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ずしりと重かったトロフィ [2006年11月19日(Sun)]


佐田岬ウォータージュニアさんのブログを見て、私もトロフィ報告をするのを忘れていたのを思い出しました。

これが個人ブログ賞のトロフィーです。

ずしりと重いトロフィ。

エコアパートが完成したら、どこかに埋め込みたいですね。
ストーンパワーと言うことで、屋根の上が良いかな?

このトロフィーを手にした施主のパパさんがポツリと一言。

「これで活きた金になったな」

退職金をまるごと突っ込んでの一大勝負だけに重みがありました。

なになに、これからですぞ(良いことも悪いことも)!
都知事が杉を切っとります [2006年11月18日(Sat)]
都知事が、背広で斧を振りかざしている記事が載っております。

首都圏では4人に1人が悩んでいるという花粉症(私もその一人です)の対策だそうです。

なんでも昨年、都知事が花粉症を召され、

「あんなもん、切っちまえ」

となって、予算がついたそうな。
地球温暖化や東京の森林の持続可能な経営のためなのか、ご自身の花粉症対策のためか、このへんはちょっと眉唾ですが・・・。

10年間で180万本の杉材が切られ、花粉の少ない新種の杉や広葉樹に植え替えられるようです。
伐採された杉は「多摩産材」として、学校の机や、ロッカー、住宅材として使われるとのこと。
一方で、大量に材木が流通することによる国内材の価格下落や、過度な伐採による森林の疲弊などを問題視する声や、花粉症は化学物質による複合汚染であるという意見もあるようです。

まったくアプローチは違うのですが、このプロジェクトでも、関東近隣の木材使用を検討しており、奇しくもタイミングが重なりました。

ブログで記事にしておいてなんですが、この記事との絡みはスルーしたいところです。
もし仮に「エコアパ」プロジェクトが「花粉症対策」として広がったとしても、そういう支持のされ方は、あんまりうれしくないなあ。ちょっと短絡的というか、自己中心的というか・・・。

50年たっても色あせない、本質的な考えに基づくプロジェクトでありたいものです。

都知事には

「杉を切るより、鼻うがいのほうが効果がありますよ」

と誰か進言してあげてください。
叶えたい夢は・・・ [2006年11月16日(Thu)]
CANPANブログ大賞2006でのパネルディスカッションでのこと。

コーディネーターの久米さんから

「ブログを通じて叶えたい夢は?できるだけ大きい夢を教えてください」

という問いがありました。

チャイルドケモハウスさん

「ブログで8億円集めたい。そのお金で小児がんの子どもたちとその家族が家のように過ごせる施設をつくりたい!」

ときっぱりと宣言し、会場はどよめくも、共感と賛同の嵐となりました。

続いて、佐多岬ウォータージュニアさん

「教育改革をしたい!」

とこれまた痛快な夢を披露していただきました。

「それじゃあ、エコアパート平田さんは?」

と久米さんに聞かれ、

「公共交通が発達すれば自動車が少なくなるので、駐車場の代わりに畑付きが賃貸アパートの標準になるような新しい市場を作りたい」

と、みなさんに負けじと大きく出て、みなさんにあたたかい拍手をいただいたものの、「叶えたい夢」なんて実はあまり考えていませんでした。

昨晩、布団に入りながら

「ふたりともとっても輝いていて、かっこよかったなぁ」

と思い、励まされたと同時に、

「私もこの機会に思い切り宣言してみたい」

という衝動に駆られ、昨晩改めて考えましたので、ここで平田が勝手に発表します。


このブログを通じて実現したいことは、大きな順から3点。

1、2050年にすべての住宅がエコ建築となり、この物件がそのスタンダードモデルのとなること

専門家の予測では2050年に地球の気温が1〜3度上昇し、世界のGDPが2割減少、1億人以上が住居地移動を余儀なくされると言われています。私達先進国の環境負荷を現在の1/8程度に抑えないと、不況・貧困・災害といった負の連鎖が加速し、私たちの社会自体が持続できなくなると予測する人もいます。経済と環境のバランスを考えつつも、かなり斬新な取り組みを、経済・政治・教育の中で実現しなければならないし、例えばアパートビジネスでそれができることを証明したいと思っています。
現在提供しようとしているエコ住宅は、建築木材の地産地消・リユース可能な躯体設計・食料の地産地消・エネルギーの自給など、あらゆるプロセスで環境負荷軽減と循環の視点が盛り込まれており、これが「当たり前」の社会にできるよう情報開示をしていきたいです。


