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東京五輪ファンファーレ [2008年01月23日(Wed)]








「三文楽士」さまにおめにかかれず、本当に残念かつ、申し訳なく思っております。

おまけに、東京駅の新幹線ホームから、小欄のコメント欄に下記のような丁寧な文章をおおくりいただき、ひたすら恐縮しております。

ブログの背景を変えましたところ、文字が小さい上に薄く、読みにくいかと思い、こちらに転載して、回答します。

▲ ∵△∵▲∵△∵▲∵△∵▲∵△∵▲∵△∵▲

吹浦理事長様

 こちらこそ、アポなしで大変失礼いたしました。
 出張仕事のスキを見て突撃取材を企てたのは事実ですが
 なにぶん、予定が不確定の上に予想外の雪ということで
 ご容赦ください。

ご教示頂いた資料などにて、ファンファーレが開会式以前にも
演奏されていた(前夜祭など)ということが解って参りました。
資料には単に「ファンファーレを演奏した」と書かれておりますが
このファンファーレは件のファンファーレであるものと確信しております。

開会式後のイベントで明確にファンファーレが演奏されたと
記述されているのは閉会式のみです。

お伺いしたいのは
 各会場、各競技での開会式や表彰式の様子であります。
 報告書に掲載された写真画像の中の何枚かに音楽隊が写っております。
もちろん、表彰時の国家吹奏が主な任務であったと思いますが
これらの席でも、ひょっとしてファンファーレが演奏されているのでは?
と想像しております。いかがでありましょうか。

 今回の上京中、航空中央音楽隊の最長老隊員様と直接お話をする機会を得ました。その方は、東京五輪時は流石に若くて入隊前、しかし札幌五輪の式典演奏には参加されておられたとのことです。先輩隊員からの伝承として東京五輪時の音楽隊編成の苦労話など聞かせて頂きました。開会式のファンファーレ隊は全員、陸上自衛隊の音楽隊とのことでしたが、内訳は中央音楽隊だけではとても足らず、全国の音楽隊から奏者を招集したとのことでありました。

 立川に展示されてるファンファーレトランペット実物をこの手に持たせて頂くことができました。ずしりと重みを感じました。陸自広報センターも楽器より格段に手入れはされております。この楽器、本物かレプリカか、隊内でもはっきりしていなかったとのことですが、製造番号などより間違いなく「本物」であると判明しましたので、今後は「本物」と表示して展示するとのことでありました。

今後ともよろしくお願いいたします。
Posted by:三文楽士@東京駅新幹線ホーム  at 2008年01月23日(水) 18:33
☆ ・★☆・☆・☆・★・☆・☆・☆・★☆・☆・☆・★

以下、私の記憶です。

まず、ファンファーレは表彰式のはじまりで毎回、演奏されました。このメロディが吹奏されると、表彰を受ける3位までの選手が並んで表彰台に近づき、「只今より、1500メートル自由形の表彰式を行います」というようなアナウンスになります。

もちろん、フランス語と英語でもアナウンスされます。オリンピックの第1公用語はフランス語ですが、東京大会では、英語でのアナウンスが先だったように思います。

そのときの楽器や編成がどうだったかは、記憶がありませんが、私はずいぶん表彰式を見ましたが、楽士はたぶん、あちこち掛け持っていたのではないかと思います。

もう少しはっきりしたことが分かればいいのですが、いかんせん、組織委の最年少職員が私で、66歳ですので、44年前にことは細かくは覚えていません。どこかに、詳細な進行表のようなものがあったような気もするのですが・・・
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コメント
「三文楽士」さまの並外れた探究心と、演奏の工夫、情熱に敬服します。いつかゆっくりご教示ください。
Posted by: 吹浦忠正  at 2008年02月11日(Mon) 21:27

