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フィナンシャル・インクルージョン研究会公式サイト

世界のすべてのひとびとに、必要な金融サービスを届けるための総合的な取り組みであるファイナンシャル・インクルージョン(financial inclusion:金融包摂)について、研究成果を紹介し、ともに考えていくサイトです。


社会デザイン学会ファイナンシャル・インクルージョン研究会勉強会のご案内 [2017年02月15日(Wed)]
 当研究会では、来る3月4日(土)、「金融包摂を妨げるde-risking-厳格なAML/CFT規制の意図せざる帰結-」とのテーマで以下のとおり公開勉強会を開催します。
今回は、当研究会会員であり、日本におけるAML/CFT(マネー・ローンダリング防止とテロ資金供与対策)の規制対応実務家で発展途上国の金融にも造詣の深い宮本氏に講師を依頼し、出席者と同分野の問題意識を共有し、率直な意見交換をすることは極めて意義深いと思います。
掲題のプレゼンテーションを踏まえて、当研究会顧問辻教授より当該テーマの現在の位置付けと今後の方向性について解説し、その後、講演者・コメンテーターと出席者との間で率直な質疑を行います。
マイクロファイナンスや金融包摂、貧困削減に関心のある方、金融機関の方の出席大歓迎です。
研究会代表 田中和夫                              
発表要旨:
 本発表では、社会デザイン学会の学会誌”Social Design Review” Vol.8に掲載される寄稿「金融包摂を妨げるde-risking―厳格なAML/CFT規制の意図せざる帰結―」にもとづき、de-riskingと呼ばれる現象を解説します。
 de-riskingは、銀行によるリスク回避を意味します。現在、AML/CFT上のリスクが高すぎる一方で十分な収益性を望めないという理由で、多くの欧米の大手銀行が、開発途上国の銀行に対するコルレスバンキング(correspondent banking)から撤退しています。コルレスバンキングの打ち切りにより、銀行が顧客に外国為替取引を提供できなくなることで、特にアフリカやラテンアメリカにおいて、クロスボーダーの送金や貿易が停滞の兆しをみせています。個々の銀行の合理的な判断にもとづくde-riskingにより、世界的な金融包摂の潮流に逆行する金融機能の低下が広範に引き起こされかねないと危惧されています。
 発表者は、銀行在籍時に、営業店での預金・融資業務に加え、リスク管理業務やコルレス銀行管理を含む外国為替業務に従事した経験を持つ。これらの業務経験を踏まえ、実務家としての観点からde-riskingを平易に解説します。

要領
日時:2017年3月4日(土) 13:30〜15:30 (受付13:15開始)
場所:アジア文化会館 会議室
http://www.abk.or.jp/access/index.html
会費:無料
申込み:fincl2015@hotmail.comに氏名、所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して、ご連絡ください。担当者より折り返しご連絡いたします。会場の都合にあわせて研究会関係者を除き、先着順で受け付けますのでお早目の応募をお願いします(締め切りの際は、canpan団体ブログ上で終了を明示するとともに、メールでその旨返信いたします)。

進行:
1)13:30-13:35 講師紹介
2)13:35-14:30 基調講演 宮本 瑛氏 (略歴等以下に記載)
3)14:30-14:45 コメント 辻一人埼玉大学教授/CGAP経営委員会議長/JICA国際協力専門員)
4)14:45-15:15 質疑応答
5)15:15-15:25 結び 田中和夫 研究会代表 
終了

講師:宮本 瑛氏
所属:あずさ監査法人(KPMG Japan)金融アドバイザリー部
プロフィール:
 大学院修了後、5年強の銀行勤務を経て、コンサルに転身。現職では、銀行セクターのコンサルタントとして、AML/CFT分野のレギュラトリー・コンプライアンス(規制対応)業務に従事している。公認AMLスペシャリスト、公認不正検査士、DELF B2。
 学生時代より一貫して開発途上国の金融に関心があり、現在も業務の傍ら、フランス語圏を中心に、西アフリカ諸国における金融包摂や金融犯罪対策やAML/CFT規制に対する調査に取り組んでいる。修士論文のテーマはガーナのマイクロファイナンスで、首都アクラや地方都市クマシで6週間のフィールドワークを行った。
 翻訳に、『AML/CFT――金融包摂と金融完全性を強化する』(CGAPウェブサイト掲載)がある。

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