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深川長郎さんを悼む [2006年07月01日(土)]





   挿画は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。



  昨日の新聞に深川長郎(たけお)さんの死亡記事が出ていた。新聞には、前日本学生陸上競技連合会長、元国士舘大学教授としか出ていないが、この人こそ、1964年の東京オリンピック開閉会式の司会者である。

  私は当時、まだ早稲田の学生であったが、国旗の専門家として、今の迎賓館にあった組織委員会に迎えられ、事務局競技部式典課付となった。深川さんはそのとき同じ競技部の競技一課長だった。古き佳きスポーツ紳士の雰囲気を持つ方で、享年74歳ときけば、えっ、そんなに若かったの? と疑いたくなるほどの風格だった。

 開会式での司会の名調子は今も耳に残る。目配りが利いて、歯切れがいい。「深川節」とでもいうべき独特の節回しも気分を高潮させる。

 よく水泳競技で「第1のコ〜ス〇〇くん、日本」などと呼んで選手を紹介するが、あれも深川さんが完成させたものと聞く。

 東京オリンピックから42年、組織員会の関係者の多くは鬼籍に入った。思えば敗戦後、わずか19年目にして開催した国民的催事だった。

 よく開催できたものと思うことがいろいろある。中にいて細部のいろいろなことを直接体験した職員は以前は、たまに同窓会を開いて思い出を語り合っていたが、深川さんが逝ってしまっては、おそらく管理職の人はあと誰がいるだろうかというくらいになってしまった。

 如何せん、いつになっても当然、私が最年少だ。公式記録は立派なものがあるが、裏話もまとめておかねばなるまい。その体験で本当にさまざまなことを勉強させていただいたのだから。
              合掌
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