センター長の荻野です。
NPO活動センターには、様々な相談が寄せられます。
そのほとんどは、これから団体を立ち上げたり、活動を拡大していくための、前向きな話なのですが、中にはその逆のご相談もあります。
今回は、そうした「後ろ向きな相談事例」をご紹介したいと思いますが、つい暗い気分になって、NPO活動に失望することのないようにご注意くださいませ。
相談事例
7年くらい前に、知人から頼まれてNPO法人の理事になりました。
その後、しばらくは活動報告などが定期的に送られてきたのですが、ここ数年間は理事会も総会も開かれていません。
心配になり、代表の人に電話をしましたが、「忙しいので、ちょっと待ってほしい」と繰り返すばかりで、最近では連絡も取れなくなってしまいました。
自分としては、もうこんな団体の理事は辞めてしまいたいのですが、どうしたらいいでしょうか?
対応と解説
残念なことに、数あるNPO法人の中に、このような団体が存在することは事実です。
NPO法人の役員には、法令と定款に基づいて適切に法人を運営する私法上・公法上の義務がありますが、この団体の場合、役員さんたちはその義務を果たしているとはいえないようです。
厳しい言い方ですが、辞任をしたがっているこの理事さんだって、理事を引き受けた以上、こんな状況に陥らないようにすべき法的義務があったといえます。
しかし既に起きてしまった問題に対し、この理事さんにできることは何でしょう?
まず、できることは、自分の法人の現状を確認することです。
1.定款を確認しましょう
定款には、法人の運営上のルールが記されています。
理事を決める方法や、その任期、辞任や解任に関するルールも定められているはずです。
定款が手元にない場合でも、所轄庁で閲覧することができます。
定款の定めによっては、後任の役員が見つかるまで、その責任から解放されない場合もあります。辞任をするのであれば、まずは自分の団体の定款を確認するのが良いでしょう。
2.事業報告書等を確認しましょう
NPO法人には、毎年、事業報告書等を提出する義務があります。提出された報告書は所轄庁で一定期間保管されているので、閲覧をすることができます。
理事会も総会も開かれていないとなると、事業報告書等も提出されていない可能性が高いです。逆に、適切な手続きを経ないで作成した事業報告書等を、誰かが勝手に提出している可能性もあります。自分の法人がどんな状況になっているか、まずは確認をしてください。
3.登記事項証明書を確認しましょう
登記事項証明書は、法務局で発行してもらうことができます。
登記事項証明書には、法人の理事について、いつ就任して、任期がいつまでかが、記されています。
数年間にわたって総会も理事会も開かれていないとなると、登記事項証明書の理事の欄には、任期が過ぎた人たちがズラっと並んでいる可能性が高いです。その場合は、次の人が決まらないまま、役員の任期が満了した場合の扱いについて、定款で確認をしてください。
その他、悪質なケースでは、本人に断りもなく勝手に理事として再任されていることがありますので、登記上の理事が誰になっているか、登記事項証明書でしっかりと確認をすることが重要です。
最後になりますが、理事さんというのは、一般の会員さんたちに代わって、団体の運営を監督する重大な責任があります。
会費を納めたり、寄付をしてくれた人や、ボランティアとして働いてくれた人たちを裏切ることのないよう、気持ちを引き締めて職務にあたりたいものです。
Posted by FNC staff
at 06:51
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