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インドネシア・バタン石火 現場で強行される工事に国軍も関与―日本の官民は黙認していいのか? [2015年04月25日(Sat)]

委託研究員の波多江です。

日本が官民を挙げて推進しようとしている東南アジア最大級の「インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電所(2,000メガワット)」の建設予定地では、懸案であった土地収用の決着がついていないにもかかわらず、4月上旬から重機による掘削等が強行されていますが、この工事にインドネシア国軍が関与しているとの情報が現地から寄せられました。

以下の動画は、グリーンピース・インドネシアが現地に赴き、撮影したビデオです(英語のキャプション機能でご覧いただけます)。事業者やインドネシア政府側からの度重なる脅迫にもかかわらず、これまで事業者への土地売却を拒み、農地を死守してきた地権者は74名いますが、そのうちの一人へのインタビューも含まれています。

"Save Indonesia's Food Souvereignity"
https://www.youtube.com/watch?v=YwbMlvU1HqA&feature=youtu.be

(以下、上記動画の英語キャプションを和訳したものです。)
https://www.youtube.com/watch?v=YwbMlvU1HqA&feature=youtu.be
"Save Indonesia's Food Souvereignity"
インドネシアの食料安全保障を守れ

2015年4月21日、GREENPEACEはビデオグラファーをバタンに送り、バタンの現状を把握し、石炭火力発電に反対する住民の一人の証言を記録した。

計25.5ヘクタールの肥沃な農地をもつ74家族は、今日まで、石炭火力発電事業に反対している。カロマット氏もその一人である。(注:74家族の土地は未売却)

バタン住民・地主 カロマット氏
「この土地は事業者であるビマセナ・パワー・インドネシア(BPI)社の土地造成作業に囲まれている。私の土地は掘削はされていないが、私の土地に流れる灌漑用水が(盛土で)遮られてしまったので、将来、どうやってこの土地を耕すことができるのか。私たちの望みは、このような行為が正されることだ。少なくとも、私たちの土地への灌漑用水のアクセス・排水を彼らは認めるべきだ。」

ビデオグラファー:Kasan Kurdi
GREENPEACE

(以上、動画の英語キャプションの和訳)

上記の動画や以下の写真のなかに写っている重機等には、「ZENI AD」という記載が見られます。これはインドネシア国軍の工兵総局のことを指しているとのことです。

(写真: 農地のなかで盛土の作業を進める重機と周辺を警備する兵士(2015年4月21日撮影、グリーンピース提供)
farmland and heavy equipment.png

Owned Heavy Equipment Engineers AD are land fill power plant.JPG

Military Keeping Hilling Land 2.JPG

同事業は、電源開発(J-Power)、および、伊藤忠商事が出資をしており、現在、国際協力銀行(JBIC)、および、民間銀行団が融資を検討しています。まさに、日本が官民を挙げて取り組んでいるこの旗艦事業の現場で、このように国軍まで投入して工事を強行している実態を日本の官民は黙認してよいのでしょうか。

同事業の日本の関係者は、現場での違法・抑圧行為が早急に停止されるよう、しかるべき対応をとるとともに、事実関係の確認を行ない、今回の違法行為で生じた損害について、適切な回復・補償措置が講じられるよう、対応していくべきです。また、住民の合意が得られず、非合法な方法でしか推進できない同事業から、日本の官民は撤退すべきです。

(以上)

※インドネシア・バタン石炭火力発電事業に関する詳細はこちら
 http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/index.html
参院・本会議で尾立議員がインドネシア・バタン石火問題を質問! [2015年03月26日(Thu)]

委託研究員の波多江です。

日本が官民を挙げて建設しようとしている東南アジア最大級の「インドネシア・中ジャワ州バタン石炭火力発電所」は、住民の根強い反対により、3年間、着工が遅れてきました。
現地住民・NGOは、事業予定地の土地売却を拒む地権者らへの人権侵害等を指摘し、日本の国際協力銀行(JBIC)が融資を出さぬよう、日本の市民に訴えています。

3月25日、参議院・本会議の場で、尾立源幸議員(民主党・新緑風会)が同問題について、JBICの所管官庁である財務省に質問しました。以下、その内容です。

http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php
参議院議員 本会議
2015年3月25日
尾立源幸議員 (民主党・新緑風会)
ビデオ33:45 - 36:14

尾立議員:
・ 最後に、外交について指摘したいと思います。
・ 安倍総理は、就任以来積極的に外国を訪問しておられ、訪問国は54か国地域、のべにすると66か国・地域にのぼります。
・ 訪問の際に、総理は様々な資金援助の約束をしておられ、単純集計するとその額は2013年には9,110億円、2014年には1兆5,200億円にものぼります。
・ 資金援助は外交の重要なツールの1つですが、お土産をばらまくことで訪問国から相手にしてもらうのではなく、何より大切なことは相互の信頼関係に基づいて外交を行うことだと考えます。

