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種まく子どもたち [2006年06月23日(金)]
種まく子どもたち
小児がんを体験した七人の物語
佐藤律子=編

この本は、私が大学時代に所属する軟式テニス部の顧問をしてくださっていた清水透先生(現・慶應大学)のご紹介で読んだものです。

編者の佐藤律子さんは、次男・拓也くんを小児がんで亡くしています。15歳に発症し、16歳でその生涯を閉じるまでの1年2ヵ月の闘病体験から、小児がんと闘う子どもたちの姿を伝え、いのちの大切さを多くの人に知ってもらおうとこの体験談集をまとめたのだそうです。

大変だろうとか、可哀想とかではなく、感動しました。そして、涙をこらえるのが大変でした。
「闘病している子どもたちは、世の中にたくさんの「種」をまきつづけています。元気の種、勇気の種、思いやりの種・・・・。そして、どの子どもも野の花のように凛としています。その種がいつか芽ばえ、たくさんの人の心のなかで育つことを願って、書名は『種まく子供たち』としました。」(「はじめに」から)

「・・・この本には、ガンを体験した七人の子どもたちの、いのちと祈りがこめられています。元気になった子どもたちも、その過程においては等しく野の花のように輝いていたことを、たくさんの方に知っていただければよろこびです。」(「あとがき」より)

この企画を本にして出版しようとした佐藤さんは半年間出版社を回り続け、7社から断られたそうです。2001年にポプラ社が単行本として出版を受け、5年間で多くの方から読まれ、新聞、雑誌、テレビ、インターネットでも紹介されたそうです。私が読んだのは、この春、文庫化されたものです。

実は、この七人の一人に恩師の清水先生の愛娘・真帆さんがいらっしゃいます。
「ひまわりいろの種」の章で、清水真帆さんのインタビュー記事と清水先生の言葉が記載されています。21歳に急性骨髄性白血病の診断を受け、23歳で旅立つ日まで、真帆さんはご両親や友人たちと結成した「MahoNET-21 骨髄バンクを支える大学・市民ネットワーク」を通じて、骨髄バンクへの理解と協力を呼びかけつづけました。真帆さんの笑顔と活動は、彼女の闘病とともに、高校の英語の教科書でも紹介されるまでになりました。

小児がんとは、十五歳までに発症したものをいうので、医学的にいえば、真帆さんは小児がんではないのだそうです。でも、そのすてきな生涯を多くの方にお伝えしたく、この企画に参加していただいたとのことでした。

生きることの大切さ、支えあうことの大切さを、あらためて考えさせられた一冊でした。
是非、親子で読んで欲しい一冊です。