ブログは怖い [2006年04月16日(Sun)]
![]() おかげさまでこのブログ(小欄)は1月の終りに始めてから200回目を超えた。ご高覧いただいた方々、お勧めくださった方々、そしてわが「ブログ・ウィドウ」に感謝する。 ブログのすばらしさはイクラでも挙げることが出来る。先日、カナダ大使館で一緒に食事をした朝日新聞の本田優記者は、「新聞は30数頁あり、延べ面積膨大だが、一人の読者が読む範囲は本当に少ない。それに比べてブログは、ことばは悪いが“確信犯”が読むから、一日400〜500人もが読むあなたのブログはすごいことだ」と(恐らくはカナダ・ワインご愛飲の勢いで)おっしゃっておられた。 確かに、ブログのコミュニケーション力はすさまじい。 一昨年11月、西安、北京、杭州、上海とまわったときのこと。出発した2日前に、中国の潜水艦が沖縄・先島諸島の領海を侵犯するというひどい事件があった。北京では橋本龍太郎元首相や笹川陽平日本財団理事長(現・会長)らもご一緒だったので、国家副主席、国防大臣といった要人と次々にお会いすることが出来た。しかし、この事件については「調査中」以外、先方は明らかに言葉を避けていた。 街でも中国人はだれも知らなかった。私は床屋、マッサージ店、茶店、バーなどに夜な夜な参上し、それとなくこの話を知っているかを探ってみたが、滞在9日目に上海で行ったマッサージ店では、経営者のオヤジが、向こうから話かけてきたのが、最初だった。 「日本はひどいね。中国が何もしないのにわしらの海に軍艦を突っ込んできたというじゃないか」 「オヤジさん、そりゃ、すまなかった。で、それっていつのこと? 中国のどこに? どうして知ったの?」 「香港からのインターネット情報だよ」 そこで、千円札を白衣のポケットに突っ込んだ。 「ね、詳しく教えてよ。ほんとに日本はいけないね」 マッサージ師が美女に代わった。あまりマッサージはうまくないがこの際、どうでもいい。オヤジはパソコンのある部屋に行って、10分足らずで戻ってきた。 「オレの間違いだ。チップ返すよ」 「ええっ? まさか・・・」 「逆だった。人民解放軍の海軍の潜水艦がもぐったまま、日本のどこだかの島近くまで行ったという話だ」 「やぁ、安心した。日本が悪いんじゃないね。ま、チップは取っておいてよ。また来るからね」。 事件発生から約10日で、こういう情報が一般庶民に伝わるということが分かっただけで千円は安い。 中国政府は、インターネットによって「芳しくない情報」が大衆に広まることを真剣に阻止しようとしているが、これは容易なことではできそうにない。 「今でもテレビでは音声は字幕を消したり、雑音を入れて聞こえなくすることがよくあります」 小欄でも紹介した大連の友人はそういうし、東京財団の柴崎総務担当常務理事は、天安門事件のときたまたま天津にいて、テレビの字幕や音声が切断されるのを実際に体験したという。 「それって、ほんとに怖いんですよね」と、今でもこわごわ語る。 ブログの力は確かに大きいが、欠点もいろいろあることが少しずつわかってきた。見出しをつけにくい、無責任なコメントが掲載されかねない、文字が小さい・・・。いや、もしかしたらこれも私の技術的未熟さに起因しているだけのことかもしれない。 ブログの長所で最近、特に感じるのは、日々の体験を頭の中できちんと整理し、大事なことを聞き逃さないようになるということだ。みなさんも始めませんか、ブログの執筆を。 所要時間は自分で決めたらいいのではないでしょうか。私の場合は、最大15分。それを過ぎたら、「一時保存」で、時間的に余裕があるときにまとめることにしています。 拙文ですが、今後ともご愛読ください。 挿画「春爛漫」は、石田良介画伯のご厚意で掲載させていただいております。禁無断転載。 |





