膨らむ怒り「誰か助けて」[2008年03月11日(火)]
朝日新聞朝刊の長期連載、ルポ虐待が新シリーズ・「支える」に入りました。
今回は、虐待の当事者を「支える」とはどういうことか。まずは、深刻なケースの治療・ケアに効果を上げている「MY TREEペアレンツ・プログラム」の実践から考える。とあります。
第一回は直美さん(37)と長男弘樹君(2)の例。
不妊治療を続け、やっと授かった子だった。育児書を数十冊買い込んで、出産前に子育ての勉強もした。だが、弘樹君が歩けるようになると、予想もしなかった多動傾向が現れた。
スーパーの中を走り回る。何度言い聞かせてもだめだった。「母親は何してるの」という周囲の視線が、直美さんは怖かった。
弘樹君には独特のこだわりがある。企業のロゴマークやお気に入りの看板を目にすると、脇目もふらずに突進する。激しく車が行き交う道路でも、構わず走って横切る。
言ってもだめなら、痛い目に遭わせて分からせるしかない。そう思い、最初は尻をたたいた。次は頭。顔も張った。手加減しているつもりなのに、暴力をふるっているうちに怒りはどんどん膨らむ。頭の中が真っ白になり、歯止めがきかなくなった。「誰かこの子をどこかにやって」。いつも叫びだしそうだった。
虐待ホットラインに電話をした・・・保健師が家を訪ねてきた。「こんな集まりがあるんだけど。参加してみない?」とチラシを渡された。
<子育てに苦しさを感じている親のためのグループミーティング>と書かれていた。