・ この資金援助が、相手国に問題を引き起こすこともあります。
・ 一例をあげると、インドネシア・バタン石炭火力発電事業はJBICによる融資が検討されていますが、現地において多くの人々が反対をしており、インドネシア国家人権委員会も土地買収を巡って人権侵害に関する勧告を出しています。このような状況は、JBICの融資のガイドラインである「社会的合意」に反していませんか。
・ 今日までインドネシア大統領が来日しておられますが、人権侵害の指摘も含めて、バタン石炭火力発電事業について現状をどのように把握し、今後どう対応するのか、JBIC所管大臣として財務大臣の見解を伺います。
・ 折角、日本の貴重なお金を使ってもニーズに合わない支援を行うことは、なんの感謝もされないばかりか、むしろ反発されてしまいます。
・ お金を出すのが一番楽な方法ですが、簡単にお金をばらまき未来につけを残すのではなく、我が国の素晴らしい知恵と工夫と誠意を最大限活用して世界に貢献しようではありませんか。
・ あらためて将来世代につけを残さず、借金を先送りせず、限られた日本のお金をより活かす形で使うべきであることを申し上げて、私の質問を終ります。

ビデオ45:56 - 46:30
麻生財務大臣:
・ 最後に、国際協力銀行JBICがインドネシアで融資を検討している事業に関してのお尋ねがありました。
・ 国際協力銀行におきましては、同行が定める環境社会配慮確認のためのガイドラインに則って、融資を行なうことになっていると承知を致しております。
・ 財務省としては、所管官庁として、国際協力銀行JBICがこのガイドラインに則り、引き続き現地住民の声を聞き、適切に環境社会配慮確認を行なうよう監督してまいりたいと考えています。

(国会質疑は以上)

これまでJBICは、同事業の環境レビューのためにインドネシアへ行っても、現地住民やNGOに会ったことはありません。一体どうやれば、財務大臣が答弁したように「引き続き住民の声を聞」けるのでしょうか。明日も尾立議員が参議院・財政金融委員会で、同問題をとりあげます。ぜひ、ご注目ください。

○3月26日10:30〜11:20(予定)@財政金融委員会 尾立議員の質問予定
 →視聴はこちらから http://www.webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

(以上)
インドネシアの浸水被害 [2015年02月16日(Mon)]

スタッフの柳井です。
FoE Japanは2008年からインドネシア、中部ジャワ州の気候変動影響に脆弱な地域のコミュニティ支援を続けています。
プカロンガン市沿岸部では2006年頃から海面上昇による浸水被害を受け、多くの住民が田畑を失い住居や道路が水に浸かった状態での生活を強いられています。このような状況に対し、行政は沿岸部にマングローブ公園を設置して保全地域とする計画を立てました。当初は行政主導の計画に住民が取り残されていることが懸念されましたが、FoE Japanと現地NGOの働きかけや住民支援の結果、現在ではマングローブ公園の運営は住民グループが管理するまでに至っています。公園には多くの市民も訪れるようになり、エコツーリズムからの収入増加も期待されています。しかし一方で高潮の影響はますます深刻化しつつあります。自然の堤防として期待されたマングローブをもなぎ倒し、ますます住民の生活は困難になっています。

IMGP0762.jpg
なぎ倒されたマングローブ

バンドゥンガン村はマングローブ公園と隣り合わせた場所にありますが、海岸線まで数百メートルの農地が水に沈みました。農地の一部は魚の養殖場へと転換されていますが、養殖業は維持管理のコストが高く、数年に渡って収入源を失っている元農夫たちには簡単なことではありません。水に浸かった家も多く、住居の中にまで大量の水が入り込み衛生環境の悪化が心配されます。
FoE Japanではこの地域にもマングローブ植林を支援していますが、今後はすでにマングローブ等では防ぐことのできない被害に対する支援のあり方を、住民や行政と話し合いを持ちながら模索していきます。

IMGP0785.jpg
水に浸かる家屋

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生活道路の浸水

フィリピン・サンロケダムと闘った農民リーダー「アポ」の8回忌 [2014年05月17日(Sat)]

開発金融と環境チーム委託研究員の波多江です。フィリピンからのエッセイです。

2014年5月16日

「Let the Agno River Flow!」(アグノ川に自由な流れを!)

