日露関係改善のため今何を [2009年10月04日(Sun)]
択捉島単冠湾 北方4島の返還を実現して日露平和条約を締結し、 両国間に真の友好・協力関係を築こうというのは、 日本国民圧倒的大多数の熱望であり、悲願である。 また、鳩山由紀夫首相はロシアとの関係強化を 外交の重要課題の一つに据えていると思われる。 しかるに、遺憾ながら、同首相自身のこれまでの発言には かなりのブレがあると言わざるをえない。 毎年2月7日(北方領土の日)に東京の九段会館で行なわれる 「北方領土返還要求全国大会」(官民共催)に、 鳩山氏は民主党幹事長として何度も出席したり、 メッセージを送ったりしているが、 そこでは一貫して「4島一括返還」である。 しかし、<1956年にソ連との国交回復を果たした 鳩山一郎元首相の孫に当たるというブランド力を最大限に生かし、 日ロ間のトゲとなっている北方領土問題を 進展させたい(時事通信)>と思うあまり、 必要以上に張り切ったり、 軽挙妄動をしてはいただきたくない。 ロシア国内の政治経済事情、国際政治の動向、 日本の政局のあわただしさなど、 どれをとってもそのための「機」が熟していないのである。 ここは日本側が全体として、「力」を蓄える時期であると考える。 ならば、当面、 北方領土問題を解決して日露関係を抜本的に改善するためには 何をなすべきか。 私は、第1にあらゆる外交上のシミュレーションを行なうべきこと、 第2に日露両国での啓発活動の活性化、 第3に国内において政、官、地方、財、学、返還運動団体、 元島民団体など各界を網羅した戦略会議(仮称)を設置すること、 第4は、日本の国内で未解決の問題を整理しておくこと、 そして5番目に、北方領土周辺地域の振興に力を尽くすことである、 と考える。 以下順を追って説明したい。 (つづく) |