日露言論戦に助力を [2008年12月30日(火)]
![]() 『サハリンとクリル諸島の歴史』は、 従来見られない形の真摯な学術書。 ![]() 著者から、ユーラシア21研究所随一のロシア語使いである 袴田茂樹理事(青山学院大学教授)に献呈の辞が書かれている。 ![]() 著者、発行所などはこのペイジを参照されたい。 戦うなら、敵の戦力の総合的な分析が必要であることは いうまでもない。 それを怠り、戦術的な一時的勝利を得ようとも、 さきの大戦の轍を踏むのがせいぜいであろうことは 論を俟つまい。 北方領土問題についての外交交渉 またしかりである。言論による“戦争”だからだ。 相手はあらゆる詭弁を弄して、 日本側を誘導し、圧迫し、へこまそうとする。 1973年の第一回日露専門家会議 (これまで通算26回開催)以来、 「解決済み」「領土問題は存在しない」 「2島返還で平和条約」 「経済協力が第一、日本はバスに乗り遅れる」・・・ あらゆる詭弁と曲解をもてあそび、駆使して、 ソ連、ロシア側は私たちに対応してきた。 これに対し、私たちはこの35年間、 もぐら叩きのように小槌を振り回してきた。 反論集『日露平和条約への道標』(ロシア語。 日本語版は『変わる日ロ関係』文春新書)を出し、 これへの反論がロシア語と日本語で出た。 再反論を『ロシアへの反論』として自由国民社から出し、 まもなくそのロシア語訳がユーラシア21研究所で 完成する。 ロシア国内で出版する費用(約300万円)がないので、 わが研究所のHPで流すほかなさそうだ。 ロシア側からは次々に関係の出版物が出てくる。 サハリンの関係で最近、3種類のものが出た。 まずは、 @ 元ソ連共産党ユジノサハリンスク第1書記である エリザリエフ氏 (現・国立ユジノサハリンスク総合大学教授)が出した 『欧州から見たサハリンとクリル列島』(ロシア語のみ)。 12月14日朝、ホテルに私を訪ねて、同書を下さった。 カラー印刷の古地図をふんだんに使って、一方的な 論理を繰り広げ、サハリンや千島、北方領土を ロシア固有の領土としている。参考のため、 敬意を払いつつ、書棚にツンドクにとどめている。 A 次に、前サハリン州議会議員で対日最強硬派の頭目 ポノマリョフ氏を事実上の執筆者とする 『露日関係におけるクリル列島・最新版』 (サハリン州国際・対外経済・地域間関係委員会、 ロシア語、日本語)。われわれの 「サハリンフォーラム2008」(通算11回目)に合わせ、 11月5日の中曽根・ラヴロフ両外相によるリマ会談まで 紹介している。但し、内容のでたらめさは極端であり 同フォーラムで私が厳しく指弾しておいた。 B そして、『サハリンとクリル諸島の歴史』。 サハリン州公文書館長など4名による 共同執筆(モスクワで刊行。写真)。 このBがなかなかの出来。従来のような ロシア側の見解や曲解を並べ立てたものではなく、 日本側の主張もかなり公平に紹介している。全712ペイジ。 とりあえず1500部のみの発行のようだが、 関係者に配られたり、大学の教科書にしているという。 この本は間違いなく、ロシア側の「理論固め」に 大いに役立つものになりえよう。 日本側としては、これを何とか翻訳し、 相手の考え方をしっかりと把握する必要がある。 わがユーラシア21研究所の 2009年度の事業にしたいが、いかんせん、予算がない。 外務省や北方領土問題対策協会にも持ちかけているが、 諸事情を知る者としては無理強いも出来ない。 誰か、数百万円のスポンサーになって、 国益を支えてくれる人はいませんか。 |







