馬場浜の開口日 [2013年06月11日(Tue)]
今回は、写真で見る「カゼの開口(ウニの漁解禁)」。
(前回の記事「春の写真その2」に簡単な説明は既述) けいすけ宅にて。けいすけとおばあちゃん。 「密漁禁止 開口時間厳守」と書かれた正義の旗。開口の日、時間は決まっている。 乱獲から海の資源を守るために必要なルールだ。 海底の獲物を獲る鉤(カギ)は数メートルに及ぶ。写真のものは、1本鉤なのでアワビ用。ウニは複数本の鉤で獲る。 そして、当日。 6月7日くもり。時間は朝7時。 5時代から海に繰り出した漁師たちは、7時の定刻(漁の終了時間)とともに一斉に浜に帰ってくる。エンジン全開の船外機(小船のこと)が飛ぶように湾に入ってくる。 湾内では、最後まで粘る船が。箱メガネを口でくわえ海中を覗き込み、長い長い鉤を海に突き刺す。船外機は大きく傾く。 あれで獲れるのだから、何度も見ても聞いても信じられない。いつか乗ってみたい。 そのうち、けいすけじいじ、けいすけばあば、かずみパパが乗った船も帰ってきた。 ここ馬場の浜では船外機を沖に停めておけないため、浜に上げなければならない。 「これがゆるくねぇんだ」と、けいすけじいじがこぼす。 木と竹を格子状に組んだものを船の下に敷き、砂浜へと引っぱりあげる。そして、ワイヤーのようなロープのような線を船のお尻に引っ掛けると 「おぉい!」 と声をかける。何か指示したようだ。 するとワイヤーが巻かれ始め、船がずるずると動き始める。 ワイヤーは浜の奥にあるほったて小屋の中につながっている。そこでおんちゃんが、自動巻き機(いま勝手に命名)を操作している。 ずるずる。ずるずる。 ある程度、陸(おか)に上がって定位置?につくと、また「おぉい!」と声をかける。すると船は止まる。 「巻いてくれ!」も「おぉい!」だし、「OK!ストップ!」も「おぉい!」。 ちなみに「まだだまだだ!一旦止めろ!」も「おぃおぉぉい!」。 これじゃなかなか操作する方も大変だなぁと同情。 「ちゃんとかせいでっとごろ(仕事してるところ)撮っておいて!」 と、おばあちゃん。けいすけばあばは、県の漁協の女性部のなんとか…要はベテランなのだ。 これが彼女にとっての武装モードだ。 いつもの穏やかなゆったりとした雰囲気と違って、20は若く見える。 今朝は万丈(ばんじょう)に2つ分。まあまあらしい。 割られたウニからは綺麗なオレンジのアレが見えている。 着色一切無しの本当のウニの色だ。 けいすけじいじとばあばの笑顔が、浜の夫婦のたくましさとすがすがしさを語る。 唐桑でウニをいただくと、もう市販のウニは食べられない。 |