• もっと見る

フィナンシャル・インクルージョン研究会公式サイト

世界のすべてのひとびとに、必要な金融サービスを届けるための総合的な取り組みであるファイナンシャル・インクルージョン(financial inclusion:金融包摂)について、研究成果を紹介し、ともに考えていくサイトです。


2019年度第一回ファイナンシャル・インクルージョン研究会公開勉強会( 7月14日) [2019年07月02日(Tue)]
社会デザイン学会ファイナンシャル・インクルージョン研究会は、2019年度(令和元年)第一回の公開勉強会を7月14日(日)午後、小関隆志明治大学教授を講師にお迎えし、以下の要領で開催します。金融包摂、勤労者の金融ニーズと手段に関心をお持ちの方々の出席を歓迎します。

【タイトル】
勤労者にアフォーダブルな金融サービスを提供する銀行――日本の労働金庫の経験から

【趣旨】
近年、ドミニカ共和国やコスタリカ、ホンジュラスなど多くの国で労働組合が、組合員勤労者に対して金融サービスを提供し始めています。タンザニアの教員組合は近年、労働銀行を設立しました。2013年のILOの調査によれば、労働組合の3分の2は金融サービスの提供を開始、または改善するための支援を要請しています。こうした動きのなかで、労働組合が中心となって独自の金融機関を作り70年以上にわたって存続発展させてきた日本の経験に注目が集まっています。それが労働金庫です。
労働金庫は、勤労者の金融のニーズの充足や生活条件の向上にどう貢献してきたのか、それはなぜ可能だったのか、労働金庫の経験から導き出せる教訓は何かについて、国際労働機関(ILO)からの依頼により、全国労働金庫協会の全面的な協力を得て、共著者の栗本昭先生とともに、このたびワーキングペーパーをまとめました。
今回の勉強会では、このワーキングペーパーの内容を踏まえて、途上国における勤労者のための銀行のあり方について、また、日本の労働金庫の経験を海外(特に途上国)にどう生かせるか、を含めて、参加者の皆様との活発な意見交換ができればと考えております。
なお、ワーキングペーパー(英語版)はILOのサイトからPDF版をダウンロードできます。Akira Kurimoto and Takashi Koseki/ Valerie Breda (ed.) Social Finance Working Paper #76: Rokin Banks - 70 years of efforts to build an inclusive society in Japan through enhancing workers’ access to finance. May 2019
https://www.ilo.org/empent/Publications/WCMS_695734/lang--en/index.htm 
当日は、日英対訳版の冊子(全国労働金庫協会発行;近日中に同協会のサイトにも掲載予定)を配布させていただく予定です。

日時:2019年7月14日(日)13:30〜16:00
場所:JICA地球ひろば セミナールーム600
   〒162-8433 東京都新宿区市谷本村町10-5(JICA市ヶ谷ビル内)
   https://www.jica.go.jp/hiroba/about/map/index.html

進行予定
1)13:30−13:35 講師紹介
2)1時間弱 プレゼンター 小関 隆志氏(略歴等以下に記載)
3)1時間強 質疑応答
4)15:55−16:00 結び 田中 和夫 研究会代表

会費:無料

申し込み:fincl2015@hotmail.comに氏名、所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して連絡ください。担当者より折り返し連絡いたします。会場の都合に合わせて研究会関係者を除き、先着順で付けつけますのでお早目の応募をお願いします(締め切りの際は、canpan団体ブログ上で終了を明示するとともに、メールでその旨返信いたします)。

小関隆志教授明治大学経営学部教授略歴:
1999年一橋大学大学院社会学研究科修了。博士(社会学)。法政大学大原社会問題研究所、建設政策研究所などを経て2001年に明治大学経営学部専任講師。2006年同助教授、2007年同准教授、2019年同教授となり現在に至る。2011〜2013年米ペンシルバニア大学客員研究員。一般社団法人生活サポート基金理事、学校法人お茶の水学園理事。
専門はソーシャル・ファイナンス論で、特に先進国の金融排除・金融包摂に関心を持つ。2016−2018年に日本でファイナンシャル・ダイアリー調査を実施。
2018年度第四回ファイナンシャル・インクルージョン研究会公開勉強会(3月31日) [2019年03月19日(Tue)]
社会デザイン学会ファイナンシャル・インクルージョン研究会は、2018年度最後の公開勉強会を3月31日(日)午後、JICAの大石航平氏を講師にお迎えし、以下の要領で開催します。金融包摂、貧困削減に関心をお持ちの方々の出席を歓迎します。