生前のアポがサンロケダムの抗議活動や会合で皆の前に出て話すとき、最後に必ず口にする言葉だった。私は彼が勢いよく流れるように言う、皆の奮起を駆り立てるこのフレーズが大好きだ。今でも私の心の中には、このアポの声が響いている。

320.JPG20020824-demonstration@Dagpan28-Dorton.JPG
「サンロケダムの抗議活動(2002年)」

8年前の5月16日午前、アポは帰宅途中の農道で何者かによって射殺された。当時、フィリピンでは「政治的殺害」が年に200件以上起きており、アポの暗殺も国家事業であったサンロケダムとその灌漑事業の反対運動を引っ張ってきた報いだった。

その8回忌に教会でのミサが催され、私はアポの奥さんやTIMAWWA(アグノ川の自由な流れを取り戻す農民運動)のリーダーらと参列した。

DSCN7085.JPG
「ミサの様子(2014年5月16日)」

ミサでは、アポの生前、一緒に活動していた仲間がそれぞれの思いを語った。

「今でも寂しくて、涙が出てくる。アポの生前はどこに行くにも自分が一緒だったから。」
「アポが生前、繰り返し言っていたことが、まさに起こっている。サンロケダムができたからと言って、電気や水が皆に行き渡っているわけではない。サンロケダムが放流して、大洪水が起きた。」
「アポの生前は多くの人が集まり、抗議活動に参加していた。今も、アポが私たちがこうして集まる機会になっている。」
「アポが始めたこの闘いを私たちは忘れることなく、続けていこう。」

DSCN7045.JPG
「ミサに参列したリーダーら(2014年5月16日)」

私は、私の気持ちをそのまま代弁してくれている皆の言葉に耳を傾けながら、思いっきり泣きたい気分になったが、少し顔を上に傾け、その涙を必死でこらえていた。そして、悲しみや悔しさと同時に、今年もこうして一緒にアポのことを偲び、思いを分かち合うこのできる仲間がいること、アポや皆が自分をこの場所に受け入れてくれたことをとても有り難く、幸福なことだと思った。

「これからも、自分のできることを精一杯続けていく。それが、お世話になったアポや皆へのせめてもの恩返しだと思うから。」ミサの終わりに、こう心の中で自分を奮い立たせながら、それでも、アポに一つだけお願いをした。「アポにはまだ私たちを見守っていてほしい。アポが殺された日の朝、『Ingat kayo(気をつけて)』と調査に出かける私たちに声をかけてくれたように。」
インドネシア・バタン石炭火力 地元でつづく深刻な人権侵害―治安部隊との衝突で住民がまた負傷 [2014年05月10日(Sat)]

開発金融と環境チーム 委託研究員の波多江です。
以下、インドネシア現地から入った報告をまとめました。

2013年5月10日

 現在、国際協力銀行(JBIC)が融資を検討しているインドネシア・中部ジャワ州バタン石炭火力発電事業を巡り、5月6日、現地で抗議活動を行なった住民らが再び、治安部隊と衝突し、暴行を受けるという事態が起こりました。現地NGOによれば、警察が住民を挑発したため、衝突が起こったとのことで、少なくとも3名の住民が負傷したとのことです。負傷した住民2.jpg
負傷した住民(2014年5月6日 地元住民撮影)

 今回、住民が抗議活動を行なったのは、地元バタン県にある検察庁の前です。身に覚えのない罪状で有罪判決を受け、7ヶ月の禁固刑を言い渡された反対派のリーダー2名に対する団結の意を示すことが一つの目的でした。現在、この2名のリーダーは投獄されていますが、1名は土地売却を拒んでいる農民、もう1名は小作農民です。

検察庁前での抗議行動.jpg
検察庁前での抗議行動(2014年5月6日 地元住民撮影)
検察庁前での抗議行動2.jpg
検察庁前での抗議行動(2014年5月6日 地元住民撮影)

 この東南アジア最大級の石炭火力発電所(2,000メガワット)の建設には、J-POWERと伊藤忠が参画を決定。また、総額約4,000億円以上がかかると見込まれている資金の約6割をJBICが融資しようと検討中です。

 しかし、肥沃な農地や沿岸の漁場など生計手段、また、健康への影響を懸念する地元住民が同事業に対する強い反対の声をあげ、地元や首都ジャカルタで何度も抗議活動を繰り返しています。これまでにも、そうした抗議の声を抑えようとする軍・警察の治安部隊により、負傷者が出る事態が起きていました。また、地元政府当局が反対派への見せしめのため、住民リーダーを犯罪者に仕立て上げるといった類の人権侵害も以前から見られました。

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Tolak PLTU Batang「バタン石炭火力発電所を拒否する」(2014年5月6日 地元住民撮影)

 同事業は、日本とインドネシアの旗艦事業として進められていますが、日本政府・JBICは、度重なる地元での深刻な人権侵害を重く受け止め、インドネシア政府に対し、こうした人権侵害を早急に止めるよう、強く申し入れるべきです。また、地元での強い反対の声を真摯に受け止め、同事業への融資を拒否すべきです。

 以下、現地の住民組織とNGOによるプレスリリースを日本語訳でご紹介します。

------------------------------------------------------------------
「環境保護を主張する住民は犯罪者ではない」
――バタン石炭火力発電所を拒否する!

