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エコロッジ協会ブログ

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エコなお客様の接客・接遇

[2008年03月18日(Tue)]
知床羅臼町観光協会主催では、「今から本気で始めよう!知床 羅臼から 〜観光そしてエコ活動〜」と題して接客・接遇研修会を羅臼公民館にて開催されました。この研修会は講演会(第1部)とワークショップ(第2部)に分割し、エコロッジ協会は第1部の講演と2部のアドバイザーとしてご協力させて頂きました。



第1部: 
1)観光協会としての活動や方向性の説明 
2)地域で実際に行われているエコ活動の事例の紹介 
3)講演「エコなお客様の接客・接遇」

第2部: 
ワークショップ(知床羅臼の観光とエコ活動をひとつでも具体的に取り組むための町民参加による意見提起)



2007年1月には省エネ研修という形で羅臼町に行かせて頂きましたが、今回は宿泊施設運営者だけに限らず、一般市民の呼びかけを観光協会が手がけ約20名の参加がありました。今回は町内に住んでいるだけでは分かりにくい環境意識の高い観光客の動向やそのお客様を獲得するための接客術を取り上げた講演「エコなお客様の接客・接遇」を行い、その内容は以下の通りです。

1)なぜ今エコ接客・接遇なのか?:
自然・環境・観光ブームの到来と知床の世界遺産効果による一局集中「超満員」、「大渋滞」、これが一部サービス低下や環境負荷倍増を招いている。また、マスツーリズムに依存することによる経済効果の制限・流出、そして温暖化の深刻化について。

2)地球温暖化を防ぐのは身近な省エネから:
簡単な温暖化の仕組みの説明、北海道と全国における家庭用エネルギー消費原単位の推移の比較、北海道における発受電電力量の割合、北海道における冬季・夏季別機器別電力消費量 等全国レベルに比べて北海道は厳しい寒さによるエネルギー消費が著しく大きいことと、知床を訪れる観光客による二酸化炭素の排出は大きく、温暖化を助長している現状を説明。

3)増え続ける観光客:
2007年のWTOデータを引用し、海外旅行者数が飛躍的に伸びており、この傾向が続くと思われること。同時にエコな絶対観光客数も比例して増加していることを裏付けた。

4)増え続けるはずの観光客:
羅臼町とお隣の斜里町の観光客入込数(95-06年)及び日帰り客数を比較し、観光客数が遺産登録後も伸び悩んでいること、大多数が日帰り客であり、実際に経済効果が低いことを提示。この傾向が続く場合の対策として;
1)滞在日数の長期化による収益アップ:アクティビティーの多様化、四季、年齢、性別、運動能力に対応、訪日旅行者の受入強化
2)客単価を上げる工夫:サービスの質の向上、地産地消の徹底、富裕層へのアピール 等を提示。

5)エコ客がつくサービスとは?:
1)第一印象を大事にする 
2)印刷物・掲示板、水・お茶・自販機、トイレは要注意 
3)地域に貢献してもらう場の提供 
都市部在住に環境意識の高いお客様を受け入れるにはその人々がどういう点に注目しているか、第一印象はもちろん、使用している紙類や飲料、トイレまでの細かい点に気配りが必要だと説明。また地域に還元するための仕組み作りも地元で用意しておき、選択肢を増やすことを勧めた。

第2部のワークショップでは多彩多様なバックグラウンドを持つ町民が意見を出し合い、エコに関する現状把握、問題提起、利害関係者と対策について活発な議論がなされた。アドバイザーとして助言させて頂いた点は以下の通り。

1)清掃活動の運営管理:羅臼町内では平成19年度に年間14度の清掃活動が役場職員、商店、PTA、小中高の学校により行われているだけではなく、漁協も相当数の活動を行っていることが判明。ただ、各団体の横の繋がりはあまりなく、協働しどの清掃活動にも動員できるような仕組みが必要である。

2)ゴミの減量:夏場のコンポスト化は熊による害があるため、敬遠されてきたが、冬場は冬眠しているのでその心配がないこと。燃えるゴミは焼却されるのだが、特に生ゴミ等水分を多く含むものについては、外に出しておき、乾燥させてから処分することで、減量化だけでなく、焼却に必要なエネルギーの削減にもつながると説明。

その他、エコ以外の課題では観光客誘致のためのIT活用、利害関係者の結束助長、町ぐるみの観光客歓迎の統一感等について触れた。

観光協会長の挨拶でも言われたように、羅臼は超一流の自然を持っており、それを保護し、町民主導で持続可能性を追求・活用することが、羅臼らしさをもっと楽しませる観光形態の形成になると信じている。お客様の数を競う時代は終わり、クオリティーの高いサービスと世界遺産登録で周知されている最高レベルの自然を歴史深い漁業との共存を目的とし、観光という切り口で成功した暁には羅臼が再度活況に湧くのではないかと信じている。講演や助言内容全てを実践することは難しく、それよりもひとつひとつを町民が消化し、環境に配慮した観光を実践して頂きたい。ただ、満足度は決して提供している側で量るのではなく、あくまでもお客様が判断するということを忘れずにこれからも取り組んで頂きたい。この度は町民のエコ意識を高めるための研修会にお呼びいただきましてありがとうございました。(まサル


冬こそ羅臼の海へ行きましょう!


関連リンク

知床羅臼町観光協会
羅臼町

Posted by NPOエコロッジ協会 at 14:00 | セミナー(一般) | この記事のURL | コメント(1) | トラックバック(0)
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コメント
  
  今回の2部立てで開催いたしました、ご講演とワークショップ(参加型の研究会)は、観光協会としては初めての試みで、主催者側も参加者側も戸惑いがあったのですが、開催後ヒアリングに周ると、参加者には好評でした。

  講師をお呼びして「聞く講演」というのが従来のやり方でしたが、本気になって観光とエコ活動考え、開始していくという「教育」には地元民がまず「声を出して」いかなかればならない、その機会が講演だという目的と手段を明確にし、チャレンジしてみました。

  わが町特有のスピードと考え方、文化や生活があり、講師の方と地元との温度差が問題とされており、せっかく遠方から来ていただいたのにも関わらず、講演内容を踏まえて活動していく次のステップがなかなか地域に定着しなく、講演を聞いてモチベーションが上がるのは数日、その後は最初の志がいつの間にか終わっていく・・・

  以上のような地元が克服しなければならない課題をワークショップという形式に代えた、今回の高山先生のご講演を通じて地元から声が上がったのは

・町全体でやること
 →つまり、個々ではなく団体で大きな原動力
  として活動を行う必要があり、その呼びかけを町や観光協会などの機関に地元民は期待している

・最初のステップが大きくなくてもいい
 →初めて行うことには熱烈に燃えるが、継続させていくのが苦手で、ある意味お祭り気質のある羅臼町民には、大きなイベントのように新規であると続かないという今までの教訓があります
 よって気張って改革していくのは、まず重い足を一歩出しゆっくり地域が歩み始める絶妙なタイミングで次のステップへ乗せていこうと思います

主催者側として、今回の講演の中で出た「観光とエコ活動」を具体案として、4月23日の観光協会の総会で提言し、計画として実施いたします。

このような地域が動き出すわが町にとっては大切なファーストステップに、自らもワークショップへ参加していただいた高山先生に深く感謝申し上げます。
恐らく、高山先生にはどのくらい進捗したかという視察を含め、わが町ともっと深いお付き合いをさせていただけたらと希望しております。

「観光とエコ活動」へ動き出す
わが町を是非みていてください!!
Posted by:知床羅臼町観光協会 三浦  at 2008年04月05日(Sat) 09:40
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