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少年の死から9年[2008年03月28日(金)]

3月28日の山陽新聞朝刊デスクノートから。

水ぬるむ三月とはいえ、周囲を山に囲まれた備前市三石地区を流れる金剛川の水は、肌を刺すほど冷たかったに違いありません。
9年前の3月18日、一人の少年が先輩ら3人から暴行を受けた末にその川に突き落とされ、人間の尊厳を奪われた無残な死を遂げました。
少年は、市原圭司さん=当時(18)。二男を失った母親の千代子さん(54)は「おかやま犯罪被害者サポート・ファミリーズ」などの活動に参加。刑事裁判や少年審判の改善などを訴え続けてきました。
当事者にとっては、もどかしいほどゆったりとした歩みでしょうが、2005年4月に犯罪被害者等基本法が施行されるなど、犯罪被害者をめぐる社会的状況は少しずつ変化してきました。
市原さんも昨年、県内各地の中学、高校約30校で、命の大切さをテーマに講演。学校だけでなく、警察官や裁判官、書記官、少年院の子どもたちなど、その対象は徐々に拡大しています。
講演活動を優先するため、昨年、ホームヘルパーの仕事をやめた市原さん。彼女を突き動かす原動力は、18歳のままの圭司さんの存在です。
命日の前日、自宅を訪ねました。少し髪を染めて親指を立てポーズを決める遺影に出会いました。市原さんは「あの子は友達が多く、女の子にも結構人気があったんです」と話してくれました。
その言葉は母親としての優しさと同時に、そんな息子がなぜ死ななければならなかったのかという消えることのない思いのように聞こえました。

(備前支局・二羽俊次)







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