プレス・リリース
2014年5月6日

 中部ジャワ州バタン県発− Paguyuban UKPWR(Ujungnegoro、Karanggeneng、Ponowareng、Wonokerso、Robanの5つの村の住民組織)の数百名にものぼるバタン県住民は、自分たちの村に石炭火力発電所を建設する巨大な事業計画に対し、再び拒否の声を上げています。Paguyuban UKPWRの代表らは、バタン県国家検察庁の前で抗議デモを行ないました。このデモは、同石炭火力発電所の建設計画への反対を理由に犯罪者扱いされている2人の市民に対する団結の意を形に表したものです。

 有罪とされたUKPWRの地域住民2人は、Cayadi bin RabuとCarman bin Tuyahです。CayadiとCarmanに対する告訴は、2012年4月4日に起こったことに対するものです。彼らは、バタン石炭火力発電所の建設に賛成する住民に暴行を加えたとして告訴されましたが、それは、彼らにとって全く身に覚えのない虚偽の告発です。同訴訟に関する地方裁と高裁における公判では、裁判官はCayadiとCarmanに対し、無罪の判決を下しました。しかし後日、最高裁は、彼らが有罪であるとし、7ヶ月の禁固刑という判決を下しました。

 バタン石炭火力発電所を建設する巨大事業は、地域住民が、同事業を落札した合弁企業ビマセナ・パワー・インドネシア社(BPI)への土地売却を拒否することで、同事業を拒絶してきたため、2年間、延期されてきました。同合弁企業は、Jパワー、伊藤忠、アダロ・パワー社の3社が設立したものです。

 「私たちは、この村でバタン石炭火力発電所を建設することを永遠に拒否し続けます。私たちは、チルボン、チラチャプ、ジェパラといった他の石炭火力発電所の周囲で暮らすコミュニティーと同様の不誠実を望みません。」と、Paguyuban UKPWRのリーダーRoidiは述べました。「政府は、UKPWRの地域住民を犯罪者扱いすることで、私たちの闘争を黙らせようとするのではなく、私たちの声を聞くべきです。」と彼は加えて述べました。

 バタン石炭火力発電所は建設されれば、2,000メガワットの容量を持つ東南アジアで最大の石炭火力発電所になると言われています。同石炭火力発電所は、官民の連携事業で、国際協力銀行(JBIC)や三井住友銀行など、日本の融資を受けることになっています。

 「インドネシア政府は、バタン石炭火力発電所の建設計画を中止すべきです。もし彼らが同事業を強行すれば、周辺地域に暮らす何千もの農民や漁民の生計手段を奪うばかりか、環境に悪影響を及ぼすことにもなります。また、インドネシアの温室効果ガス排出量の削減に関するインドネシア政府のコミットメントも脅かすことになります。」と、グリーンピース・インドネシアの活動家Arif Fiyantoは述べました。「石炭という環境汚染エネルギーに依存し続けるのではなく、政府はクリーンで環境に優しいエネルギーの開発に最大限の努力を注ぐべきです。」とArif Fiyantoはさらに主張しました。

連絡先:
Roidi, Paguyuban UKPWR, 081228046640
Arif Fiyanto, Greenpeace Indonesia, 0811-180-5373

(以上、プレスリリース翻訳)

>同事業の詳細については、こちらをご覧ください。
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/index.html
「ちょっと待って! 日本のインドネシア・バタン石炭発電建設」開催報告 [2014年03月28日(Fri)]

ボランティアの千葉慎也です。

3月18日、東京青山の環境パートナーシッププラザ(GEOC)で、FoE Japan主催の現地報告会「ちょっと待って!日本のインドネシア・バタン石炭発電建設」を開催致しました。
本報告会は、国際協力銀行(JBIC)が融資を検討している石炭発電建設に対して、現地FoEスタッフでもあるアリー・ロンパスさんもお招きし、現地住民の反対の声を届けていただきました。

最初に、事業概要およびこれまでの経緯、また現地の生の声を写真や映像を踏まえて、FoE JAPANの波多江 秀枝から報告しました。
現地住民の反対運動は地元での反対運動だけでなく、首都ジャカルタに出て日本大使館でも抗議活動を計22回も行っています。
これは農地や漁業がなくなれば生計が立てられないことや、次世代への健康影響および環境破壊、さらに建設後の失われた生活を改善される保証が十分でないことなど、地元の声を報告しました。

続いて、FoEインドネシアのアリー・ロンパス氏より、石炭火力発電所の原料を供給しているカリマンタン島、および環境破壊のお話しを中心に講演いただきました。
インドネシア石炭産出量の半数近くはカリマンタンで産出していますが、島の人々は享受されることなく、全て輸出されています。また、アブラヤシのプランテーション、鉱山開発により、森林減少が進んでいることも合わせて報告していただきました。
その他、石炭開発により災害(洪水)や汚染などについても、起こり得る環境への影響も懸念されていました。

