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日本民謡に3拍子なし [2008年01月31日(Thu)]





 日本の民謡には3拍子はまったくないのではないか。

唯一の例外と思われるのが『五木の子守唄』。それさえ、途中から4拍子か2拍子になるし、はじめから強引に2拍子にしてしまう人がいるほどだ。

唱歌・童謡の分野でも、でも決して多いとは言わないが、明治末から大正期にかけて結構、3拍子の名曲が誕生している。

まず、『庭の千草』(里見作詞)。『The Last Rose of Summer』というアイルランド民謡にバラを白菊に変えた詞を付けたもの。

メロディーの美しさに1884(明治17)年の『小学唱歌集』での発表以来、日本人、特に女性の人気をさらった歌だった。

わが母もよほどこの歌が気に入っていたとみえ、私が中学生になってほどなく、日英両語で練習させられたのを憶えている。わが歌唱力のなさを嘆じるほかない難曲ではあるが。

金田一春彦によれば、ベートーベンはこの曲を、バイロンの詩を用いて『二十のアイルランド歌曲』の第6曲に編曲し、メンデルスゾーンはこれによって『ピアノ幻想曲』を書き、フロートーはこの旋律を主要動機にしてオペラ『マルタ』を書いた、とのこと(『日本の唱歌』)。浅学非才な私はまだこれらの曲を聞いたことがない気がする。

次に登場したのが『港』(旗野十一郎作詞、林柳波作曲)。

日本人が本当に3拍子に親しんだのはこの曲からか。広島県宇品港のめがね橋付近が詞の舞台とされている。

「平和で情緒に充ちながらも、活気ある港風景が表現されている」(長田暁二『日本のうた大全集』)というが、歌詞からみれば夜の光景なのだが、「空も港も夜ははれて」の歌詞も「空も港も世は晴れて」ではないかとずっと誤解していたし、旋律も何となく港の朝の賑わいを歌っているような明るさだ。

その後にできたのが、『美しき天然』(武島羽衣作詞、田中穂積作曲、1900年代)と『青葉の笛(原題は、と)』(大和田建樹作詞、田村虎蔵作曲。1906年)。

 こっちはわが父のほとんど唯一の愛唱歌だった。
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