雑司ヶ谷霊園に思う [2008年01月15日(火)]
![]() 恩師・橋本祐子(さちこ。通称「ハシ先生」)先生のお宅は、豊島区雑司ケ谷。私たち「門下生」はその応接間で切磋琢磨しあったものだ。 そして、目の前には雑司が谷霊園。頭を冷やすには十分の場所だ。時には、深夜に近い時間帯でも、霊園内を歩きながら議論するということもあった。 ここには、多くの著名人が埋葬されている。豊島区教育委員会教育総務課文化財係編になる『豊島区の霊園・寺院を訪ねて 墓石探索マップ』によれば、次のような人々だ。 愛知揆一 外相、蔵相、文相など 安部磯雄 早大野球部創設者。「学生野球の父」 安藤鶴夫 演劇評論家 飯沢 匡 劇作家 池田菊苗 化学者、味の素の発明 伊澤修二 西洋音楽を移入した教育者 泉 鏡花 小説家 市川左団次(3代目) 歌舞伎俳優 いずみたく 作曲家 岩瀬忠震(ただなり) 幕臣、外国奉行 岩野泡鳴 作家、評論家 江戸屋猫八(初世) 物まね芸人 大井憲太郎 自由民権運動家 大川橋蔵 俳優 大塚楠緒子 反戦詩人 大町桂月 評論家・詩人 荻野吟子 医者 小栗忠順 幕臣 尾上梅幸(6代) 歌舞伎俳優 加藤弘之 啓蒙学者 神尾光臣 軍人 川口 浩 俳優 川口松太郎 小説家・劇作家 北村寿雄 笛吹童子 小説家 金田一京助 言語学者 クォン・デ 「東遊(トンズー)運動」のトップとなったベトナムの王子 窪田空穂 歌人・国文学者 小泉八雲 小説家・英文学者 サトウ ハチロー 童謡作家 島村抱月 劇作家・評論家 武島羽衣 「美しき天然」「花」の作詞者 竹久夢二 抒情画家 東儀鉄笛 都の西北 音楽家・俳優 東郷青児 洋画家 東条英機 軍人・政治家 永井荷風 小説家 中浜万次郎(ジョン万次郎) 幕臣で、翻訳者・通訳者 夏目漱石 小説家 野添ひとみ 俳優 羽仁もと子 教育者 廣池千九郎 モラロジー 歴史家・道徳科学者 福原麟太郎 英文学者 古川緑波 喜劇俳優 三益愛子 俳優 宮田東峰 ハーモニカ奏者 「夏目漱石のお墓の前に行ってごらん。文学の賞をもらえなかった人なのかしら、原稿を墓前においてあることが多いのよ」。 「ハシ先生」のそんな話につられて墓前に行ってみたら、ほんとうに何人かの原稿が置いてあった。自分の作品の価値は漱石には判ってもらえるとでもいう思いなのか。 爾来、文字を記すことの難しさと苦渋を何度味わったことか。 「ハシ先生」はまた、「一度、活字になったものは取り消しができないのよ。もっと慎重に推敲しなさい」ともおっしゃった。「これは私が母に言われたことよ」。 <「そういう先生の門下生ならもう少しましな文章を書きなさい」>と言いたいんでしょう。分かってます。 「気をつけます」。 これまた何度繰り返した反省か。慙愧。 |





