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夜食 [2016年08月28日(Sun)]

いただきものが悪くなるといけないから、と夜食に用意したのが…うに茶漬け。

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これはバチあたるなーと思いながら食べる夜食が美味い、とな。

お高いお店で綺麗に盛られて出てくる逸品はお金で買えるけど、
「ぁ、あいつ食わなきゃ!」とパッとこさえるうに茶漬けは買えない。

そーゆーことなんだよな。
唐桑に住んでる価値っちゅーか、
やめられない理由っちゅーか、
そういうのが半島の日常にぱらぱら散りばめられてて。

なんだろうこの「用意されていない贅沢」。
その価値を見える化するのが自分の仕事のやりがいなんだけどね、
とりあえずこれ美味いなぁーとか言いながら、

経営未来塾は佳境に入ったワケでした。
地元から電話が来る [2016年08月26日(Fri)]

「これだよ、これ」
こうや、しゅんくん、えまと事務所で深夜まで議論を繰り返す。
10回20回の悶々として鬱々とした議論の末、光が差す議論が1回やってくる。
気仙沼の漁業の衰退の正体とは。日本の高度経済成長とは何だったのか。
本当に「昔はよかった」のか。どうしても今唐桑でもがく志を問うとそんなテーマに及ぶ。
「そうだよ。おれたちはこれだ」
がっと視野が広がる瞬間がたまにやってくる。ほんの少しずつ前に進んでいる。
あと少しだ。あと少しで何かが見えてきそうだ。見えるに決まってる。

暗いトンネルの中でそう言って前方をにらみつける。

---

地元・姫路の先輩から電話が来る。地元のまつりが危ない。
私の地区のヤッサ(屋台…関東でいう神輿の巨大なヤツ)が若者不足/担ぎ手不足でもう上がらないという。
「(毎年やばいねんけど)今年はホンマにやばいわ。地のもんの力が必要やねん…なんとか、まつりのときだけ帰ってこれへんか」

「播州の秋まつり」と言えば、自分のアイデンティティと言っても過言じゃない。
英賀の秋まつりが小さいころから本当に好きで好きで、小学生のころは太鼓の叩き手として担がれ(小5に宮入のブイサシに選抜されたのが乗り子のピーク。確か卒業文集にも書いたくらい。)、中学生からはヤッサのかぎ手として担いだ。大人になってからも時間が合えば帰って担いだ。(震災後も唐桑の兄ちゃんを同伴して参戦したりもした。)
中高一貫の私学に通った私にとって、この秋まつりは自分を「英賀の人間」たらしめた唯一のものだった。がらがらの声で「よぉぉやさぁぁ」と叫ぶことが、元来根なし草の自分の精一杯の根っこだった。
播州の熱はこの1年に1回の秋まつりに詰まっていて、それは日本中どこにも負けない「地元の誇り」でもある。
(日本で一番ガラが悪い自信がある、とか、デカさが違いすぎて関東の神輿がおもちゃに見える、とか、語り出したら止まらない。)

仕事が追いつかない。おどおどする心持の反動で、仲間への態度がねじれ曲がる。
家族との時間も最近不十分だ。
くんばんちゃんもまた入院する。みんないよいよ歳をとってきた。
「地域に自分ゴトを!」と虚しく叫びながら、地元のまつりの火が消えそうなのを傍観することしかできない。
いったい東北でなにをやってんねん、おれは。
家路につく。ただただ呆然として、ハンドルを握る力も沸かない。
久々に維新志士に逢った [2016年08月17日(Wed)]

最近、久々に維新志士に逢った。
「これが幕末だったら、たくまも刺されてるわな!」
かっかっかっと笑う。
東北弁の志士。東北にもいたんだ。眼が見開く。

「都会と地方をかきまぜる!と俺は寝言を言い続けてきたが、唐桑はそれを実現していた!
いやぁ…こりゃしつこくないとできないことだ。そのしぶとさの源はなんですかっ!」
嬉々として杯を仰ぐ男。

ひとつ上の先輩たちがつくった時代より「1cm上を目指す」ことが、今の時代に生きる我々の使命だと語る。
歴史とはそうやって紡がれる。
本気でそれを目指した人間がその功績を刻む。

「人間は(近代に入り)海は危ないもの、土は汚いものとして遠ざけた」
海を排除し、土を排除し、それで人はどうやって生きていくっていうんだ。そこに現代の「負」の根っこがあると言う。

「東北食べる通信」の高橋博之さん。この人には「思想」がある。
自分に足りないものだ。
「近代を生んだ『資本主義』も一種の文化あるいは宗教として1000年後の歴史家は位置づけると思うんです。拙い持論ですが。
だとすれば、高橋さんがやろうとしていることは…そうですねぇ…維新なんてもんじゃない。宗教改革のような壮大なことかもしれません」

「失われた20年」が指し示す先は、海と生き、土と生きるここ「イナカ」だ。

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お食い初め大作戦 [2016年08月15日(Mon)]

「親ばか記」第2弾。

妻の一言からはじまった。
「ねぇ、お食い初めの魚ね。(一般的に使われる)鯛を新鮮館に見に行ったらね、こんな大きいのしかなくてね。いいサイズのお祝い用の鯛がネットなら売ってるらしいんだけど」