最後に「環境・持続社会」研究センター(JACSES)の田邊氏より、JBICの石炭火力発電融資の実態について説明いただきました。これまでJBICが融資した案件は、他の主要開発機関と比べて、1994年から2015年に掛けて一位であり、今後の石炭火力開発の方針を考え直すべきと見解していただきました。

image[10].jpeg

これらの講演後、会場との質疑・意見交換が行われました。
今回の報告会では、現地で起こっている問題が明確にわかりました。
私個人の意見とはなりますが、これは許しがたい事実であると感じる反面、インドネシアに電気が必要であり、必要としている人もいるのではないか、また、仮にJBICの融資/日本企業の参入をストップできても、他国の援助によって建設されては意味がないと思います。さらに、日本でも27%は石炭火力により賄っていることもあるので、まず我々からクリーンエネルギーの転換になるモデルを構築あるいは構想を立てて、この報告会をキッカケに「ストップ!」と発することを第一歩とし、クリーンエネルギーを提案できるよう自身でも勉強が必要だと思いました。

▼セミナーの告知はこちら
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/140318.html
【団体賛同・募集中】インドネシア・石炭火力発電所に関する国際協力銀行への要請書 [2014年01月08日(Wed)]

開発金融と環境チームの波多江です。

現在、国際協力銀行(JBIC)は、インドネシア中部ジャワ州で計画されているアジア最大級のバタン石炭火力発電事業(2,000メガワット)に対する融資を検討中です。総額約4,000億円にのぼる同事業は、J-POWERと伊藤忠が参画を決定していますが、昨年12月に東京で開催された日・インドネシア首脳会談のなかでも、安倍首相が「高効率石炭火力発電事業につき引き続き協力していく」旨を確認するなど、日本が官民を挙げて推進しようとしています。

しかし、地元住民からは、健康への影響、また、肥沃な農地や沿岸の漁場など、生計手段への影響を懸念する声があげられてきました。地元だけでなく、首都ジャカルタにある日本大使館前でも抗議活動が行なわれてきましたが、そうした抗議の声を抑えようとする軍・警察の治安部隊により、負傷者が出る事態にもなっています(2013年7月30日)。
  *** 地元農民や漁民の声をこちらでお聞きください!
    http://youtu.be/WyEkfzBjEi4 (グリーンピース・インドネシア提供:英語字幕)

本要請書では、同バタン石炭火力発電事業に対する融資を行わないよう、JBICに求めています。また現在、世界銀行、欧州投資銀行(EIB)、米政府、北欧5カ国などが気候変動対策として石炭火力発電事業支援の廃止・規制強化策を次々と打ち出している中、世界でも最大の公的融資を石炭火力発電事業に投じ続けているJBICに対し、国際的な動きに沿った対応(海外向け石炭火力発電事業への融資ストップ)を求めています。

ご賛同下さる団体の方は、1月30日(木)までに
    ●賛同団体名および代表者の方のお名前(英語にて) を
    ●FoE Japan波多江(hatae@foejapan.org)
までお知らせください。要請書は2月3日(月)に提出予定です。

要請書への賛同は海外の団体にも呼びかけていますが、日本の皆様からも多くのご賛同がいただけますようお願い申し上げます。

「環境・持続社会」研究センター (JACSES)
気候ネットワーク
国際環境NGO FoE Japan

(以下、要請書本文)
-----------------------------------------------------------------
(注:本要請書の原文は英語。)
2014年2月3日

国際協力銀行
 総裁 渡辺 博史 様

私たち Y ヶ国の X 市民団体は、国際協力銀行(JBIC)の石炭関連事業への融資に関わる問題について、貴行の注意を喚起し、インドネシア中部ジャワのバタン石炭火力発電所の建設計画に対して検討中の融資を行なわないよう貴行に求めます。同バタン石炭火力発電所の計画はすでに遅延、論争、そして、地元の反対の声に悩まされてきました。私たちは、バタン石炭火力発電所への融資計画を貴行が取り止め、また、海外向け石炭関連事業への融資終息に向けて広がりつつある国際的なコンセンサスへの仲間入りを果たすよう、貴行に強く要請します。

1. インドネシア国内法への違反
バタン石炭火力発電事業は、すでに幾つかの点で、インドネシアの国内法に違反しています。官民連携(PPP)事業である同事業は、電力事業の融資調達を1年以内に終えることを要件とした大統領令第67号(2005年)(大統領令第13号(2010年)、同第56号(2011年)により改正)に従わなくてはなりません。同事業の保証契約は2011年10月6日に署名され、2012年10月6日が融資調達の期限日とされました。しかし、同事業は地元の反対により遅れ、融資調達期限は2年連続で延長され、2014年までとされました。 *1

