原点回帰 その@唯一のリーダーシップとは [2015年01月30日(Fri)]
1月22日、早稲田大学にて
「ハンセン病でつながる若者と世界」合同シンポジウムが開催。 アジア各国のハンセン病快復村(コロニー)にてワークキャンプを実施してきた若者が集まってプレゼンをしていく。 中国・フィリピン・ベトナム・インド・日本。 あと、私。 会の途中、日本財団笹川陽平会長と座談会がある。 「笹川会長に聞きたいこと聞いちゃおう〜」という趣旨らしい。 あまり知られていないが、日本財団とハンセン病の縁は深く、笹川会長は世界保健機関(WHO)ハンセン病制圧大使として40年も現場を回りながら活動を続けている。 「はい、普段はダライラマ法王や各国首脳と会談するような方ですが、どうぞ皆さん緊張しないように」と茶化すのは、ファシリテーターの日本財団学生ボランティアセンター(Gakuvo)代表・西尾雄志。私の大学時代の恩師だ。 私の質問はこうだった。 「私は中国でのハンセン病快復村ワークキャンプの活動が原点にあり、今東北で活動をしています。 ハンセン病やワークキャンプに携わる若者が、今後大きな災害などの社会問題に立ち向かうリーダーとして羽ばたいていくことが期待されますうんぬんかんぬん… 会長にとってリーダーシップとはなんですか?」 会長曰く 「リーダーシップとは、先ほどから申していますとおり“リクスをとること”です。 今、しっかりリスクをとる政治家はいますか。 昔は責任者が腹を切ったんですから。 そういうリスクを背負ってリーダーは采配をしていた。 唯一のリーダーシップは、“リスクをとる”ことです」 なるほど。 会長は若者へのエールとして繰り返し述べる。 「今の若者はリスクをとらない。 『なんとかなる』んです。 今の日本で餓死しますか? 世界全体を考えると、今日本の安全な環境の方がむしろ異常なんです。 今の自分の立ち位置を世界レベルで捉えられる若者が必要なんです」 私も大学生相手によくくだを巻く。 「日本に生まれたこと、さらにその中でも大学に通わせてもらえる家庭に生まれたこと、今自由に学べる立場にあることは、世界の人口を考えた場合、奇跡的な確率やろ。 その奇跡的な確率に当たった自分たちが、世界を少しでもよくしようと考えることは何ら不思議ではなく、むしろ当然のことのようにも思えるんやけどなぁ…」 今の日本社会はリスクを排除し過ぎる社会だ。 その結果、何かが弱くなっているのかもしれない。 つづく |