ほう。最近、唐桑で地域経営だの地産地"食"だの謳っているのに、家の眼の前に海が広がってるのに、ネットで買うのもなぁ。

「なぬ。よし、父が魚を獲ってこようぞ」
(訳:父が魚を獲ってくる方にお願いしてきます)

こうして「お食い初め大作戦」が開始。
お食い初め(おくいぞめ)。生後100日の儀式で、赤飯、オカシラ付きの魚などなどお膳を準備して食べさせるマネをする。

---

数日後、とある小船の漁師さんに頼む。
「13日?揚げるよ〜。おめぇの頼みだもの。いいさ。5時にこぉ。」
交渉完了。

8月13日。久方ぶりの休日。
船外機にて小鯖5時出航。
根網(刺し網の種類)を揚げる。唐桑半島と大島に囲まれた内湾なので波は穏やか。
機械で網をぐりぐり揚げるのを横で見ているだけ。たまに海水をバケツで汲んで網にかける。
タナゴGET!ネウ(アイナメ)GET!
っしゃー!さっそく目的達成!
上機嫌。

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「次はカレイ網いくぞ」
へい。
御崎沖へ移動。半島の先っちょから離れていく。水平線が眼前に広がる。
内湾とは全然波が違う。大ぉぉきな波がゆぅぅっくり押し寄せる。ぐぐぐっと船体が持ち上がる。朝陽が強すぎて、酔いそうになる。
大海原にぽつんと一艘。なんだか寂しい。

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カレイ網(刺し網の種類)を揚げる。さっきよりだいぶ網の量があるらしい。
「生きてた!ほれ、入れろ!」生きたヒラメがかかってた場合、甕に移すのが私の役目。巨大ヒラメと格闘。
「魚の持ち方がシロウトだぁ」
へい!

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網にかかったまま死んでしまった魚はいくら鮮度がいいとは言え、10分の1ほどの値にしかならないそうだ。
だから家でおかずにするか、おすそ分け用になる。
死んだ魚には小さくて丸々としたエビのような虫がわらわらと群がっている。
「シムシっていうんだ、こいつぁ」
「"死蟲"ですか」
「漢字は分かんねぇけどシムシって語るんだ」
海水でキレイに洗い流す。
次は錆び切った鍋ぶたが網にかかっている。「5年前のものだ。震災直後は網揚げるのもおっかなかったなぁ」

チャイムが半島全体から鳴り響く。朝6時だ。
半島が唄っている。

網を揚げ終わると次は、網を繰る作業が始まる。その場で繰って、また海底に仕掛けて帰るのだ。
それがなんとも地味な作業で。しかも手伝えることがないと見た。
船のトモ(後部)にぐったりしゃがみこんで、座って粛々と作業をしている漁師の背中をぼーっと見ながら、世間話をする。
エンジンは切れている。ぐぐぐっと持ち上がる板子一枚の上に載った私と漁師。
7時を過ぎている。
「なぁ。何週間も漂流するっつーのは気が狂うだろうなぁ。陸(オカ)もなんも見えねぇでなぁ」
うぷ。酔ってきた。あくびも止まんねぇ。相づちが消え、頭ががくりとなる。

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撃沈した私を連れて内湾に戻った船。「ヒラメが生きてる内に一回、小鯖に戻るぞ」
(おぉ!)
ところが、小鯖に戻ったのはよかったが、洋上で海中に吊るしたばんじょう籠にヒラメを移すと、そそくさとそのまままた沖へ向かった。上陸なんてしません。
(Nooooo-!!)心の中で、岸壁に手を伸ばして叫ぶ。

こうして最後の根網を揚げる作業に入った。
が、さすが内湾。揺れが微量になるとたちまち体調は快復した。
「もう大丈夫なのか」
へい!
ここからは漁師さんと共同作業だった。揚げた網のアバの方をぐいぐい巻き取っていく役目。
途中、網に絡まった昆布やメカブの残骸をひとつひとつ取り払いながら揚げていく。結構大変な作業だ。
「これは全て養殖んヤツらが捨てたものだ。分かるか。こうやって、おれらの網にかかるんだ、全部」

再び小鯖に帰ってきたときには9時前になっていた。計4時間弱の船旅だった。
「船の上でな、つくってしまうんだ。その方が楽だからな」
船の上で、ざっざっと鱗をとって、さっとワタを取り出す。ヒラメは三枚におろす。手際がいい。早い。

「あるもの探し」はいつまでも続けなきゃなぁ、と痛感。まだまだ唐桑も知らないことだらけだ。
なんせ、オカシラ付きGETだぜ。

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---

つづいて「歯固めの石」。
午後、馬場の浜に行って、一人でちょうどいい石を見つけて2、3個拾う。ついでにポケストップになっているため、モンスターボールも2、3個拾う。
海水浴に来ている家族連れに怪しい目で見られる。見るな見るな。

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両家の親から頂いた食器に妻の手料理が飾られ、こうしてお食い初めの準備が整った。
これから唐桑の魚を食って丈夫に育つんだぞー
焼いたタナゴを箸でつついて、口元に持っていった。

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