さらに、同発電所計画は、政令第26号(2008年)の下で、地方の海洋観光目的で海洋保護区に指定されているウジュンネゴロ−ロバン沿岸域を侵害します。同発電事業の計画では、一部、海上でも建設作業を行ない、保護区を侵害するため、空間計画に関する中部ジャワ州規則第6号(2010年)にまさに違反します。したがって、同事業は、「プロジェクトは、プロジェクトの実施地における政府(国政府及び地方政府を含む)が定めている環境社会配慮に関する法令、基準を遵守しなければならない。」を要件とする環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン(以下、JBICガイドライン)に違反しています。

2. 地域コミュニティーによる反対
7,000人以上の村人が、同発電所の建設計画に関する懸念を表明してきました。地元の50人の土地所有者は、発電所の計画に必要な226ヘクタールのうち55ヘクタールの土地を売却することを拒んでいます。地域コミュニティーは、ジャカルタや地元で22回にわたる抗議活動を行なってきました。2013年7月22日には、バタンの地元住民約180人がジャカルタの日本大使館前で抗議活動をしました。その翌週7月30日、地元当局と軍は抗議活動の参加者に対し、暴力的な行為に訴え、地元の報道によれば、17人が負傷する結果になったということです。こうしたことから、JBICガイドラインで要件とされている「社会的合意」を同事業が得ているとは言い難い状況です。

また、地元住民は、発電所が彼らの生計手段や健康に及ぼす影響を懸念しています。同発電所の建設が進めば、肥沃な農地が破壊されます。発電所からの排出物によって、10,000人以上の漁民が生計を立てている地方の沿岸域が汚染されます。同発電所からは、年間約226キログラムの水銀が排出されると推定されます。たった0.907グラムの水銀でも、0.1平方キロメートルの面積の池で魚が食用に適さなくなる可能性があります。 *2

3. 石炭関連事業への公的融資ストップの流れ
2013年、広がりつつある国際的なコンセンサスのなかで、幾つかの金融機関と政府は、海外向け石炭関連事業への融資カットの意思を表明しました。米政府、北欧5ヶ国、世界銀行、欧州投資銀行はすべて、石炭関連事業への融資について、より厳しい水準の設定措置を講じました。JBICはそうした例に倣い、海外向け石炭関連事業への融資停止を実施すべきです。

4. インドネシアの温室効果ガス排出削減目標
気候変動対策について、インドネシア政府は主要なイニシアチブをとってきました。2009年、同政府は、2020年までに温室効果ガス排出量を26%削減することを公表しました。しかしながら、バタン石炭火力発電所一つで年間1,080万トンの二酸化炭素を排出することになるでしょう。もし、石炭火力発電所が建設され続ければ、インドネシアの電力セクターによる排出量は2020年までに倍になる可能性があります。*3 もし、私たちが破壊的な気候変動を回避する可能性がある
とすれば、科学者によれば、私たちは産業革命以前の水準から世界の気温上昇を2℃未満に抑えなくてはなりません。私たちは世界の二酸化炭素排出量の40%以上の原因となっている石炭(の利用)を段階的に削減しなくてはなりません。同石炭火力発電所に必要とされている40億ドルは、コスト競争力を増してきており、かつ、コミュニティーや健康、環境への負の影響を回避する再生可能エネルギーの促進に振り向けられるべきです。

最後に、私たちはJBICに対し、以下のことを要請します。
(i) 事業実施主体やインドネシア政府にのみ(情報を)依存するのではなく、現地調査を実施し、地元住民やNGOと直接対話することで、上述の懸念についての確認を行なうこと。
(ii) 環境影響評価や移転行動計画を含む、同事業の環境社会関連文書をインドネシア語と英語の両言語で公開すること。
(iii) インドネシア・バタン石炭火力発電事業への融資を拒否すること。
(iv) 石炭関連事業への融資を止め、日本の革新的技術を活用したよりクリーン、かつ、より持続的な再生可能エネルギー事業への支援を公約に掲げる政策ステートメントを公式に発表すること。

貴行にご考慮いただき、ご回答いただけますようお願い申し上げます。

脚注:
*1 http://www.bloomberg.com/news/2013-10-04/j-power-partners-delay-4-billion-indonesia-coal-power-plant.html
*2 http://www.greenpeace.org/seasia/id/press/releases/Batang-Coal-fired-Power-Plant-Will-destroy-health-and-livelihoods/
*3 同上

Cc: 内閣総理大臣 安倍 晋三 様
財務大臣 麻生 太郎 様
伊藤忠商事株式会社 代表取締役社長 岡藤 正広 様
電源開発株式会社(J-POWER) 取締役会長 前田 泰生 様
電源開発株式会社(J-POWER) 取締役社長 北村 雅良 様
株式会社三井住友銀行 頭取兼最高執行役員 國部 毅 様
株式会社みずほ銀行 取締役頭取 佐藤 康博 様
株式会社三菱東京UFJ銀行 頭取 平野 信行 様

