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FoEインターン・ボランティアの日常(4) [2012年05月15日(Tue)]

こんにちは、ボランティアの斉藤です。

さて、今回は「政府交渉」の様子を紹介したいと思います。

「政府交渉」は、国会議員に直接働きかける「ロビー活動」とは違います。政府交渉の相手は、官僚の人たちです。建前は「政治主導」になっても、官僚の力がまだまだ強いのが実情なので、官僚に直接働きかけるための場が必要になるのです。

院内集会と同じように、政府交渉も議員会館の中で行われます。文部科学省や保安院などの関係省庁の代表者が、市民からの質問や要望に答えていきます。福島原発事故以降、FoEや他の市民団体は、「子ども20ミリシーベルト問題」、「原発事故原因」など、様々なトピックに関して政府交渉を行ってきました。

スタッフの満田さんは、市民の代表として交渉を進めることが多いです。準備された資料をもとに、満田さんや他の市民代表が鋭い質問をしていきます。「子どもに年間20ミリシーベルトの被ばくを強いるのは、国際的な基準や日本の法律に照らしてもおかしいのではないか」、「どうして、異なる地域で避難基準が違うのか」、「データをもとにすると、地震で放射能漏れが始まった可能性を否定することはできないのではないか」、などなど。

それに対して官僚の人たちは、現行の政策や方針を維持することに全力を注ぎます。2時間近く交渉しても、官僚の人たちから引き出せる言質は、「次の交渉までに、現在の見解・政策を再検討してきます」というような微々たるものであることが多いです。このような交渉を積み重ねて、政策や方針がやっと少しずつ変わっていくのです。

僕が社会学者として冷静に見ていても、政府交渉で発言に説得力があるのは、官僚よりもNGOと市民の人たちの方です。それでも官僚の人たちはなかなか現行の政策や方針を変えようとしません。発言をする際に、怒りで声が震えてしまう市民の人たちがいるのも理解できます。

このように鬼気迫る政府とのやり取りと表裏一体となっているのが、もっと楽しい雰囲気で行われる市民の人たちとの対話です。政府を動かすための政策提言をするためには、政策提言の内容に対する市民からの支持が欠かせません。次回は、FoEが行っている市民向けセミナーやイベントの様子を紹介します。
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