真夜中の会談「挑戦宣言 -唐桑から学校が無くなる-」 [2016年09月30日(Fri)]
深夜に2人で「ホーム」にいる。
まちづくりサークル「からくわ丸」の拠点のプレハブ小屋だ。 現在からくわ丸の代表を務める地元の青年は夜分の呼び出しに快く応えてくれた。 テーブルに卒業アルバムを広げる。 2001年唐桑町立唐桑中学校卒業アルバム。 「東京、仙台、東京、仙台、地元、仙台…」指でなぞる。 その横でノートに「正」の字を書いていく私。 数字が出揃って2人はため息を吐いた。 「数字にすっとエグいな」 次はパソコンを開いてノートの数字をエクセルに落としていく。 全同級生 100%(68名) 気仙沼市在住 29% うち唐桑町在住 22% 市外在住 71% 18歳で出郷組 91% ずっと地元組 9% 出郷組のうち唐桑にUターン率 15% 気仙沼にJターン 8% 出郷したまま 77% 注目したのはUターン率15%。7人に1人しか還ってきていないことになる。 見えてきた。 5年半、唐桑でさんざん地元の人に世話になって、今人生を賭してやりたいと思えること。 市主催「経営未来塾」でさんざん半年間問われてきた結果、見えてきたもの。 先日、唐桑の小中学生数を調べてぞっとした。 2012年450名いた小中学生は、2016年300名しかいない。 毎年40名弱が減っている。毎年1クラス分の子どもが減っている。 このままじゃ唐桑中学校が無くなる。 それをなんとか阻止したい。 ある先生に聞いた。「デッドラインは全校生徒60名だろう」 中学生ひと学年20名が合併のデッドラインだとすれば、今の小学2年生が初めて20名を切って16名ほどしかいなので4年後にはすでに王手がかかる。 唐桑・中井・小原木、小学校3校併せて16名だ。 今の小6で40名以上いるのに、だ。この数年で急変しはじめている。 たった5年後には合併の話が現実のものとなる。 このままじゃ10年後には唐桑に学校が無くなる。 --- 「一町一中」もしくは「一市一高」。 これはそのまちが存続するために非常に重要な条件だ。 まず子育て世代の移住者(Iターン者)が見込めなくなる。 移住の大きな要因は「ここで自分の子どもを育てたい」と思ってもらうことだ。それなのに、そのまちに学校がないとなるとかなり深手だ。 まさか自分の子どもも唐中生になるもんだとばかり思っていたが、どうやらこのままでは無理らしい。 鹿折中との合併は目の前にあった。 これは人口減少対策ではない。 人口消滅対策だ。 唐桑を魅力あるまちにして、唐桑中学校を存続させ、唐桑を持続可能なまちにして、そのノウハウをいろんな地域に輸出することで気仙沼から東北、社会全体に貢献する。 そのための施策に挑戦したい。 見えてきた。まるオフィスやからくわ丸のみんなと挑戦したいこと。 大震災を機にこのまちにやってきた若造が、今このまちと挑戦したいこと。 --- 明日、10月1日「気仙沼市移住・定住支援センター MINATO」が開所します。 気仙沼市からの委託を受けた私たち一般社団法人まるオフィスがそこを運営することとなりました。 これからセンター長として気仙沼のために働けることに感謝です。 「地域協育」と「移住定住推進」。 まるオフィスはこの2本柱で「気仙沼モデル」をつくります。 10月16日の経営未来塾の卒塾式ではその宣言をします。 そしたら、まずは山陰の雄・岩本悠氏という方に会いたいです。 |