チェルノブイリから28年〜日独ベラルーシ経験共有(3) [2014年05月01日(Thu)]
スタッフの吉田です。
16-17日は福島へ。 ●除染?帰還?田村市・都路地区 4月16日には、福島第一から20キロ圏ではじめて緊急時避難準備区域が解除された田村市都路地区を、武藤類子さんはじめ「原発いらない福島の女たち」の案内で視察しました。通ったところの線量は0.2〜0.5μSvくらい。除染土の詰められた黒いフレコンバック(耐用3年・・!)が道路わき各所に積まれています。一方でこの4月から再開した小学校もあるとのこと・・。 ●大熊町の帰宅困難区域ゲート 原発から12-13キロの。線量は毎時1.0μSv前後でした。 途中、富岡町から水戸に避難している木田節子さんにお話を聞きます。もう二度と住めなくなった家のローンを、いまだに払い続けなければならないとのこと・・。 ●郡山市で講演会 同行取材してくれたIWJさんによる動画はこちら http://www.ustream.tv/recorded/46216583 武藤類子さんにお土産を渡す。ベラルーシの伝統の藁の鶴も! 「原発いらない福島の女たち」のみなさんには本当にお世話になりました。 17日には、福島市へ。 ●CRMS福島(市民放射能測定所) 佐原真紀さんにお話いただきます。ホールボディ・カウンターはベラルーシ製です。しかし、ベラルーシでは、市民がだれでも利用できる環境はありません。 食品検査は、最近は持ち込まれる数が減っています。 ●ホットスポットの残る渡利地区 Save Watari Kidsの菅野吉広さんの案内で渡利地区へ。以前からお世話になっている裏澤利夫さんのお宅付近の側溝には10μSv以上の場所も。雨によって山から流れてくるためです。除染をして表土を埋めた玄関前の線量は0.2μSv程度、今は普通の生活をしているのだそうです。 除染土は土に埋められるか、このように積み上げられます。 ●美しい花見山 その後、地元のみなさんのすすめで花見山へ。桜も、菜の花も驚くほど見事でした。一方で線量は毎時0.3〜0.4μSvと高い。美しさと現実とのギャップにみな言葉を失いました。 佐原さんの娘さんは、震災後外では一切遊ばず、運動は室内と保養の機会にしています。車での送り迎えも必要です。 菅野さんは、「福島ぽかぽかプロジェクト」を立ち上げた思いを語ります。現在は、子どもたち自身様々な体験をして成長できるような保養にしていきたいと願っています。 ●午後は、福島県庁へ。 午後は、佐々木慶子さんなどが原発問題をテーマに2010年から続けている県庁交渉に参加。ドイツの若者が中心となって集めた「福島への折鶴」を手渡しました。 非常に中身の濃い福島での2日間。いつもお世話になっているみなさんに、さらに色々お気遣いいただき、感謝です。メンバーからも、非常に印象深く忘れられない視察だったとのこと。 特に、美しい花見山の風景と心地よい春の陽気と、目に見えない厳しい現実との対比が問題の複雑さを象徴しているように思えました。 (吉田 明子) チェルノブイリから28年〜日独ベラルーシ経験共有(1)ベラルーシの経験 https://blog.canpan.info/foejapan/archive/182 チェルノブイリから28年〜日独ベラルーシ経験共有(2)広島 https://blog.canpan.info/foejapan/archive/183 ●参加者のプロフィール、発表資料、映像はこちら http://www.foejapan.org/energy/evt/140419.html |