1.演題:『持続可能な貧困削減モデルを目指す。JICAがホンジュラスで取組む「卒業プログラム」とは?』

2.趣旨:世界では、まだ7.4億人が一日1.9ドル未満の収入で生活する最貧困状態にあり、これらの最貧困層に対し、各国政府による、現金給付、金融アクセス改善、生計技術支援等の様々な支援策が実施されてきました。しかし、近年の研究では、これら個々の施策だけでは、持続的な最貧困状態からの脱出に不十分であり、必要な支援を適切なタイミングで順次提供する複合的なアプローチが必要であることが分かっています。

JICAは、ホンジュラス政府と共に、最貧困層の人々の持続的な生計状態への「卒業」を目指し、中央政府・地方自治体・コミュニティリーダー・民間金融機関等がこれまで個別に行ってきた最貧困層向けのサービスを組み合わせ、@現金給付による社会的保護、A預金・金融アクセス、B生計手段支援、C長期間のコーチングを統合的に最貧困層へ提供する貧困撲滅プログラムを策定しています。

今回は、JICA本部で本プログラムを担当する大石様より、卒業モデルの概要、ホンジュラスで実施中のプロジェクトの概要や成果を発表していただきます。あわせて、辻先生には本プロジェクトの解説とコメントをお願いしています。約1時間の質疑応答、参加者間での意見交換を行う機会も設けます。

3.日時:2019年3月31日(日)午後1時30分〜4時00分
4.場所:アジア文化会館会議室(部屋番号は入り口に表示します)
    東京都文京区本駒込2丁目12番地13号
    http://www.abk.or.jp/access/index.html

5.進行予定:
1) 13:30-13:35  講師紹介
2)13:35-14:25  プレゼンター 大石 航平氏 (略歴等以下に記載)
3) 14:25-14:55 講評コメント 辻 一人氏 埼玉大学教授/JICAシニア・アドバイザー(金融包摂)
4) 14:55-15:55 質疑応答
5)15:55-16:00 結び 田中 和夫 研究会代表

6.会費:無料

7.申込み:fincl2015@hotmail.comに氏名、所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して連絡ください。担当者より折り返し連絡いたします。会場の都合にあわせて研究会関係者を除き、先着順で受け付けますのでお早目の応募をお願いします(締め切りの際は、canpan団体ブログ上で終了を明示するとともに、メールでその旨返信いたします)。

8.講師 大石航平氏略歴
2012年~2016年に日本のベンチャー企業、テラモーターズのフィリピン支社、インド支社にて貧困層向けの電動リキシャビジネスに携わる。貧困層がリキシャを購買するための融資・支払いスキームの確立のため、マイクロファイナンス機関や現地銀行との提携を担当する中で、貧困層のお金のやりくりの重要性を感じ、金融包摂に関心を持つ。
2016年よりJICAジェンダー平等・貧困削減推進室にて金融包摂分野を担当し、ホンジュラス国「金融包摂を通じたCCT受給世帯の生活改善・生計向上プロジェクト」、アルバニア国「小規模農家金融包摂プロジェクト」、バングラデシュ国「金融包摂強化プロジェクト」等を担当している。
小関隆志明治大学助教授によるFI研究会公開勉強会(12月8日)のご案内 [2018年10月14日(Sun)]
社会デザイン学会「ファイナンシャル・インクルージョン」研究会では、来る12月8日(土)下記のとおり、公開勉強会を開催します。金融包摂にご関心のある皆様の参加を歓迎します。