本要請書は以下の団体から賛同を得ています。
(賛同団体)

(以上)
セミナー「フィリピンの日系バイオ燃料事業― つづく地元住民の苦悩」の報告 [2013年11月25日(Mon)]

インターンの大木です。
先週、東京の地球環境パートナーシッププラザで開催された「フィリピン・イサベラ州バイオエタノール製造・発電供給事業」セミナーに出席しました。

講師はFoE Japan委託研究員の波多江秀枝さん。普段はフィリピンに駐在して東南アジアにおける開発事業に関する諸問題について調査・研究・政策提言をなさっていますが、今回は一時帰国して、フィリピンにおける開発の現状を説明してくださいました。

セミナー写真.jpg

今回取り上げたテーマは、日本企業も出資しているフィリピン・イサベラ州バイオエタノール製造・発電供給事業です。事業地となったフィリピン・イサベラ州は、ルソン島の北東部にある先住民も暮らしている州で、主に米・トウモロコシ・バナナなどの食料を生産し、生計を立てていました。本事業は、同州に大規模なサトウキビ栽培地を作り、同州サン・マリアノ町に建設されたプラントで、「環境にやさしい」と言われているバイオエタノールを生産するプロジェクトです。

比バイオエタノール工場.JPG

しかし、波多江さんは同事業は様々な問題を引き起こしていると指摘します。一見すると、同事業はフィリピンに再生可能エネルギーを導入し、持続可能な経済発展を可能にするように思えます。バイオエタノールは「環境にやさしい」クリーンなエネルギーで、未来に明るい光をもたらす画期的な発明だと認識している人も多いと思います。ところが、ミクロな視点でバイオエタノールを見ると、考え方が少し変わってきます。波多江さんは、実際にバイオエタノールが生産されている現場に赴き、長期に亘ってバイオエタノール事業を調査してきました。波多江さんが実際に見たものは、サトウキビ栽培地確保に伴う農地収奪や公害、労働者の酷使といった現実でした。

比農業労働者(素手での肥料撒き).JPG

波多江さんの説明だけでも問題の深刻さが理解できましたが、セミナーでは同事業の問題について触れたドキュメンタリー映像作品「空に溶ける大地」(中井信介監督)を上映しました。実際に現地住民へインタビューを実施して、同事業に関わる問題を明らかにしています。

上映後は、セミナー出席者同士で感想を共有していただき、質疑応答に移りました。会場からは下記の質問や感想(抜粋)がありました。
・今回取り上げた諸問題は、他国のバイオエタノール事業でも起こっているのか。
・環境影響評価が杜撰だったのではないか。
・間接的に日本企業が土地収奪や公害に関わっているという現状を知った。
・善意で取り組んでいる日本企業に本当に責任はあるのか。
・この問題に対する解決方法を示してほしい。

日本にいると、なかなか遠くの国まで意識を向けるのは難しいですが、このようなセミナーをきっかけに国際開発の現状を少しでも知るというのは大事だと感じました。

事業の概要については、FoE Japanのウェブサイトをご覧ください。
http://www.foejapan.org/aid/land/isabela/index.html

FoE Japanでは、「フィリピン中部地震・台風被災地への寄付」を募っております。寄付してくださったお金は、フィリピン中部被災地を支援するNGO・農民団体に届けられます。皆様のご協力をお願い申し上げます。
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/bohol/press/20131115.html

(大木)
アポ・ホセの7周忌――フィリピン・サンロケダムと闘ったリーダーへの報告 [2013年05月20日(Mon)]

委託研究員の波多江です。フィリピンからの報告です。

「アポ、今年も帰ってきたよ。」――その時々の状況によって、行く調査場所が目まぐるしく変わる私の日常のなかで、この日だけは毎年「ここ」と決まって戻る場所がある。5月16日、サン・ニコラス町にあるアポの家だ。

2006年のこの日の朝、アポは町庁舎からの帰途、オートバイに乗った見知らぬ二人組の男に頭部を撃ち抜かれた。その頃、フィリピンでは「政治的殺害」が多発していたが、国家事業であるサンロケダム本体事業やその灌漑ダム事業への反対運動を引っ張ってきたアポも標的にされたのだ。ナナイ.JPG

アポが射殺され、未亡人となってしまったナナイ・ワネットと一緒に今年も墓参りに出かけた。ローソク2本を灯し、ナナイはアポに近況を話し聞かせている(=写真)。私も近況、といっても、ほとんどサンロケダムのことだったが、あれこれと報告をした。

――アポ、アポが生きているときから私たちがずっと指摘してきた問題が、いろいろと実際に起きてしまっています。例えば、昨年は(サンロケダム)上流にあるパドカル鉱山のテーリングダムが決壊しました。鉱山によるダム湖の水質汚染の問題とか、もう何年も前から指摘してきたよね。水路と収用された水田.JPG

