CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
«小銃はソ連製が優っていた | Main | 老舗の味に母を思う»
<< 2012年05月 >>
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
銃の保有 米国とスイス [2006年04月30日(Sun)]
 


  





 1999年、米国のコロラド州デンバー近郊にあるコロンバイン高校で銃の乱射により13人が亡くなるという痛ましい事件があった。

このため、米国社会で銃の所有を規制する声が強まったが、実質的にはほとんど進んでいない。2005年9月にニューオーリンズなどで千人を超える死者を出したハリケーン「カトリーナ」の被災中にも、銃を用いての掠奪騒ぎや警察官との銃撃戦で死亡事件が起こるなどした。如何せん、スーパーで銃や弾丸が変販売されている社会だ。[

米国合衆国憲法1791年に原憲法を改正して制定された修正第2条に「規律正しい市民兵は、自由国家の安寧に必要であるから、武器を所蔵し、携帯する国民の権利はこれを犯してはならない」(『世界各国の憲法典』)とあり、銃規制が容易に強化されにくい。

また、全米ライフル協会(NRA)が「人間を殺すのは人間であり銃ではない」とのスローガンを掲げ、銃の規制を阻止している。

この協会は1871年創立、最近まで俳優のチャールトン・へストンが会長で、多くの有力政治家、著名人が加わるなど銃の製造販売関係者、銃の愛好家などを中心に、全米に360万人以上の会員を擁し、6000万ドル(70億円)以上問題の莫大な政治献金をするという有力な圧力団体である。

米国一国で小型武器は2億個、所有者は7000万人に上るといわれている。すべてが事故死というわけではないが、1999年に小型武器で亡くなった米国人は28,874人にも上り、米国の大きな社会問題となっている。

スイスでも、2002年9月に東部のツークで27日、州議会議事堂に乱入した男が持っていた小銃を乱射して、議員3人を含む14人が死亡するという事件があったが、これは全くの例外。

何度かスイス人のお宅に招かれたことがあるが、各自の銃を整備してきちんと保管し、有事に備える。これらの銃は、あくまでもものであって、米国のように、これが社会の悲劇の原因になることはまずない。

米国とスイスの歴史や伝統の違い、社会体質の違いから来るものであろう。

なお、スイスでは国民の兵役義務は、心身に障害がない限り逃れがたい。

しかも、まず現役兵として19〜20歳の間に、15週間ずつ年に二回実施される。

その後予備役として20〜42歳の間に、3週間の再訓練を10回行わなければならない。これでも近年、訓練が緩くなった。10年ほど前まではこれが17週間であったし、43〜50歳の間に1週間の再訓練に毎年二度参加しなくてはならなかった。

何度か見る機会があったが、自分の子女が下校するのと入れ替わって親が銃を持って駆けつけ、翌朝まで軍事訓練に参加していたのが印象的だ。

銃は、個人も社会も国家も、しっかり管理できないなら保有してはならない。




  挿画は、石田良介画伯作。特段のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。
コメントする
コメント