下川社会教育センター

　ここで、いろいろな問いを立てて考えてみましょう。
　例えば、

　「学力とは何か？」
　「テストで測れる学力とは何か？」
　「テストをすることの意味は何か？」
　「学力を測ることと学力を向上させることの関係は？」

　というようなことです。
　冷静に考えてまず言えることは、「テストをすることによって直接学力が伸びるわけではない」ということです。

　・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）

　Ｙ子さん、コメントどうもありがとうございます。
　そうですね。確かに「国語の問題のような数学の問題」でしたね。そして国語の問題も、国語の問題じゃないような問題があったように思います。
受ける方としては、かなり負担に感じた子どもが大部分だったと思われます。
　一番大切なのは、「勉強しよう」という意欲を引き出すことのはずなのですが・・・。

　ここで、テストと学力について考えてみようと思います。
　・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）

　昨日は、全国学力テストがあったそうです。立場上、これに対する所感を述べておこうと思います。

　新聞に載っていた問題にざっと目を通した感想は、「出題者はいろいろ考えて問題を作ったのだろうなあ」ということです。様々な形式の問題がありましたが、それぞれに意図があっての出題だろうと思われます。
　しかし一方で、「大部分の子どもたちは戸惑っただろうなあ」とも思いました。はっきり言って、「難しい。まったく分からない」と感じた子どもがかなり多かったのではないでしょうか？

　・・・
　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）

　というわけで、学ぶということは必ずしも机に向かってすることではないと思います。
　特に、学力の基盤になる様々な知的能力は、生活体験を通してこそ培われるのではないのではないでしょうか？
　便利な生活は、生活体験を乏しく単調なものにしてしまう危険があるかもしれません。それは、人間の成長発達にとって決して好ましいものではないように思うのです。

　歩くということも大切だと思います。

　日常、自分の足で歩いていれば、
　「歩く早さが一定であれば、歩く距離は時間に比例する」
　というようなことはきっと経験的に習得できるでしょう。

　また、
　「20分歩いたら１．５ｋｍ進んだから、1時間歩けば４．５ｋｍだな」
　とか、
　「１０ｋｍを歩くには、時速５ｋｍだと2時間で着くな」
　などということも、自然に考えるようになると思います。

　アナログの時計とデジタルの時計を比べてみましょう。

　アナログの時計を眺めていたら、

　「1回転が60分だから、半分で30分、その半分で15分だなあ。ということは、45分は4分の３だなあ」
　とか、
　「20分は3分の１だなあ。40分は3分の２だなあ。80分はその2倍だから3分の４、つまり１と3分の1だなあ」
　とか、いろいろ考えますね。

　でも、デジタルの時計だったら、その時の時刻しか分かりませんね。

　というわけで、今の子どもが割合を苦手にしている原因の１つは、もしかするとデジタル化なのかもしれませんね。

　さらに・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）

　国立教育政策研究所が全国学力テスト４回分の結果を分析したら、小学６年の多くが算数の「割合」を理解できていないことが分かったそうです。
　割合が理解できなければ、中学校の「比例」「反比例」も理解が難しくなります。ということは、中学・高校の関数全部が分からなくなるということです。これは、教えている実感とも一致します。かなり問題だと思います。
　では、一体どうすればいいのでしょうか？
　・・・・・

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（つづく）