2、「賃貸でエコ物件」という新しい市場を作ること

「家を自分で建てる時期ではないが、エコな暮らしがしたい」
「化学物質などの危険から子供を守りたい」
というニーズは確実にありますが、とくに都市部では「自分で家を建てるか」「田舎暮らしをするか」といった極端な選択肢しかなく、ニーズを受け止める市場がありません。しかし畑付き賃貸という発想は、ニーズを汲み取る新しい市場として「コロンブスの卵」的な存在になるかもしれません。この市場はまた「住まい手」という立場から公益性について意思表明する市場でもあり、環境教育(ESD)やCSRなどとリンクして相乗効果を発揮する可能性を秘めていると思います。


3、「エコアパ本」を出版して「私もやってみよう」と言う人を増やすこと

今回のプロジェクトは、建物のことだけにとどまらず、環境の話、コミュニティガーデンの話、パーマカルチャーの話など、背景に膨大なストーリーを抱えています。リアルタイムで壁を乗り越えていくブログも良いですが、エコアパートが完成したら、プロジェクトと背景の因果関係について、じっくりと手にとって読んでいただきたいという思いがあります(そのためにはもっとみなさんに「愛されるようなブログ」にしていかないとなあ)。


以上3点がこのプロジェクトおよびブログを通じて実現したい夢です。

はー、なんかスッキリしますね、こういうのは!

夢に手が届くよう、これからもがんばります。

追伸:

みなさんの叶えたい夢はなんですか?
ブログ大賞・個人賞受賞! [2006年11月15日(Wed)]

本ブログが、2006年CANPANブログ大賞2006・個人ブログ賞を受賞しました!

日本財団にて表彰式・パネルディスカッションが行われました。
ブログ大賞のチャイルドケモハウスさん、団体ブログ賞の佐田岬ウォータージュニアさんとともに喜びを分かち合いました。

みなさんの取り組みがたいへん励みになると同時に、審査委員および参加者の皆様からのあたたかい祝福をいただき、光栄です。
久米審査委員長のお話や、2ブログから、今後のブログ運営におけるヒントがたくさんありました。また、コメントやトラックバックなどを通じて、たくさんのブログとつながることは、カンパンブログ全体の相乗効果を上げていく上でも、有効に活用していくことが大切だと感じました。
それと、実際にお会いしてお話をするのは、ブログに対する愛着が何倍も出てきますね。
とても楽しいブログ祭りでした。

今後も、エコアパートプロジェクトの楽しく、また役立つ情報を提供してまいりたいと思います。
続々・井戸端グーグル 縁側という装置 [2006年11月14日(Tue)]
ビオフォルム 山田です。
もう何度もエコプチテラスにはお邪魔しているのですが、行くたびに来ているおばさん、おじさん達の「いいお顔」が拝見できて、こちらもちょっとほっとします。
多分、よいもわるいも健康的なおつきあい、というのができているからだろうなあ、ということは常々思っていました。

前々回のこの欄でコミュニティを主体としたエコビレッジとはなんぞや?という話題に触れましたが、どれだけ人と人が触れあえる、そしてそこに人間の関係性を築かせることができるか、がやはり当たり前のようでいて、実は大切なことなんですね。

地球のためのデザイン」というなかなか魅力的な本を書いたヴィクター・パパネックというアメリカのデザイナーがいます。
彼は著書の中で、公園をデザインするときのポイントとアイデアを披露しています。

それは公園の中に「コインランドリーをつくる」、と言っているのですね。
コインランドリーには必然的に人が集まる。だけど手持ちぶさただから、そこになんとなく人とのやりとりができる。そしてそこに掲示板を設置する。またコミュニケーションが増える。そのアップスパイラルが働き、ひとつのコミュニテイができあがった、という事例報告が紹介されていたと記憶しています。
日本のコインランドリーの寒々とした雰囲気からは想像もつきませんが、、、、