            記

講師:小関隆志 明治大学助教授(略歴等以下に掲載)
演題:日本に金融排除はあるのか?――ファイナンシャル・ダイアリー調査報告
日時:2018年12月8日(土) 午後1時30分〜4時00分
場所:明治大学駿河台キャンパス リバティタワー13階 1135教室
東京都千代田区神田駿河台1−1 
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
趣旨:
これまで当研究会は主に途上国における金融排除・金融包摂に焦点を当ててきましたが、はたして日本には金融排除は存在しているのでしょうか。
当研究会では、これまで2度、S.ラザフォード先生を講師にお招きして、ファイナンシャル・ダイアリー調査に基づく貧困層の生活実態をお話しいただきました。ファイナンシャル・ダイアリー調査の対象は主に途上国ですが、アメリカやイギリスでも展開されており、今回小関氏をはじめとする研究グループが取り組んだ調査は日本国内初の実施例です。
金融システムが高度に発達し、金融サービスが浸透している日本においては、途上国とは状況が異なり、金融排除は必ずしもわかりやすい形で顕在化しているわけではありません。また、社会保障・社会福祉の領域と重複する部分があるため、金融排除の問題として捉えようとする向きが少ないともいえます。
今回は、生活困窮者世帯を対象としたダイアリー調査(2016〜2018年)の結果を整理しながら、日本における金融排除の状況を分析するとともに、ダイアリー調査手法の有効性と方法論、海外のダイアリー調査との比較、日本の金融排除問題・金融包摂策にみられる特徴についても述べたいと思います。
今回のダイアリー調査では、調査対象件数が限られていたこともあり、補足的にインタビュー調査も行いましたので、併せて報告する予定です。

進行予定:
1)13:30−13:35 プレゼンター紹介
2)13:35−14:15 プレゼンター 小関 隆志氏
3)14:15−14:45 講評コメント 辻 一人氏 埼玉大学教授/JICA国際協力専門員
4)14:55−15:55 質疑応答
5)15:55−16:00 結び 田中 和夫氏 研究会代表

会費:無料
申込み:fincl2015@hotmail.comに氏名、所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して、ご連絡ください。担当者より折り返しご連絡いたします。会場の都合にあわせて研究会関係者を除き、先着順で受け付けますのでお早目の応募をお願いします(締め切りの際は、canpan団体ブログ上で終了を明示するとともに、メールでその旨返信いたします)。

小関隆志氏略歴
2001年に明治大学経営学部専任講師。2006年に助教授(2007年准教授)となり現在に至る。2004年頃よりNPO融資等のソーシャルファイナンスに関心を持ち研究を始める。2011〜2013年に米ペンシルバニア大学客員研究員として、英米のマイクロファイナンスやコミュニティ開発金融を研究。現在は日本国内の金融排除・金融包摂を主に調査している。

ファイナンシャル・インクルージョン研究会公開勉強会(6月30日)ご案内 [2018年06月14日(Thu)]
 社会デザイン学会ファイナンシャル・インクルージョン研究会は、来る6月30日(土)午後、JICAの大石航平氏をお招きし、以下のとおり公開研究会を開催します。金融サービス分野には、従来の金融サービス事業者を超えた様々なプレイヤーが参入し、金融包摂に展開に大きなインパクトを与え始めています。時宜を得た注目の講演となりますので、奮ってご参加ください。

1.演題「新たなイノベーターやディスラプターが金融包摂にもたらす影響とは」

2.趣旨:M-KopaやFenix 等のイノベーターが提供するPay as you go型のSolar Home Systemが東アフリカを中心に普及しつつあり、貧困層に対するアセットファイナンスの観点から注目を集めている。FacebookやAlipayはフィリピンやインドで金融サービスの提供を始めており、近い将来、従来の金融インフラを変革し、主要な金融サービス提供主体となりうる。このように、金融包摂の進展には、これまでもモバイルネットワーク企業(MNO)やフィンテック企業等の新たなプレーヤーが大きく寄与してきたが、今後さらに多様かつ大きな影響力を持つプレーヤーが関与する。
 貧困者支援協議クループ(CGAP)は2018年2月16日〜17日「Innovators, Disruptors, and Reformers: Working with the Private Sector to Promote Financial Inclusion」というラーニングイベントを開催し、実際に金融サービスを提供するFenixやFacebookをゲストスピーカーに招き、CGAP関係者と以下の点について議論を行った。
@モバイルマネーやリモートロックアップ技術を活用し、電力や水といったサービスを貧困層へ提供可能にする「デジタルファイナンスプラス」の促進と金融包摂のさらなる進展のため、ドナーや開発機関に求められる役割とは?
A小規模農家への金融包摂を進めるうえでの農業バリューチェーンアクターとの連携手法は?
BFacebookやAlipayのようなSuper-platformが金融包摂にもたらす影響とドナーや開発機関の役割とは?

