尖閣、政府は毅然と国民は冷静に [2010年09月29日(Wed)]
衛星チャネル「朝日ニュースター」で昨夜20:00〜21:00、 尖閣諸島の問題について、上杉 隆キャスターとやってきました。 みなさまからのご意見も加味し、最終的には こんなレジュメで、ほぼこの通りしゃべらせていただきました。 <事件の直接的原因> @ 偶発説:船長が逃げようとして操舵に失敗した。 事故 A 作為説:上部組織からの指示? 事件 衝突回避の様子が見られない <事件の間接的原因と問題発展の原因> @ 胡錦涛国家主席、温家宝首相の日中関係改善姿勢に 中国で批判がくすぶっていた。 A これを機に日本やアジア、米国の対応を試した。 これなら落としどころを考えているはず <保釈のタイミング> @ 日米首脳・外相会談で「尖閣諸島は安保の対象内」を とったのは前原外相の金星。 A 菅首相不在(超法規的措置はとれないのか、 22日の訪米前に菅首相のいら立ち) 「イラ菅」の常態。表に漏れてはいけない。 B 中国の強腰、フジタの4人拘束、 日本側首脳や丹羽大使と会見せず C 圧力:レアアース、観光客などの経済面、 「白樺」の掘削開始、首脳会談の延期 <日本側の間違い> @ 法と証拠による司法の厳格な執行が務めの地検が 「わが国国民への影響や今後の日中関係を考慮」 地検外交?(毎日新聞「余録」) 外務省の関係修復優先外交 A 保釈が正しいとするなら堂々と指揮権発動とすべし B 船長以外も少しでも残すべきだった。 供述の食い違いから事実を確認できた C 菅首相の25日の帰国を待って決定すべきだ。 傷つかないように? <中国側の間違い> @ 日本国民に「中国の脅威」を広めたこと A 日米共通の敵 B 落としどころの難しさ <評 価> 1 国際社会において日本の敗北、 わが国外交の権威の失墜。 2 国交回復以降40年の日中友好の精神を一気に冷却化 3 政権に対する期待を大きく裏切るもの 4 東南アジア諸国の日本に対する失望感.権威失墜 5 自国の安全保障をより一層 米国に依存せざるを得ない姿を晒したこと. <憂慮すべきこと> @ 法治国家・日本に禍根 A 日本は周辺諸国への説明が難しい B 今後、同様の事件やより大量の魚船が集中した時、 逮捕するのかしないのか。既成事実の常態化 C 現場の海上保安庁職員はどう命をかけるべきか。 中国の武装監視船「漁政」(農業部門の監視船) 中国政府は各部署に監視船・体制 実態は古い軍艦を改造し、海軍の軍人が中心 D 日本国民に対中不満が鬱積しないか。 E 民主党政権のパイプの細さ 戴秉国国務委員と話のできる奴もいない、と菅首相 小沢一郎をどうする? 小沢に何が出来るのか。 <中国のなしそうなこと> 賠償請求 接続水域(領土周辺の約22キロ)への中国艦船の出動 尖閣諸島付近での軍事演習、 円買いによる円高助長、 日本人への査証発行制限、税関などの嫌がらせ 日本漁船の拿捕、 APECへの胡国家主席出席取りやめ、 大使引揚、 国交断絶 武力衝突 <日本側のなしうること> (短期的) 「場当り的」「検察外交」への説明責任 国会、国民、海保、検察・・・ 菅、仙谷の外交音痴・門外漢 賠償請求 中国の監視船への退去要請 ビデオの公開 外交ルートや特使による各国への説明 ASEM、G20、APECなどの活用 大使の期限付き帰国と国会での報告 大使の引揚 (中長期的) 主権を護るという矜持の維持 法と正義の対外発信 企業の生産拠点の分散 日米関係の強化 独自の対応能力 自衛隊の常駐(松原仁衆院議員たち12人の提案) <中国の好戦性> 周辺国との武力衝突、国内で武力鎮圧を重ねてきた歴史、 「中華思想」という大国主義 朝鮮戦争 1951 中印戦争 1962、 中ソ戦争 1969、 中越戦争 1979、(膺懲) チベット 1959、2008 台湾危機 1996 新疆・ウイグル 2009(156人死亡) インドネシア、カンボジア、マレーシア、 ミャンマーなどへの干渉・工作 <対応の基本> 政府は毅然と、国民は冷静な反応をしなければならない。 |