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インドネシア・バタン石炭火力 地元でつづく深刻な人権侵害―治安部隊との衝突で住民がまた負傷 [2014年05月10日(Sat)]

開発金融と環境チーム 委託研究員の波多江です。
以下、インドネシア現地から入った報告をまとめました。

2013年5月10日

 現在、国際協力銀行(JBIC)が融資を検討しているインドネシア・中部ジャワ州バタン石炭火力発電事業を巡り、5月6日、現地で抗議活動を行なった住民らが再び、治安部隊と衝突し、暴行を受けるという事態が起こりました。現地NGOによれば、警察が住民を挑発したため、衝突が起こったとのことで、少なくとも3名の住民が負傷したとのことです。負傷した住民2.jpg
負傷した住民(2014年5月6日 地元住民撮影)

 今回、住民が抗議活動を行なったのは、地元バタン県にある検察庁の前です。身に覚えのない罪状で有罪判決を受け、7ヶ月の禁固刑を言い渡された反対派のリーダー2名に対する団結の意を示すことが一つの目的でした。現在、この2名のリーダーは投獄されていますが、1名は土地売却を拒んでいる農民、もう1名は小作農民です。

検察庁前での抗議行動.jpg
検察庁前での抗議行動(2014年5月6日 地元住民撮影)
検察庁前での抗議行動2.jpg
検察庁前での抗議行動(2014年5月6日 地元住民撮影)

 この東南アジア最大級の石炭火力発電所(2,000メガワット)の建設には、J-POWERと伊藤忠が参画を決定。また、総額約4,000億円以上がかかると見込まれている資金の約6割をJBICが融資しようと検討中です。

 しかし、肥沃な農地や沿岸の漁場など生計手段、また、健康への影響を懸念する地元住民が同事業に対する強い反対の声をあげ、地元や首都ジャカルタで何度も抗議活動を繰り返しています。これまでにも、そうした抗議の声を抑えようとする軍・警察の治安部隊により、負傷者が出る事態が起きていました。また、地元政府当局が反対派への見せしめのため、住民リーダーを犯罪者に仕立て上げるといった類の人権侵害も以前から見られました。

Tolak PLTU Batang「バタン石炭火力発電所を拒否する」.jpg
Tolak PLTU Batang「バタン石炭火力発電所を拒否する」(2014年5月6日 地元住民撮影)

 同事業は、日本とインドネシアの旗艦事業として進められていますが、日本政府・JBICは、度重なる地元での深刻な人権侵害を重く受け止め、インドネシア政府に対し、こうした人権侵害を早急に止めるよう、強く申し入れるべきです。また、地元での強い反対の声を真摯に受け止め、同事業への融資を拒否すべきです。

 以下、現地の住民組織とNGOによるプレスリリースを日本語訳でご紹介します。

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「環境保護を主張する住民は犯罪者ではない」
――バタン石炭火力発電所を拒否する!

プレス・リリース
2014年5月6日

 中部ジャワ州バタン県発− Paguyuban UKPWR(Ujungnegoro、Karanggeneng、Ponowareng、Wonokerso、Robanの5つの村の住民組織)の数百名にものぼるバタン県住民は、自分たちの村に石炭火力発電所を建設する巨大な事業計画に対し、再び拒否の声を上げています。Paguyuban UKPWRの代表らは、バタン県国家検察庁の前で抗議デモを行ないました。このデモは、同石炭火力発電所の建設計画への反対を理由に犯罪者扱いされている2人の市民に対する団結の意を形に表したものです。

 有罪とされたUKPWRの地域住民2人は、Cayadi bin RabuとCarman bin Tuyahです。CayadiとCarmanに対する告訴は、2012年4月4日に起こったことに対するものです。彼らは、バタン石炭火力発電所の建設に賛成する住民に暴行を加えたとして告訴されましたが、それは、彼らにとって全く身に覚えのない虚偽の告発です。同訴訟に関する地方裁と高裁における公判では、裁判官はCayadiとCarmanに対し、無罪の判決を下しました。しかし後日、最高裁は、彼らが有罪であるとし、7ヶ月の禁固刑という判決を下しました。

 バタン石炭火力発電所を建設する巨大事業は、地域住民が、同事業を落札した合弁企業ビマセナ・パワー・インドネシア社(BPI)への土地売却を拒否することで、同事業を拒絶してきたため、2年間、延期されてきました。同合弁企業は、Jパワー、伊藤忠、アダロ・パワー社の3社が設立したものです。

 「私たちは、この村でバタン石炭火力発電所を建設することを永遠に拒否し続けます。私たちは、チルボン、チラチャプ、ジェパラといった他の石炭火力発電所の周囲で暮らすコミュニティーと同様の不誠実を望みません。」と、Paguyuban UKPWRのリーダーRoidiは述べました。「政府は、UKPWRの地域住民を犯罪者扱いすることで、私たちの闘争を黙らせようとするのではなく、私たちの声を聞くべきです。」と彼は加えて述べました。

 バタン石炭火力発電所は建設されれば、2,000メガワットの容量を持つ東南アジアで最大の石炭火力発電所になると言われています。同石炭火力発電所は、官民の連携事業で、国際協力銀行(JBIC)や三井住友銀行など、日本の融資を受けることになっています。

 「インドネシア政府は、バタン石炭火力発電所の建設計画を中止すべきです。もし彼らが同事業を強行すれば、周辺地域に暮らす何千もの農民や漁民の生計手段を奪うばかりか、環境に悪影響を及ぼすことにもなります。また、インドネシアの温室効果ガス排出量の削減に関するインドネシア政府のコミットメントも脅かすことになります。」と、グリーンピース・インドネシアの活動家Arif Fiyantoは述べました。「石炭という環境汚染エネルギーに依存し続けるのではなく、政府はクリーンで環境に優しいエネルギーの開発に最大限の努力を注ぐべきです。」とArif Fiyantoはさらに主張しました。

連絡先:
Roidi, Paguyuban UKPWR, 081228046640
Arif Fiyanto, Greenpeace Indonesia, 0811-180-5373

(以上、プレスリリース翻訳)

>同事業の詳細については、こちらをご覧ください。
http://www.foejapan.org/aid/jbic02/batang/index.html
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