3.実施要領 
 来る勉強会では、CGAPのイベントに出席し議論に参加された大石様(略歴等以下に記載)に掲題タイトルを踏まえてイベントでの議論の内容をお話しいただきます。
辻一人教授には議論の背景説明と解説をお願いしています。
極めて重要なテーマであり、発表者を含め出席者の意見交換を行う貴重な機会となります。

日時:2018年6月30日(土)午後1時30分〜4時00分
場所:アジア文化会館会議室
    東京都文京区本駒込2丁目12番地13号
http://www.abk.or.jp/access/index.html

進行予定:
1)13:30-13:35  講師紹介
2)13:35-14:15 プレゼンター 大石 航平氏 (略歴等以下に記載)
3)14:15-14:45 講評コメント 辻 一人氏 埼玉大学教授/JICA客員専門員
4)14:55-15:55 質疑応答
5)15:55-16:00 結び 田中 和夫 研究会代表

会費:無料

4.申込み:fincl2015@hotmail.comに氏名、所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して、ご連絡ください。担当者より折り返しご連絡いたします。会場の都合にあわせて研究会関係者を除き、先着順で受け付けますのでお早目の応募をお願いします(締め切りの際は、canpan団体ブログ上で終了を明示するとともに、メールでその旨返信いたします)。

5.大石航平氏略歴
 2012年~2016年に日本のベンチャー企業、テラモーターズのフィリピン支社、インド支社にて貧困層向けの電動リキシャビジネスに携わる。貧困層がリキシャを購買するための融資・支払いスキームの確立のため、マイクロファイナンス機関や現地銀行との提携を担当する中で、貧困層のお金のやりくりの重要性を感じ、金融包摂に関心を持つ。
2016年よりJICAジェンダー平等・貧困削減推進室にて金融包摂分野を担当し、ホンジュラス国「金融包摂を通じたCCT受給世帯の生活改善・生計向上プロジェクト」、アルバニア国「小規模農家金融包摂プロジェクト」、バングラデシュ国「金融包摂強化プロジェクト」等を担当している。
米山明希子氏を講師に迎えてのファイナンシャル・インクルージョン研究会公開勉強会(5月19日午後)のお知らせ [2018年04月28日(Sat)]
社会デザイン学会ファイナンシャル・インクルージョン研究会では、来る5月19日、当研究会に所属する開発コンサルタント米山明希子氏による公開勉強会:演題「金融包摂における社会的パフォーマンスと顧客中心主義」を開催します。2018年2月にインド・チェンナイにて開催された、SPTFとCGAP主催のSPM・CCをテーマとしたフォーラムに参加した米山氏から、フォーラムの内容を紹介するとともに、下記を踏まえた解説および参加者との意見交換を行う非常に貴重な機会となります。あわせて辻先生には背景の解説をお願いしています。奮って参加ください。
(USSPMとCCについて)
社会的パフォーマンスタスクフォース(Social Perfomance Task Force :SPTF)が推奨する「社会的パフォーマンス管理の世界基準」(The Universal Standard of Social Performance Management :USSPM)は、世界中のマイクロファイナンス機関によって、貧困削減など社会的意義を確立するために用いられてきたが、近年はCGAPが推奨する顧客中心主義(Customer Centricity :CC)アプローチも、金融から排除されてきた(Financialy Excluded)人々を金融システムに取り込む手法として、各国の金融機関の注目を集めている。


日時:2018年5月19日(土)午後2時00分〜4時00分
場所:アジア文化会館会議室
    東京都文京区本駒込2丁目12番地13号
http://www.abk.or.jp/access/index.html

進行予定:
1)14:00-14:05  講師紹介
2)14:05-15:00  プレゼンター 米山 明希子氏 (略歴等以下に記載)
3)15:15-15:30 講評コメント 辻 一人氏 埼玉大学教授/JICA国際協力専門員
4)15:30-15:55 質疑応答
5)16:55-16:00 結び 田中 和夫 研究会代表