*** ついでに ***

 # 本稿 2月11日を意識しているわけではありません

「君が代」と「軍艦」は批判的に論評されることが多いという点で、境遇的に似ているところがあります。

 歌詞の意味 云々は 別にして、私は「軍艦」のメロディが好きです。「君が代」の方は、和声に惚れています、が、たいていの資料には残念なことにメロディしか載ってないんですね。 歌詞の内容について「君」が誰であろうが、小石が岩になろうが、そんなことは文学的浪漫の問題であって、議論そのものがナンセンスであると考えております。国語学者の山田孝雄さんが最後の著書「君が代の歴史」(この書物に楽譜が全くないのが残念)で述べておられるように、「君が代」は何時誰が決めたという事無く自然に国歌になったのだ、詞と曲そのものに、それだけのポテンシャルがあったのだ、という考えに共鳴します。 君が代を国歌と認めるに異議はありませんが、近年成立した法律に掲載されているスラーが付けられていない楽譜は論外で、この楽譜が国歌であるならば、私は国歌は歌いません。音楽の教科書の最後の頁に掲載されていた楽譜に基づいて「君が代」を歌います。内藤孝敏さんの著書とサイトは勿論チェックしております。ファンファーレトランペットを訪ね歩く中で、警察博物館にて「君が代」の古い吹奏楽総譜を発見、撮影禁止なので、何回か通って筆写しました。よく知られているF.エッケルト編のものとは別のもので、軍楽隊の編成の推移を知ることができて興味深いです。筆写していると、単に眺めているのとは段違いに、色々と細かいところに気が付きます。楽譜の浄書版とともに、そのあたりも含めまして、いずれ公開したいと考えております。
Posted by: 三文楽士  at 2008年02月11日(Mon) 14:45

*** 本題 ***

谷村政次郎著 大村書店 行進曲「軍艦」百年の航跡 p.369-373 に

「東京オリンピック開会式の入場行進」

の項があり、開会式に先立って行われた音楽隊の演奏行進入場に関する記載があり、開会式公式プログラムから演奏曲目が引用されております。

陸上自衛隊音楽隊(A)
 隊長  斉藤徳三郎 曲「大空」
陸上自衛隊音楽隊(B)
 副隊長 玉目利保  曲「君が代行進曲」
航空自衛隊航空音楽隊 
 隊長  松本秀喜  曲「コバルトの空」
警察音楽隊      
 隊長  岡田与祖治 曲「新しき日のわれら」
消防庁音楽隊     
 隊長  岡 英男  曲「雷神」
海上自衛隊音楽隊   
 隊長  片山正見  曲「軍艦」

ファンファーレ隊の指揮は 陸上自衛隊音楽隊(B)と同じく、
陸上自衛隊中央音楽隊副隊長 玉目利保三等陸佐

ということです。

本書はタイトルの通り 行進曲「軍艦」 いわゆる軍艦マーチを中心に据えた書で、著者は海上自衛隊東京音楽隊の隊長をされておられた方です。非常に丁寧に調査されておられ、通説を覆す新事実の提示もあります。明治維新前後から今日までの音楽史書としても重要な資料となるでしょう。
Posted by: 三文楽士  at 2008年02月11日(Mon) 14:36

お世話になっております。

2月10日 私が、創設時より所属しております。アマチュア吹奏楽団の定期演奏会が開催されました

前日夜、ホールで行われたリハは雪の中。終了後、車のドアが凍り付いていて開かず、乗り込むまでが一苦労。道路は凍結してスケートリンク状態、安全を期待して選択した国道は、坂道で大型車が立ち往生していて、やむなく田舎道に迂回。目前を「鹿」が横断してビックリ(急ブレーキは自殺行為)。

 # というほど田舎で活動している楽団です。

毎回 舞台転換のための幕間を利用して、各パート持ち回りで10分ほど小規模なアンサンブル演奏を行います。
今年は、私も、その一人であるトランペットパートの担当。

オープニングには件の五輪ファンファーレ
おかげさまで、私のいい加減な耳コピー譜ではなく、原典に忠実に演奏することが出来ました。

続いては
 普通のトランペット(Bb管)に
  ピッコロトランペット
  アルトトランペット
  バストランペット
を加えたアンサンブルを2曲演奏いたしました。郡部で活動している田舎バンドでは、おそらく初、全国的にも希な試みとかと自負しております。

お客さんの反応も上々でありました。

Posted by: 三文楽士  at 2008年02月11日(Mon) 14:35

敗戦から19年目にオリンピックというのはすごいことだと思います。
北京や上海もこういうナショナル・プロジェクトでさらに上昇気流に乗るのでしょうか。それとも・・・
Posted by: 吹浦忠正  at 2008年01月25日(Fri) 07:53

雪のタイミングがずれてくれたお陰で、
昨日は日が変わらぬうちに帰ることができました。たった今、湖国は雪の中です。

御回答、ありがとうございます。
ファンファーレが幾度と吹奏されたことが解りました。

航空中央音楽隊の方のお話からも、色々な意味で、まさに国家が総力を挙げたイベントであったということがよくわかりました。こういう形で「総力を挙げる」ことができるようになったことが、国家が成人した、ということかな、などと考えております。

まだまだ解らないことがたくさん残っております。東京五輪の生き証人様のお力添え、今後ともよろしくお願い申しあげます。

Posted by: 三文楽士@雪の湖国  at 2008年01月25日(Fri) 00:36