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まるオフィスが生まれて3年が経ちました [2018年12月11日(Tue)]

まるオフィスが生まれて3年が経ちました



 唐桑半島の空き商店に事務所を開設したのがちょうど3年前。寒々とした空間の一角を空のショーケースでLの字に区切り、デスクの上には3人それぞれのノートパソコンが1台ずつあっただけで、このがらんとしたスペースが逆に自分たちののびしろを感じさせるのでした。想いだけは一丁前でしたが、頼みの綱は申請中の助成金一本、というあまりに不安定なスタートで、それでもわくわくしていたのは、とんでもなく当人たちが呑気で鈍感だったんだと思います。そしてその呑気さを生んだのは、まだ色濃く残っていた復興の追い風と地元のあたたかい目でした。


 漁師との「協育」事業を起点に、移住者を呼び込む事業、若者の人材育成…と事業領域は拡大し、3年経つころには仲間は8名になっていました。はた目から見れば順風満帆でしたが、助成金や委託金などどれも時限ある予算ばかりで、いわば復興&創生バブルのような状況です。2020年度で復興財源による助成金、委託金は切れます。そんな危機を目の前にしたこの3年目は、一度立ち止まって、私たちはどこを目指しているのか8人で設定し直した年でもありました。持続可能な「いなか」のロールモデルをつくりたい、そのためにまず気仙沼の「活動人口」を増やしたい。私たちが挑戦したいことです。


 全国から「いなか」が消滅した日本はどうなるのでしょう。標準化されたくらしを営むコンパクトシティが大都市周辺につくられ効率性を得る替わりに、里山里海のくらしの多様性は失われます。一方、AI革命はじめ不確実な未来がやってくる社会は、創造的で多様な協働ができる人材を求めはじめています。東京から離れて気仙沼でくらすうちに、多様な人材を社会に輩出するのは津々浦々の多様なくらしだと信じるようになった私たちは、持続可能な地方は持続可能な社会に直結すると考えるようになります。では消滅しないためには何が必要なんでしょうか。


 「僕は高校生のときあなたに出会って変わった。だから今度は僕が地元に帰って18歳の僕に出会いたい」そう言って気仙沼にUターンしてきた若者がいます。もう数年前の話ですが、彼のその言葉は今も私の励みになっています。きっかけを生んで、アクションが次のアクションに連鎖する仕組みをつくる。今、地域に必要なのは仕組み創造型のコーディネーターだと確信しました。まだまだ職業として成立していませんが、地域内外のプレーヤーや予算を組み合わせながら、持続可能な地域づくりに挑戦する仕掛人こそ、必要なのだと。


 まるオフィスが生まれて3年が経ちました。呑気な若造たちは、いろんな人に励まされながら少しずつ成長しています。「いいことをやってるが所詮それ止まりだ」という北風のような激励もあれば、「メシが食えない?しょうがないよ、最先端にいるってことだ」という太陽のような激励も受けます。そして、次の1年もみなさんの励ましを成長に変えながら、まるオフィスは歩いていきます。ここまで読んでくださり、ありがとうございました。これからも挑戦し続けることを誓って、筆をおきたいと思います。


2018年3月31日
一般社団法人まるオフィス
代表理事 加藤拓馬

(「マルクワ ANNUAL REPORT 2017」より)