会費:無料
申込み:fincl2015@hotmail.comに氏名、所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して、ご連絡ください。担当者より折り返しご連絡いたします。会場の都合にあわせて研究会関係者を除き、先着順で受け付けますのでお早目の応募をお願いします(締め切りの際は、canpan団体ブログ上で終了を明示するとともに、メールでその旨返信いたします)。

米山明希子略歴
2012年にバングラデシュにてマイクロファイナンス関連の仕事に関わったことがきっかけで、マイクロファイナンス/金融包摂の世界に惹かれる。
開発コンサルタントとしては、エチオピア、ミャンマー、ベトナムの金融包摂市場を調査し、コートジボワールでは中小製造業の、インドネシアでは中小規模農家の、金融アクセス改善に取り組んできた。
大学院では、フィリピンでの自然災害におけるマイクロファイナンスの役割の調査、グアテマラのマイクロファイナンス機関でのインターンを経験。
ファイナンシャル・インクルージョン研究会公開勉強会( (1月28日午後) [2018年01月16日(Tue)]
演題 「マレーシアにおけるイスラム金融型マイクロファイナンス(MF)の動向-イスラム法適格のMFは、なぜマレーシアでは成功しているのか-」

日時:2018年1月28日(日)午後1時30分〜3時30分
場所:アジア文化会館102号室(地下一階)
    東京都文京区本駒込2丁目12番地13号
http://www.abk.or.jp/access/index.html

進行予定:
1)13:30-13:35  講師紹介
2)13:35-14:15  プレゼンター 八木 正典 (略歴等以下に記載)
3)14:15-14:35 講評コメント 辻 一人 埼玉大学教授/JICA客員専門員
4)14:35-15:25 質疑応答
5)15:25-15:30 結び 田中 和夫 研究会代表

趣旨:
イスラム法(シャリア)適格の金融システムであるイスラム金融を活用したマイクロファイナンス(MF)は世界的にはいまだ低調であるにもかかわらず、多民族・多文化国家マレーシアでは、同国最大のMF機関であるアマーナ・イクティヤール・マレーシア(AIM)が5人組グループ形成、集会・毎週返済、連帯責任制を特徴とする旧グラミン方式を採用しつつ、利子なしの少額融資を提供し、顧客数は1995年〜2017年央までの比較で約10倍の39万人に達し、拡大を続けている。
現地でのインタビューや関連の参考資料を精査した結果、AIMは、イスラム金融の融資のメカニズムを多様化するのではなく、「タワッルク(コモディティ・ムラーバハ)」というひとつの類型に絞りこみ、現金を顧客に提供する手段と割り切って、効率的に融資を実行していることが認識された。国際イスラム法学会は、2009年に組織的タワッルクは、イスラム法不適格であるとの烙印を押したにもかかわらず、マレーシア中銀のシャリア諮問評議会は、タワッルクを合法とみなし、さらにタワッルクの仕組みに商品取引プラットフォームを導入し、電子式に取引を確認できるようにすることで、合法性を高めようとしてきた。マレーシアは、イスラム金融を国家戦略の柱のひとつに掲げており、イスラム金融型マイクロファイナンスも例外ではない。本来商品の移動によって課せられるはずの物品・サービス税(標準6%)からもタワッルクの取引は、非課税扱いになっている。旧グラミン方式を採用することで、顧客の負担はあるものの、通常金融の利子に相当する管理費は10%であり、かつ、負担をはるかに上回るビジネス支援等の恩恵を受けられることが、顧客を引きつけているといえる。一方で、AIMは、金融取引の電子化にも着手しており、貯蓄、融資、送金等が携帯端末等で実行できるようになれば、週1回の集会・返済の実施も不要になっていく可能性が高い。

会費:無料
申込み:fincl2015@hotmail.comに氏名、所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して、ご連絡ください。担当者より折り返しご連絡いたします。会場の都合にあわせて研究会関係者を除き、先着順で受け付けますのでお早目の応募をお願いします(締め切りの際は、canpan団体ブログ上で終了を明示するとともに、メールでその旨返信いたします)。

