笑えない「支援」の話A[2007年07月29日(日)]
私たちのような小さなNPOには関係のないお話ですが、大きな支援組織を作るには、どうも正会員には政治家や医者や弁護士が入っていた方がよいらしいです。財政基盤を固める観点からなんでしょうね、おそらく。
しかし、犯罪被害者不在の「支援ボランティア中心」の組織作りの落とし穴があります。たぶん、いつまでたっても気づかないとは思いますが(落とし穴を教えてくれる被害者がいないのですから)。
たとえば、「交通死遺族の支援をします」とパンフレットに掲載していても、支援団体ホームページの組織正会員に加害者側(損害保険会社の顧問弁護士)がずらりと並んでいては、交通死被害者は絶対に近づきません。
もちろん、弁護士は加害者側で依頼を受けることもあれば、被害者側で依頼を受けることもあるという限りにおいて(同一事件では当然に禁止されていますが)、弁護士の視点からみれば、何もやましいことではないわけです。何が悪いのか、と言われたらそれまでですね。
しかし、被害者側から見たとき、自分の刑事裁判や民事裁判において、支援を受けていると思っていた支援組織の正会員弁護士が加害者側の弁護人や代理人で出てきたら、どんな感じがするでしょうか?また、自助グループで仲間支援をしている際に、自分たちを支援してくれている組織の正会員が仲間の事件の加害者側で出てきたら、どんな思いがするでしょうか?ちょっと想像力をはたらかせれば、わかることです。
想像力の欠けた支援者は、必ず二次被害を引き起こします。もちろん、被害者の心情よりは、財政基盤の方が大切なのかもしれません。
ちなみに、DVや性被害の被害者支援になると事態はもっと深刻です。
避難先や重要な支援情報を加害者側に知られてしまう危険があるからです。
歴史のある強姦救援センターは加害者側で動く人はいっさい支援者として認めません。どちらもやります、ということは命の危険と隣り合わせの突き詰めた支援局面では通用しません。
私たちもDV被害者は、大きな組織には紹介せず、DV専門の小さな民間組織に橋渡ししています。安全が第一だからです。
私たちのNPOは、誰も被害者が近づかない大きなデパートを作るためにお金集めをする職員の人件費に公費が無駄遣いされないように監視していきたいと思っています。
被害者はデパートには近づきません。まちの中で息をひそめて生活しているのです。