――(サンロケ)灌漑事業は本当に農民のためか?って思ってしまいます。中国企業が灌漑用ダムを建設して、ほぼ完成。サン・ニコラス町側でも新しい水路の建設が進んでいるけど、水路のために水田がダメになっているところも、やっぱりあります。(写真=水路の建設で、水田(写真奥側)が収用されてしまった)

――つい最近になって、(隣の)サン・マニュエル町では急に灌漑用水の供給が止められました。灌漑事業の準備工事のため、向こう1年、灌漑用水の供給をしない方針だそうです。じゃぁ、この1年、農民は一体どうやって生活していけばいいって言うんでしょう。空になった水路.JPG
農民自身が『水』をコントロールできない灌漑事業なんて、農民のためって言えるんでしょうか。こんな大型事業でなくても、水田の灌漑状況を改善できる方法は他にあるはずなのにね。(写真=急に灌漑用水の供給がストップされ、空になった水路(写真手前側)。田植えをして間もない水田では、収穫までに稲が枯れてしまうことが懸念される。)

報告の後は、私がいつも心のなかで、おまじないのように繰り返しているアポへのお願いを唱えた。
「Agyaman kami ta tuloy-toloy kami pay ti aktividad nga nagrugi ka, apo. Paki tumulong pay kada kami tapno pumigpigsa kami pay ken makaaramid ti amin nga pamuspusan. (アポ、ありがとう。アポが始めた活動を私たちは続けることができています。私たちがもっともっと強くなって、あらゆる改善策をとっていけるよう、これからも私たちを助けてください。)」

お墓を後にする私たちに、アポはきっと「Ingat kayo(気をつけて)」と言ってくれたに違いない。アポが殺された日の朝にも、調査に出かける私たちに優しく声をかけてくれたように。

(開発金融と環境プログラム 波多江)
フィリピン・ニッケル開発と水質汚染ー現地レポート [2013年02月28日(Thu)]

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FoE Japanでは、日本の鉱山開発で汚れてしまったフィリピン河川の水質改善に向けた活動を続けています。みなさまからの暖かいご支援をお待ちしております!
http://www.ngo-arena.org/members/foe/foe.html#foe2
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この2月、フィリピン・ミンダナオ島の北スリガオ州に現地調査に行ってきました。このタガニート・ニッケル鉱山では、日系企業がニッケル鉱石を20年以上採掘し、日本に輸出してきました。ニッケルはステンレスや携帯等にも利用される、私たちの生活に欠かせないレア・メタルの一つです。

鉱山サイト風景
鉱山サイト内風景.jpg

現地では、先住民族ママヌワの人びとが狩猟や漁業等をしながら生活してきましたが、この鉱山開発の地域が拡張する度に移転を余儀なくされ、すでに5回以上も居住地を転々としてきたといいます。

現在、企業が用意した先住民族のための移転地では、湧水が引かれ、水汲み場が設けられています。これまでFoE Japanが行なってきた水質調査では、こうした生活用水(洗濯・水浴びなど)から、六価クロム(発がん性・皮膚疾患等の恐れがある重金属)が検出されており、FoE Japanは、日系企業に安全な水の確保を求めてきました。
(これまでの経緯:http://www.foejapan.org/aid/jbic02/rt/press/2012Sep.html

先住民族の移転地の水汲み場
先住民族の移転地の水汲み場.jpg

しかし、今回の現地調査でも、同水から六価クロムの検出が確認されました。また、写真のとおり、同水を生活用水だけでなく、飲料水として利用している住民もいることが見受けられ、引き続き、企業の対策を求めていく必要があります。

今回の調査中、移転地で持続的な生活の糧を見つけられない先住民族の人びとが、農業を試みている場所があるというので、行ってみました。鉱山サイト内をトラックで30分、そして、さらに徒歩で30分強登りつめた鉱山サイトよりも高いところに位置するその山の頂上には、まだ緑の剥ぎ取られていない先住民族の聖域の一角が残っていました。

鉱山サイト内を登ってきた先住民族
鉱山サイト内を登ってきた先住民族.jpg

鉱山サイト内上側に残された聖域
鉱山サイト内上側の残された場所.jpg

そこで先住民族が利用している湧水からは、六価クロムは検出されませんでした。鉱山開発によって緑が剥ぎ取られ、河川に土壌が流れ出すことで、地元の水環境が汚染され、「安全な水」の確保が難しくなっている――こうした実態を、日本でもより広く伝え、地元の人びとの生活の改善につなげていければと思います。

【ご支援のお願い】
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 http://www.ngo-arena.org/members/foe/foe.html#foe2

(開発金融と環境プログラム 波多江 秀枝)
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