講師略歴等
フィナンシャル・インクルージョン研究会創設メンバー。社会デザイン学会会員。外務省アラビストとして中東・イスラム圏に駐在経験。FASID事務局長兼研究部長、国際問題研究所主任研究員兼軍縮センター企画部長、外務省情報分析官等を歴任。2017年3月退官。
主要な論文:『日本におけるイスラム金融型マイクロファイナンス商品の設計について-イスラム教徒にフレンドリーな社会の構築-』,社会デザイン学会学会誌 2014 Vol.6。
辻一人CGAP前経営委員会議長を迎えての社会デザイン学会FI研究会主催講演会「金融包摂に向けてのCGAPの取り組み:過去5年間の総括と今後の見通し」(11月11日開催)のご案内 [2017年10月12日(Thu)]
辻一人埼玉大学教授は、大学での研究・教育活動、JICA客員専門員、CGAP(貧困層支援協議グループ)経営委員会議長として、世界の金融包摂促進活動を主導する多忙な重責を抱える中で、当研究会発足当初から特別顧問としてすべての勉強会・講演会に出席してコーディネーターを務め、当研究会活動に大きく貢献されました。
 
本年5月のCGAP年次総会において、5年間勤め上げられたCGAP経営委員会議長の任期を全うされました。この機会をとらえて、経営責任を担って務められた5年間を振り返りながら、金融包摂の進展度合と今後の展望を語っていただき、併せて「国際機関の経営とは」等、多岐に亘る視点を踏まえて、記念講演をお願いすることとなりました。

講演者と出席者との間で率直な意見交換を行い、問題意識を共有する場にしたいと思います。金融包摂、金融アクセスの向上を通じた貧困削減への国際機関の取り組み等に関心をお持ちの皆様の参加を心よりお待ちしています。

研究会代表 田中和夫

                              
講演会要領
演題:「金融包摂に向けてのCGAPの取り組み:過去5年間の総括と今後の見通し」

講師:辻 一人 CGAP(前)経営委員会議長、埼玉大学教授、JICA客員専門員

趣旨:世銀に信託された研究開発機関(グローバル・パートナーシップ)であるCGAPは、世界の貧困層に望ましい金融サービス、具体的には、如何にしてインフォーマルな金融をフォーマルな金融に変えていくか、補助金なしで貧困層のビジネスを成立させるためのスケールの拡大と取引費用の削減等のためには如何なる金融サービスが求められるのか等の研究報告を実施している。2018年6月に終了する5か年戦略の5本柱は、@顧客を中心におく考え方の普及、A小農への望ましい金融サービスの実現、Bデジタル(モバイルを含む)金融の一層の革新、C貧しい顧客を保護するグローバルな政策や基準の設定、D包摂的で責任ある金融市場構成のための方策、であった。この5年間、CGAP経営委員会の議長として、戦略の実現に関わってきた辻教授から、過去5年間のCGAPの成果を総括し、今後に残された課題や方向性について語ってもらい、その後、出席者との間で活発な意見交換を実施する。
実施日時・場所
日時:2017年11月11日(土) 13:30〜16:00 (13:15受付開始)
場所:明治大学駿河台キャンパス リバティタワー7階 1075教室
    東京都千代田区神田駿河台1−1
 http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html

会費:無料
申込み:fincl2015@hotmail.comに氏名、ご所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して、ご連絡ください。担当者より折り返しご連絡いたします。会場の都合にあわせて研究会関係者を除き、先着順で受け付けますのでお早目の応募をお願いします(締め切りの際は、canpan団体ブログhttps://blog.canpan.info/finclsg/上で終了を明示するとともに、メールでその旨返信いたします)。

進行次第:
1)13:30-13:35 講師紹介
2)13:35-14:35 基調講演 辻 一人教授
3)14:35-15:55 質疑応答 意見交換
4)15:55-16:00 結び   田中和夫 研究会代表 
終了

講師プロフィール:辻 一人(埼玉大学教授/前CGAP経営委員会議長/JICA客員専門員)
東京大学法学部卒業、ミシガン大学大学院政治学修士課程修了。政治学、開発経済学、国際開発、金融包摂、開発援助を専門とする。海外経済協力基金、国際協力銀行、国際協力機構勤務(その間、インドネシア、インド、ケニア等に赴任)の後、現職。近著は『国際協力 -- その新しい潮流 第3版 』(有斐閣刊行)など。
勉強会開催「先進諸国におけるFinTechを活用した金融包摂の試み:米国の事例を中心に」 [2017年07月04日(Tue)]
皆様
 
