メン食い談義 [2008年12月29日(月)]
![]() 挿画は、石田良介画伯作。特段のご厚意で 掲載させていただいております。禁無断転載。 麦酒(ビール)には日ごろお世話になっているが、 「麦麺」なんて言葉はついぞ聴かない。 しかし、 饂飩(うどん)、 きしめん、 ほうとう、 ひやむぎ、 そうめん、 冷麺、 らーめん、 支那そば、 スパゲッティ… の類いの総称はなんだろうか。 「麦麺」か「麦粉麺」とでも言ってはどうか。 共通の主原料は、麦の粉なんだから。 麺類には、 素麺のように手延べで作るもの、 饂飩や蕎麦のように板上のものを切るもの、 スパゲッティのように穴から搾り出すものとがある。 「素麺」と書く「そうめん」、紐を著す「索」を用い、 「索麺」であったものが、 誤って「素麺」と書かれ、 それが伝わったという説もある(『語源がわかる言葉の事典』)。 ひやむぎは、うどんより細く、 そうめんより太い夏向きの麺。 茹でて水や氷で冷やし、 つけじるで食べる。 そうめんは、日本の麺で一番細いもの。 塩と水を加えた小麦粉を捏ね、 紐状にして綿実油を塗り、 さらにのばして細くする。 「そうめんおじさん」こと播州手延素麺株式会社の 北川豊彦社長によれば、 「小麦粉のたんぱく質はグルテンと呼ばれます。 ほかの穀物にないグルテンは、 グルテニンとグリアジンという 2つのたんぱく質からできており、 小麦粉に 水を加えてこねると、 この2つのたんぱく質から 小麦粉特有の弾力性と粘着性を もった グルテンがつくられます。 パンがふっくらふくらんだり、 そうめんや中華めんのシコシコした歯ごたえは、 グルテンの働きによるものです。 小麦粉以外の米やとうもろこしなどの穀物の粉で パンを焼いてはふっくらと ふくらみません。 そうめんをつくろうとしても プツンプツン切れてしまいます。 これは、米やとうもろこしにはグルテンがないからです。 小麦粉がほかの 穀物と違っていろいろな加工製品や 幅広く調理に利用されるのは、 グルテンのこのすぐれた性質によるものです」とのこと。 また、北川社長は、 @奈良時代に唐から輸入された菓餅14種のうちの一つの 『索(さく)餅(べい)』が そうめんの元祖、 A『索餅』は和名を麦縄といわれていたことから 『索餅』はかなり太かたかと想像される、 B『索餅』は、たまり醤油など調味料や香辛料を混ぜ 種々の野菜とあえて供されていた、 C 室町時代初期の成立といわれる 玄恵著『庭訓往来』にそうめんらしいものの記述もあるので、 そうめんの製法はそれより相当以前に 中国から伝来したと考えられる、 D『索餅』がすぐさまそうめんとなったと 断定するにはまだ資料が乏しい、などと貴重な話 を教えてくれた。 |




