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犯罪被害者等基本計画・具体化プロジェクト[2007年06月02日(土)]


犯罪被害者支援のための施策の青写真について、一昨年12月に閣議決定された「犯罪被害者等基本計画」は各省庁に関連して258施策を網羅しています。これらは内閣府が被害当事者からていねいなヒアリングを重ねて省庁間の意見調整を行って策定されたもので、内容的にはすべてが網羅されているといつてよいと思います。

あとはこれをいかに実現するかです。

岡山では、当事者の声を地域の施策に反映させるため、当事者と支援者が協力してNPOを立ち上げました。支援者だけではわからないことが多く、といって当事者だけでは負担が大きすぎるため、互いに協力し、そして行政担当者とも行政・NPO協働事業に応募して協働協定をむすび、施策作りの第一歩を踏み出しました。

これが岡山県備前県民局との「犯罪被害者等基本計画・具体化プロジェクト」なのです。なぜ地域にこだわるかは、地域の暮らしの中で孤立している被害当事者が深い傷つきを抱えながらも、事件後の生活を送るうえで、何ができるかをともに地域で考えてもらいたかったからです。

プロジェクトの一つの成果が、昨年11月の第1回犯罪被害者週間での中間提言です。長くなりますが、引用します。

犯罪被害者等基本計画・具体化にあたっての中間提言

              NPO法人おかやま犯罪被害者サポート・ファミリーズ

 第1回犯罪被害者週間にあたり、犯罪被害者等基本計画・具体化に関して、被害当事者の視点から下記事項について提言します。

@ 安全安心まちづくりの取組みにあたって、防犯への視点とともに、被害者支援の視点を明確に位置づける。

基本計画・重点課題Dの国民の理解増進の取組みが、両者の視点を結びつけるもので あり、一方だけの施策に終わることなく、両者の視点を取り込んだ安全安心の施策作りをしてほしい。

A 被害者のための総合相談の窓口の設置あるいは相談機関の連携強化を検討する。

基本計画・4つの基本方針にあるように、支援は途切れなく行われる必要があり、被害者が相談窓口をたらい回しされることのないよう、コーディネート機能を持った被害者のための総合相談窓口を設置するか、あるいは現存する各相談窓口相互に被害者相談に関して横断的連携ができるシステム作りをしてほしい。
 また、民間支援組織も含め、どこに相談に出向いても必要な支援について的確な橋渡しができるよう、相談機関、民間支援組織相互間でもリンク、ネットワーク化を推進するよう働きかけをしてほしい。

B 具体的施策の検証を含め、定期的に被害者の声を聴きつつ、施策の点検、見直しを行う。

基本計画では、国において被害者の声を聴きつつ施策推進状況の検証を行うことになっているが、県においても定期的に県内の被害当事者の声を聴きつつ、施策の検証を行い、血の通った施策となるよう、常時見直しを行ってほしい。

C 基本計画は警察、司法の問題だけでなく福祉、教育、医療も含めた総合施策であることを踏まえ、国だけでなく、特に地域での被害者・被害者遺族の孤立化防止策(福祉施策)、犯罪抑止教育・生命尊重教育への取組み(教育施策)に力を入れる。

@とも関連するが、警察による支援は重要であるが、それだけではカバーできない福祉、教育分野の取組みが基本計画には数多く盛りこまれている。特に、行政に対して、声を届けにくい犯罪被害者の現状を踏まえ、福祉現場、教育現場での取組みを忘れないようにしてほしい。

D 福祉施策については、被害当事者による自助グループの持つ意義を踏まえ、つながりの場の提供や精神保健福祉センター、保健所などとの連携をはかる。

 犯罪被害者は精神的な傷つきの深さの中で、地域社会で思いを語ることもできないまま孤立しがちである。回復できない被害の中で、ともに生きていく当事者や支援者とのつながりの場が地域にできるなかで、精神的な傷つきの深まりを防止することも可能となる。地域における精神衛生の問題としてきちんと位置づけ、自助グループへの場や情報の提供を精神保健福祉センター、保健所などが取り組んでほしい。 
 
E 教育施策については、亡くなったいのちを無にしないためにも、犯罪が起こらない まちづくりに向けて、かけがえのない生命について子どもたち、保護者が考える機会を学校や地域で持てるよう、人権啓発教育の機会などをとらえて遺族・当事者の声を聴くなどの教育に取り組む。

  犯罪被害者として同じような被害者がこれ以上出ないようにしてほしいというのが切なる願いであり、亡くなったいのちを無にしないためにも、犯罪が起こらないまちづくりに向けて若い世代への犯罪抑止教育、生命尊重教育を真剣に行ってほしい。遺族等による講演を学校、地域での人権啓発教育などの機会をとらえて積極的に実施してほしい。

刑事裁判・犯罪被害者参加制成立へ[2007年06月02日(土)]


犯罪被害者や遺族が刑事裁判に参加し、被告人に質問したり量刑に関する意見を述べることができる「被害者参加制度」の導入を柱とする刑事訴訟法など関連法改正案が6月1日の衆院法務委員会で、自民、公明両党による修正のうえ、賛成多数で可決され、同日の本会議でも可決、参院に送付されました。今国会で成立する見通しです。

被害者参加制度は、犯罪被害者等を刑事裁判の当事者に近い形で法的に位置づける制度で、殺人や業務上過失致死傷、強姦、逮捕・監禁、誘拐など生命、身体や自由に関する犯罪について、被害者側の申し出を裁判所が許可すれば適用されます。

被害者側は法廷で検察官の横に着席し、自らの意見陳述に必要な範囲での被告人質問と、被告の生活態度など情状に関する証人尋問ができるようになります。検察官の論告求刑と同様の意見陳述も、起訴された法定刑の範囲内で認められます。

これまで、刑事手続の中で「かやの外」に置かれ、いわば「証拠品」としての位置づけしかされていなかったことが、数限りない二次被害を与えていることが、当事者が語る中でやっと見えてきたのです。それらの当事者の声が犯罪被害者等基本法制定へと結集され、閣議決定された犯罪被害者等基本計画にもとづき、関連法の改正がやっとなされる見通しとなったことは、大変感慨深いものがあります。

被害者訴訟参加制には慎重論もありますが、かやの外でずっと無視され続けてきた当事者の声に耳を傾け、いま一度当事者が立ち上がった原点にたちかえって、参院審議を見守りたいと思います。

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