次回の勉強会は、7月29日(土)に「先進諸国におけるFinTechを活用した金融包摂の試み:米国の事例を中心に」と題して小林立明氏(学習院大学国際研究教育機構准教授)に発表をお願いしました。
小林さんは、先進国における金融包摂、フィランソロピー及びソーシャル・ファイナンスの研究分野で最先端を歩んでおられます。当研究会発足当初からの会員として既に何度かの研究報告をいただいていますが、今回は最近実施された現地研究調査を踏まえた内容を披瀝頂きます。
 小林さんの発表を受けて、当研究会顧問の辻教授に当該テーマと研究内容の位置付け及び、今後の方向についてのコメントをお願いしています。
その後、発表者・コメンテーターと我々参加者との間で問題意識を共有したうえで、率直な意見交換を行う貴重な機会になると思います。
暑い時期ではありますが、議論で暑さを吹き飛ばしましょう。
大勢の皆様の参加をお待ちしています。

研究会代表 田中和夫

                              
テーマ:
 先進諸国におけるFinTechを活用した金融包摂の試み:米国の事例を中心に

概 要:
 先進諸国における「格差・貧困」の問題が深刻化する中、この問題の解決に向けた一つのアプローチとして、英国や米国では「金融包摂」が注目されている。従来、金融包摂政策として、金融排除層に対する金融教育・金融能力強化、貯蓄奨励・支援、および低所得者向けの金融サービスの提供などが行われてきた。さらに、近年は、IT技術を活用して新たな金融サービスを提供しようというFinTechを活用した金融包摂の試みも登場している。
 本研究会では、特にアメリカの事例を取り上げ、FinTechを活用した金融包摂に向けた取り組みを推進する中間支援組織の活動、およびこの支援を受けて、現在、試みられつつある様々なプロジェクトの中から、代表的なものを取り上げて紹介することとしたい。
 日本においても、「格差・貧困」の問題は深刻である。米国や英国で試みられているFinTechを活用した金融包摂モデルは、今後、日本において、同様の試みを発展させる上でも参考になるだろう。

要領
日時:2017年7月29日(土) 13:30〜16:00 (受付開始13:15)
場所:アジア文化会館 会議室
http://www.abk.or.jp/access/index.html

会費:無料
申込み:fincl2015@hotmail.com に氏名、所属、本催しに関心をお持ちになった理由を付して連絡ください。会場の定員の関係上、研究会関係者を除き申し込み順で受け付けますので早目の応募をお願いします。(締め切りの際はcanpanの団体ブログ上で受付終了を明示するとともに、メールでその旨を返信します)

進行予定:
1)13:30-13:35 講師紹介
2)13:35-14:35 基調発表 小林 立明氏 (略歴等以下に記載)
3)14:35-14:55 コメント 辻一人埼玉大学教授/前CGAP経営委員会議長/JICA国際協力専門員)
4)14:55-15:10 休憩
5)15:10-15:50 質疑応答
6)15:50-16:00 結び 田中和夫 研究会代表 
終了

発表者:
 小林立明氏(学習院大学国際研究教育機構准教授)
 2012年米国ペンシルヴァニア大学非営利組織指導者育成修士課程修了(修士)。2012年から2013年にかけてジョンズ・ホプキンス大学市民社会研究所客員研究員として社会的インパクト投資を中心としたフィランソロピーのニューフロンティア領域の研究を行う。国際交流基金、日本財団、日本NPOセンター勤務等を経て、2017年4月より現職。主要著書に「英国チャリティの変容」(共著)(弘文堂、2015年)、L.M.サラモン著「フィランソロピーのニューフロンティア」(翻訳)(ミネルヴァ書房、2016年)など。ソーシャル・ファイナンス研究会主宰。
【お知らせ・締切日延長】2017年度JICA能力強化研修「金融包摂と貧困削減」受講者募集【JICA】 [2017年07月03日(Mon)]
皆様
先日お送りした案内に続き、JICAジェンダー平等・貧困削減推進室の大石様より以下の連絡を頂きましたので共有します。

