えていただいたことがあります。

その先生から久々にメールをいただきました。

晩唐の詩人杜牧の詩に「山行」という
すばらしい詩がありました、というのです。

 遠上寒山石径斜 / 白雲生処有人家 
 停車坐愛楓林晩 / 霜葉紅於二月花

 遠く寒山に上れば石径斜めなり/
白雲の生ずる処に人家あり
 車を停めて坐(そぞ)ろに愛す 楓林の晩きを
 霜葉は二月の花よりも紅なり (入谷仙介訳)

 杜牧は『春秋左氏伝』の注釈を作った
杜預の子孫なのだそうです。

 杜預は杜甫の500年前の祖先ですから
同じ祖先を持つ人物だったということなのですね。

 紅葉といえばカナダ、国旗も真っ赤な楓、
でも、でも、しかし、紅葉は日本ですよね。

「秋の夕日に照る山紅葉」いいし、
「渓(たに)の流れに散り浮く紅葉」もしかり。

先週、高野辰之終焉の地・野沢温泉で
「朧月夜記念館」を訪問、
高野の書斎を再現した班山文庫を見て
きました。ああいうすごい国文学者が
かくもすばらしい作詞を
してくれたことが嬉しいですね。

そして、十和田湖、中禅寺湖、芦ノ湖・・・
紅葉には湖がよく映えます。今年の
秋は紅葉を愛でる余裕は
全くありませんでしたが、
来年はと、今から思いを馳せています。

そしてカナダでのような赤一色よりやはり、
日本人には
「濃いも薄いも数あるなかに」
「赤や黄色の色さまざまに」
という紅葉が、気持ちとして
ぴったりくるのではないでしょうか。

そうそう、なぜか「万葉集」には
紅葉を詠ったt短歌が意外に少ないのです。

このことは次回、触れましょう。
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