地域に根ざした犯罪被害者支援、自殺対策に向けて[2008年06月04日(水)]
いつもブログを拝見している宮崎県の自殺対策について、とても共感する記事がありましたので、ご紹介します。
NPO法人宮崎自殺防止センターを応援したい(2008.6.2ブログ)
ともにデリケートな問題なので、安易に同一の取扱いをすることには注意が必要ですが、地域全体がグリーフワークを支える視点から見たとき、共通する部分はかなりあり、地域で関係する行政・民間の方たちもかなり重なっている点に着目したいと思います。
また、「いのち」、「まちづくり」の視点から、@prevention、Aintervention、Bpostventionの3つの領域で総合的に、地域に根ざした被害者支援、自殺対策の取組みを考えたいと思います。
何から始めてよいかわからないというのが正直な感想だと思います。
もし市町村の担当者の方で、関心を持っていただければ、下記記事をご覧下さい。この2年間県民局との協働事業を行ってきたNPOの気づきです。
(地域に根ざした犯罪被害者支援とは)
行政課題としてこの問題が何故とらえにくいのか、逆にどういった観点から行政課題としてとらえたらいいのか、NPOとして気づいたことがあります。
すでに児童虐待、DV対策などでは知られていることですが、総合施策として3つの段階があります。
@prevention、Aintervention、Bpostventionと言われる、@予防、A介入、B事後対応という3つの過程です。
児童虐待でいえば、@早期発見、ハイリスク家庭への支援、A親子分離、児童相談所による一時保護、B被虐待児童のケア、親子再統合プログラム、DVでいえば、@DV防止教育、A相談、避難、一時保護、保護命令、B生活再建支援、被害女性・子どものケアといったところでしょうか。
犯罪被害者支援、自殺総合対策にもあてはまります。
犯罪被害者支援に関して、大まかに言えば、@犯罪予防、A被害直後からの早期支援、B被害当事者への長期的ケアといったところにあたります。
問題は、2005年末に閣議決定された犯罪被害者等基本計画が@ABのすべてを網羅しているにもかかわらず、「被害者支援」というと警察中心の施策に目を奪われがちなため、警察と結びついたA早期援助、@防犯中心の安全・安心まちづくりという動きが中心になりがちな点です。
警察の手からはなれるBの領域での取組みがないと、被害当事者は地域で孤立したままですし、警察の防犯中心の@(犯罪に遭わない取組み)は子どもたちの「心を育てる」教育的側面(子どもたちを被害者にも加害者にもしない取組み)に光をあてきれていません。
むしろ、この@教育(青少年健全育成など)、B福祉が行政が逆に取り組みやすい課題ではないかと考えます。
犯罪被害者支援の民間支援組織も警察からの情報を入手して早期支援をめざす全国被害者支援ネットワーク加盟組織はAに力を入れています。これはとても大切です。しかし、被害当事者は警察と関わることができない場合も多く、あるいは警察の手からはなれても傷が回復することはありません。その中を地域で生きていくには、行政の関与が不可欠です。
当事者自助グループの意義、必要性はBのつながりの場であると同時に、@に向けての情報発信主体となります。ファミリーズでは被害者遺族の講演活動を基本計画具体化プロジェクトとして@に位置づけて実施し、この取組みに県警も関心を持ってくださり、県警との協働事業も始まりました。
自殺総合対策についても、これまで@が中心で、Bは手薄でしたが、自殺対策基本法で遺族支援が明記されたことで、これから動き出すと思います。NPOライフリンクが自死遺族支援のための分かち合いの場の立上げ支援をしています。自殺対策ではBがある意味では、そのまま@A(予防、未遂者支援)につながります。
犯罪被害者遺族支援と自殺対策との共通の水脈は、Bにおける遺族支援のなかにあると考えます。
ファミリーズがグリーフワークに関心を向けているのも、こうした観点からです。
犯罪被害者自助グループのファシリテーターもしている市原千代子さんが美作県民局で昨年6月青少年相談員等を対象に講演し、「命の大切さを語り継ぐまちづくり」協働事業がスタートしています。公民館での子育て支援講座にも出向きました。
地域に根ざした総合的な取組みをめざしたいと思います。




