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その道のプロよ、来たれ [2007年07月24日(火)]





アンゴラの子供たち。写真提供:難民を助ける会








 最近、日本でも「ノーブレス・オブリージ(貴人の担うべき徳義的責務)」という言葉をよく聞く。

 「朝日新聞」(97年9月6日付)の「解説」では「生まれながらの王や王妃にカリスマ性がなくなって、国民はノーブレス・オブリージを背負う本当の貴族の姿をダイアナに見た」と報じている。

ことの当否は別として、「ノーブレス・オブリージ」は、エリートにはそれなりの社会的貢献が期待されているという近代ヨーロッパ社会のマナーないしエチケットといってもいいだろう。

 日本のNGO活動にも、そういう人たちの参加が増えているように思う。他の団体のことは詳しくないので、難民を助ける会を例にとると、事務局の仕事の多くが子育てを終えた女性層に支えられている。

しかも、中には商社員やメーカーの駐在員夫人として欧米、アジア、アフリカに長期間滞在した“帰国主婦”も多い。外国語ができるということよりも、同じような活動を各地でやってきたこと、思いが常に地球大であることが力となり、支えとなっているようだ。

 一方“その道のプロ”がボランティア活動を続けているという例もたくさんある。

中央官庁の現役や定年退職組、さらには弁護士、公認会計士、行政書士、大学教授、軍事アナリスト、評論家、国会議員などとして活躍している“先生”も仲間だ。様々な会合の司会者や日本語スピーチコンテストの審査員がNHKの西村大介ディレクター、NTVの倉林吉男記者(元文化放送アナ)だったり、地雷会議やレセプションの司会者が野村正育、有働由美子アナだったりする。

日本語の習熟や表現を審査するのは、西尾珪子、西原鈴子の両先生。この道の双璧といわれる“大家”である。

 先頃までは元NHK・S放送総局長だったWさんというクラシック音楽の演出部門をずうっとやってきた専門家もいた。

普段はワープロによる文書作成やお礼状書きなどの地味な仕事をせっせとしていたが、ひとたびチャリティ・コンサートともなると、ステージ周りはこの人の独壇場。「ブタカン」が舞台監督であることもWさんに教えてもらった。

出演者からも、ホール側からも「すごいですね、あのおじさん。本職は何をしている人ですか」と訊かれた。

 このWさん、94年3月にはユーゴ通の若いボランティアとともに、旧ユーゴ諸国を訪問し、医療品や医療機械の提供という活動をし、落ち着いた目で状況を観察し、次の活動計画を考えてきてくれた。

 「そう3年前だったか、ユーゴがこんなになる前に特番づくりであそこに行ったことがあるんだよ。もっとも当時はファースト・クラスだったが」と笑う。エコノミー・クラスの割引切符で欧州に向かい、帰りは国内便がめったに飛ばないため、スコピエからベオグラード経由ブダペストまで1,800キロも車を飛ばして、割引切符の使える指定された便に間にあったのだとか。

 「日本のNGOはわれわれだけ。だから、ブダペストでもベオグラードでも大使館に大いに励まされた。責任は大きいぞ。しかし、やりだしたんだから徹底的にやれ。途中で手を抜くなら今のうちに引け」と言い残して、満1年3ヶ月の恒常的ボランティア活動をいったん閉じ家庭裁判所の調停員になった。

当然ながら教えられることがとても多かった。
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