「苫小牧子どもを守る防犯リーダー指導力アップ研修会」が、
苫小牧市立拓勇小学校を会場に開催され、苫小牧市及び近隣町から23名の方が参加されました。
この研修会は、
独立行政法人科学技術振興機構社会技術研究開発事業研究開発プログラム「犯罪からの子どもの安全」系統的な『防犯学習教材』研究開発・実践プロジェクト防犯指導力育成プログラム構築グループ(長い・・・)が開発している、
防犯リーダーのための教材を使用して行い、現在、苫小牧の各地域で「防犯リーダー」としての役割を担っている方々の研修を兼ねて、開発中の教材が実情に即しているか、即、社会で使えるものとなっているか、この教材を利用して各防犯リーダーが研修会を開催し、防犯活動者を増やせるか、などを検証する目的で開催いたしました。
NPO法人エクスプローラー北海道は、北海道の防犯リーダーの育成と防犯活動者の拡大を目指し、このプロジェクトに参加協力しています。
研修の始まりは、このプロジェクトの代表である、目白大学原克彦教授による、プロジェクトの説明と、システムの使い方についての説明、そして参加者の事前チェックなどが行われました。
事前チェックとは、防犯リーダーの今の「防犯指導力」を、コンピューターを使って解析するものです。
普段、防犯活動をされている方で、パソコンを使い慣れていない方も多く、入力等が心配されましたが、システムとしては、銀行のATMを使う位の操作性で、心配していたよりもスムーズに参加者の指導力が解析されました。
「
コンピューターは無理」と言ってしまえば終わりですが、防犯活動をされている方々が
守りたい子どもたちは、このコンピューターの世界がテレビを観るくらい当たり前の社会に生きています。
そしてまた、コンピューター、インターネットの世界は、
防犯パトロールなどから全く見えない部分でもあり、それは見える所よりもより広範に渡っています。
そのようなことを鑑みても、コンピューター=無理では、子どもたちを守ることができないのです。
参加者の皆さんは、それをすぐに理解し、
果敢に取組んで下さいました。
果敢な挑戦の後は、皆で仲良く懇談しながら昼食です。
午後からは、30分の講義が3連続、そして
岐阜聖徳学園大学石原一彦教授による50分の講義です。
今回の研修会の主催者である、エクスプローラー北海道の佐藤が、プロジェクトの開発しているテキストから、「
防犯パトロールの進め方」、そして拓勇小学校の黒川教諭による「
こんな子が狙われている」、佐藤による「
防犯活動の推進」について講義を行いました。
これらの講義内容については、防犯活動実践者の方々にとっては、既に身に染みついているとても当たり前な内容と思われるかもしれません。
しかし、文字になり、ビデオとして要旨がまとまっているものを見たり、学んだりすることで、
自分が理解している→他者の理解を促せる という点が、この研修会の目的でもあります。
自分自身の理解から、他者一人、一人へ広げることが、
未来の子どもの安全の要となっていることを再認識できます。
開発中の教材には、ビデオ教材もあり、そのビデオ教材を効果的に使うことで、どこでも、どのような単位でも、各地域で、防犯リーダーが研修会を開催し、防犯活動者の拡大を目指すという目的がありますので、テキストの内容に沿った講義を行いました。
私(佐藤)の感想は、日々、防犯活動に忙しいリーダーの方々、実際に研修会を行なおうと思った時、自分で一からいろいろ考えて研修内容を決めたり、原稿を書いたり、パワポを作ったりというのは、活動もした上に更にと考えると、まずは「動く」パトロール優先となってしまいがちな現状があり、この教材が広く流布すれば、そんなにリーダー自身が自ら何から何まで準備するという負担の軽減になる、つまりは、研修会を開催しやすくなると思います。
このテキストとビデオは社会にすぐに役に立ち、即使える教材になりえるでしょう。
それが、インターネット等で配信されたら、日本全国誰もどこでもすぐに「防犯研修会」が開催でき、それは活動者を永続的に増やすことができると思います。
岐阜聖徳学園大学の石原一彦教授の「広がるネット犯罪」についてのご講義は、実際にニュースなどで目にしている事件の背景にある、「ネット犯罪」などについて具体的にどのように犯罪が発生したか、被害者がどのように犯罪に巻き込まれたかなど、詳しい事例をご説明くださり、ネット犯罪についても知識を高めることができたと思います。
「子どもの安全」は目に見えないところの危険の方が多いという現状に、参加者である「防犯リーダー」の方々も、自分たち以外にも、特に子どもの親たちの「子どもの安全」について認識を高める必要性を強く感じたようでした。
5時間の研修を終え、事前チェックした項目の「事後チェック」を行いました。
研修を通じて、自分自身の「防犯指導力」が上がったか、下がったかなどを診断することができるシステムです。
皆さん、かなり、防犯指導力が上がったという結果になりました。
これはある意味、当然と言えます。
長年の実践がある方々が、研修を受けてさらにパワーアップしているのです。
実践ほど確かで堅固で信頼できるものは、他にないでしょう。
今後も、この研修会を開催し、北海道全体の防犯指導力アップに寄与できるよう、私どもNPO法人エクスプローラー北海道も尽力して参ります。
原教授がお持ちになったiPadに夢中になる参加者と記者。パソコン環境がない場所でも、この研修ができるように、iPadやPSPなどのデバイス利用もプログラム開発の中に含まれています。
(おまけ)