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『今日は何の日ですか』 [2014年08月16日(Sat)]
image.jpg『今日は何の日ですか』
転院先病院の入口の国旗に気付かれた
同乗の60歳代の女性が小さく呟かれた

『終戦から69年目の終戦記念日ですよ』

(あっ!そうだった)

年月が過ぎて遺族や国民の年齢が上がったが
決して忘れてはいけない日だと想う


『ヒック!ヒック!ヒック!ヒック!』

ワイパーを最大にしても前が見にくい大雨
脳卒中と癌末との合併症で意識不明の容態
横隔膜の痙攣(けいれん)が続くご主人様
嘔吐に備えて吸引器は直ぐに使える状態

気持ちが耐えられなくなったのか
付き添われる奥さんが口を切られた

『延命処置を続けるか痛みだけを抑えるか』
担当医師から決める時期が来ましたとの話で
家族だけで話し合いの場を持ちました

仕事の関係でお見舞いが遠い息子夫婦は
『どんな容態でも良いから生かして欲しい』
『救命処置をこれからも続けて欲しい』と

発症の時から付き添そってきた私は
『もう頑張ってきたから休ませてあげたい』と
息子と意見が分かれてしまいましたが
『これからは痛みだけ抑えてください』と
私自身の意思を担当医師に伝えました

『わいわい!ガヤガヤ!わいわい!』
移送の車内で会話が途切れたあとに

本当に私の決断が正しかったのか
間違いだったのか分からないンですと


誰もが
家族との穏やかな生活が永遠に続くと思い込んで
ごく普通の生活を過ごしているが
ある日に突然に家族が倒れた時から
症状に対して治療の決断を求めらる立場に変わる

どちらにも受け取れる曖昧な言葉ではなくて
日本人が苦手とするハツキリした意思表示だ

日々の移送中に付き添われるご家族様から
何時も訪ねられる言葉がある


本当に私の決断が正しかったのか
間違っていたのか分からないのです


人は自ら決断して答えを出したあとにも
『あぁじゃない・こうじゃない』
心に迷いを持ちながら生き続けて
ある日に自らの人生を閉じる
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