フィナンシャル・インクルージョン研究会の皆様
いつもお世話になっております。
JICAジェンダー平等・貧困削減推進室の大石と申します。

掲題の研修の募集期限が7/3(月)となっておりましたが、受講者数に未だ余裕がございますので、応募締切日を7/6(木)に延長させていただきました。ご関心のあるご友人や会社関係者へお声掛けをいただけますと幸いです。

---ご案内内容---
本研修は、貧困削減に関わる国際協力業務や金融機関での実務、又は金融包摂やマイクロファイナンスに関連する業務、学術経験をお持ちの方を対象とし、金融包摂促進に関する国際的な議論及びその変遷、貧困層向けの金融サービスとそれを取り巻く環境、マイクロファイナンス機関の運営・管理等に関し講義や演習を通じ、実践的な知識を身に着けて頂ける内容となっております。  
応募検討を頂くと共に、ご関心のある関係者へ情報共有、応募勧奨もお願いできれば幸いです。
研修概要は以下の通りですが、詳細は下記ウェブサイトにてご確認頂きますようお願いいたします。
(1)期間:2017年8月14日(月)〜 8月18日(金)
(2)募集人数:30 名程度
(3)会場:JICA市ヶ谷ビル (東京都新宿区市谷本村町10-5)
(4)募集締切: 7月6日(木)

JICA能力強化研修募集ページ:
https://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/top.html
「金融包摂と貧困削減」概要ページ: https://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/ku57pq000014rskb-att/07_poverty_reduce_requirements.pdf
*JICA ウェブサイト上及び募集要項上では募集期限が更新されておりませんが、Partner上応募ページでは7/6日まで応募可能に変更されております。

なお、本研修に関する質問は大石(oishi.kohei@jica.go.jp)までご連絡頂きますようお願い申し上げます。
皆様のご応募をお待ちしております。

JICAジェンダー平等・貧困削減推進室
大石
2017年度JICA能力強化研修「金融包摂と貧困削減」受講者募集【JICA】 [2017年06月13日(Tue)]
皆様

JICAジェンダー平等・貧困削減推進室の大石様より以下のご案内を頂きましたので共有します。
既に多くの方々が受講経験をお持ちのことと承知していますが、金融包摂・マイクロファイナンスの体系を理解するには最高の機会ですので、未受講者には是非参加されることをお勧めします。

田中 和夫

フィナンシャル・インクルージョン研究会の皆様
いつもお世話になっております。
JICAジェンダー平等・貧困削減推進室の大石と申します。
掲題の研修に関する募集を開始致しましたので皆様にご連絡させていただきました。本研修は、貧困削減に関わる国際協力業務や金融機関での実務、又は金融包摂やマイクロファイナンスに関連する業務、学術経験をお持ちの方を対象とし、金融包摂促進に関する国際的な議論及びその変遷、貧困層向けの金融サービスとそれを取り巻く環境、マイクロファイナンス機関の運営・管理等に関し講義や演習を通じ、実践的な知識を身に着けて頂ける内容となっております。  
応募検討を頂くと共に、ご関心のある関係者へ情報共有、応募勧奨もお願いできれば幸いです。
研修概要は以下の通りですが、詳細は下記ウェブサイトにてご確認頂きますようお願いいたします。
(1)期間:2017年8月14日(月)〜 8月18日(金)
(2)募集人数:30 名程度
(3)会場:JICA市ヶ谷ビル (東京都新宿区市谷本村町10-5)
(4)募集締切: 7月3日(月)

JICA能力強化研修募集ページ:
https://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/top.html
「金融包摂と貧困削減」概要ページ: https://www.jica.go.jp/recruit/kyokakenshu/ku57pq000014rskb-att/07_poverty_reduce_requirements.pdf

なお、本研修に関する質問は大石(oishi.kohei@jica.go.jp)までご連絡頂きますようお願い申し上げます。
皆様のご応募をお待ちしております。

JICAジェンダー平等・貧困削減推進室
大石
| 次へ
検索
検索語句
タグクラウド
https://blog.canpan.info/finclsg/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/finclsg/index2_0.xml