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≪大きく変わったガイドライン 2015≫医療従事者向けBLS [2015年10月20日(Tue)]
10月15日 ILCOR(国際蘇生連絡協議会)国際コンセンサス をはじめに AHA(アメリカ心臓協会) ERC(ヨーロッパ蘇生協議会) JRC(日本蘇生協議会) ガイドライン2015が発表されました。

さて、医療従事者向けBLSについて記載したいと思います。ここでは、市民向けBLSと共通部分を除き、ヘルスケアプロバーダー特有の事を記載いたします。

1、救命の連鎖
2、心停止の判断からBLSまで(成人)
3、心停止の判断からBLSまで(小児・乳児)

≪1、救命の連鎖≫

AHA(アメリカ心臓協会)ガイドラインでは、院内心停止についての救命の連鎖が新たに示されました。

監視及び予防
   ↓
認識および救急対応システムへの出動要請
   ↓
即時で質の高いCPR
   ↓
迅速な除細動
   ↓
ALSおよび心拍再開後の治療


監視及び予防が最初に入ってきました。心停止の兆候に気が付いて、心停止を起こさせないという観点です。ガイドライン2015で言うとファーストエイドプロバイダーが初めに行うべき、「事態を認識し、評価し、優先順位をつけること」(ファーストエイド記事参照)が、まさに心停止の予防といえるでしょう。
日本では、日本医療教授システム学会患者対応KIDUKIプロバーダーコース、AHAではPEARS(小児傷病者評価コース)などで学ぶことができ、私たちNPO法人JAEAのコースでも野外救命やAHAファーストエイドコースに取り入れています。

今後、この分野はより重要視されていくと考えられます。


≪2、心停止の判断からBLSまで(成人)≫

心停止の認識は、今回も日本とアメリカで見解が分かれました。

○ JRC(日本蘇生協議会)

  反応の確認
    ↓なし
  救急要請・AED要請
    ↓
  気道の確保
    ↓
  呼吸の観察(同時に頸動脈(乳児上腕動脈)拍動確認)10秒以内
    ↓ 呼吸がない 又は 死線期呼吸 あるいは 呼吸が正常に判断できない
  BLS開始

○ AHA(アメリカ心臓協会)

  反応の確認
    ↓なし
  携帯端末で救急対応システムに通報する(適切な場合)
    ↓
  呼吸の観察(同時に頸動脈(乳児上腕動脈)拍動確認)10秒以内
    ↓呼吸がない 又は 死線期呼吸(すなわち正常な呼吸でない)
  (救急システムへの通報)※下に詳細記載
    ↓
  BLS開始


以下、変更点をまとめます。

JRC(日本)

1、呼吸の観察の前に気道の確保が入りました。
  ガイドライン2010で原則として呼吸の確認の際気道の確保は行わない
  (熟練者であれば考慮しても良い)との表記から変更となりました。

2、呼吸の確認に「呼吸が正常に判断できない」が追記になりました(市民も同様)。
  「分からなければ胸を押せ」が適用されます。

AHA(アメリカ)

1、脈拍の確認が、呼吸の確認とひとまとまりとなりました。
  これは、日本のガイドライン2010と同じになったといえます。

2、緊急通報のタイミングに新しい概念が入ってきました。
  携帯や無線での通報です。反応がない傷病者に接触し、すぐに通報できるのであれば
  すぐに通報しましょうということのようです。
  しかし、ヘルスケアプロバイダーであれば
  「無反応の傷病者を発見した場合、救急対応システムへの完全な出動要請
  (又は応援要請)よりむしろ、引き続き呼吸と脈拍の同時評価を行うのが
   現実的である」


   とも書かれています。

  どういうことか、少し想像してみましょう。

  あなたはナースステーションに詰めていました。
  そこに新人ナースから
  「病棟○○号室××さんの意識・反応がありません。急いで応援お願いします」
  とだけ通報があったとします。
  
  困りませんか?必要機材や必要人員を推定することから始めなければいけません。
  新人ナースさんが、あとで怒られないことを祈るばかりです。

  緊急対応としては、すくなくとも心停止なのかそうでないのか、心停止でなければ
  最低限のバイタル情報は欲しいところです。

  ヘルスケアプロバイダーなのであれば少なくとも心停止かどうか確認してから通報
  したほうが全体の業務がスムーズです。
  それがガイドラインに書かれていると考えられます。

  しかしこの部分がAHAコースにどう反映されていくのかは未知数です。
  実際にコースが始まったら皆様にお伝えしたいと思います。


≪3、心停止の判断からBLSまで(小児・乳児)≫

小児に関して、ガイドライン2015でのポイントです。

JRC(日本)

・院内心停止の予防の強調
人工呼吸が重要であることの強調
 人工呼吸用デバイスの準備ができ次第、人工呼吸を開始する


AHA(アメリカ) 

・救助者1名でも携帯電話で通報しながらCPR実施することの記述あり
・上記理由により、アルゴリズムが2015より変更
救助者が1名でかつ、携帯電話等を持っていないかつ、
 突然倒れたところを見ていない場合、通報の前に2分間CPRを実施後通報に向かう

人工呼吸が重要であることの強調


いずれも、人工呼吸の重要性を示唆しています。それに加え、日本では早期の気道確保を勧告しています。
これは、2010から大きな変更点ではないでしょうか。2010では(ヨーロッパやオーストラリア等を除く)、教育の簡素化から人工呼吸を後にしてきました。心肺蘇生の実行率を上げるための措置です。
しかし、2015では(成人でも)人工呼吸の重要性が示されています。
これは、2005から続いている流れを大きく変えて来たといえます。

また、AHAは実際の現場に即した携帯端末の仕様に言及しています。
これに関してはあいまいな書き方も多いので、これから詰めていく内容ということでしょうか。




ここまで書いて、ガイドライン2010からの変更点は軽微なものと思えるかもしれません。
しかし、大きな概念の考え方が変わりました。

・実際の現場に即したガイドラインへの変革
・教育のしやすさから簡略化した内容の見直し
 (エビデンスにそった内容への変更)


つまり、コース内容も「講習のための」ものから「実際の現場に即した」ものへ変革していくことが期待できます。

NPO法人 JAEAでは、AHA BLSヘルスケアプロバイダーコース教材がそろい次第ガイドライン2015を開始したいと思います。
それまでは、補助教材を使いガイドライン2015をお伝えいたします。


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