事業の多角化の是非[2011年04月13日(Wed)]
驚いた。
人材コンサルティング会社のワイキューブが民事再生法の適用を申請した。
負債総額は約40億円。設立は平成2年。
私が10年前に働いていた会社が、代表の安田さんをインタビューをしたこともあってよく知っている。
もともとは、『採用の超プロが教えるできる人できない人』などの本でも有名だが、人材採用に関するサポートを事業の柱にしていた。
しかし、最近の著書、『小さな勝ち組企業が選んだブランド戦略 人が人を呼ぶブランディング実践企業8の実例』を読んで、「あれ?こんなこともやりはじめたんだ??」と思っていた矢先の出来事である。
本の出版による安田氏の知名度や積極的な広告宣伝活動もあって、コンサルティング活動や中小企業向けセミナーにも事業を広げ、2007年5月期には約46円億まで売上が伸びた。
しかし、急激な業容拡大に伴う借入金増加と、事業の多角化に伴って収益確保に苦しみ、2008年秋頃までに金融機関と返済条件変更に合意していた。
その直後にリーマン・ショックが発生し、2009年3月期の売上高は約30億円まで減少。このため、リストラを進めていたが、その後も人材ビジネス業界は低迷、2010年3月期の売上高は約15億円にとどまるなど苦しい経営状態が続いていたようだ。
事業の多角化・ポートフォリオと収支のバランスをどう取っていくか、ワイキューブの例は、個人的にはとてもいいレッスンになった。