もう一つ。
コハウジング、という考え方が欧米では徐徐に浸透しつつあるようです。
これは各自の住宅部分は必要最小限にし、協同、共同でつかえるもの、例えば洗濯機だとか、事務スペースだとかは共有しながら使いましょう、という価値観をある程度同じにする人たちの一つの共生の住まい方です。
週に何回かは共同の食堂で「共食」をします。

現代社会のなかで失われた「顔の見える関係」というやつをなんとか取り戻そうという、必死の動きが現在模索されているのだと思います。

日本の昔ながらのそうしたお付き合いの場の一つに、井戸端にならんで「縁側」というやつがあります。
ここは室内環境のデザイン上有効なバッファーゾーンであり、そこで店を広げて作業をする働く場であり、ものを干す機能する場であり、そして人と接する絶妙な空間だったはずです。

今回のデザインの中ではなんとかそんな縁側的空間を模倣したいと考えています。

その空間が畑とのつながりの延長でうまく機能すればよいのですが、、、。
太陽熱の利用について [2006年11月14日(Tue)]

パッシブ・ソーラー
太陽熱を効率よく集める
集熱ガラスを屋根に設置


ビオフォルム 山田です。

さて、今回のお題は「太陽熱」です。
平田さんより今回導入予定の屋根面での太陽熱利用システムについてお話がありました。

太陽のエネルギーは我々の上に平等にふりそそいでいます。
どこでもあまねくエネルギーを受け取ることができるのです。

その活用方法の一つは太陽電池という装置をつかって、そのエネルギーを電気に変える方法。もう一つは太陽からの放射エネルギーをそのまま熱として使う、ということです。

我々の生活を見回してみると、エネルギー源が必ずしも電気でなければならないものは実はそう多くありません。
照明器具はどうしても電気が必要ですね。その他は?

電子レンジ?

これは「暖める」というエネルギーですから何か他の燃えるもので代用できます。冷蔵庫も最近は「非電化生活」で著名な藤村さんが開発した電気を使わない冷蔵庫があります。
調理や暖房などの「あたためる仕事」には多くの電気機器が使用されていますが、よく考えると熱が直接手にはいるならば、それをわざわざ電気に変換して「迂回」する必要はありません。
我々が必要としている暖房温度はせいぜい20数℃です。これにエアコンやホットカーペットなどの電気器具で高級な電気をつかうのはある意味「ぜいたく」なのです。

そこで太陽熱です。

夏の車のボンネットなどは目玉焼きができるぐらい、熱くなっています。冬でも太陽があたった面の熱を逃がさなければ、80℃ぐらいまで空気をあたためることができます。家の暖房に使うなら、この温度レベルで十分ではないでしょうか。
ここに暖房の仕組みの一部として太陽熱を使う意味があるのです。今回採用するシステムは屋根面を板金でつくり、その裏を流れる空気を暖めて、それを室内に取り込むものです。

しかし、太陽熱を使うときのポイントはもう一つあります。

太陽熱は必ずしも生活者が必要な寒いときに必ずしも照ってはいない、ということです。
雨や、曇りの日あるいは夜は寒いわけですが、その時にあたりまえですが、太陽は照っていない訳です。そのため、時間差があっても太陽熱を利用できるようにする。その工夫とは貯めておく、つまり「蓄熱」する、ということです。

太陽熱が採れるときにできるだけそれを貯めておく。今回のシステムでいえば、あたためた空気を床下に導いてあげて、基礎、あるいは建物そのものに蓄熱する、と言う方法をとります。重たい物質、というのは一般的に貯める熱量が大きいです。ですから貯める材料としてコンクリート基礎は都合がよいわけです。その他、昔ながらの土壁の家なども重量の大きい建物ですから、蓄熱するには有利です。

こうした非常に単純な仕組みを組み合わせながら自然のもっているポテンシャルを充分活用する。こうした建物のことを「パッシブソーラーハウス」といいます。
一体、このシステムでこのアパートのエネルギーのどれぐらいをまかなうことができるのか、それはキッチリと検証してみようと思います。

また、蓄熱する、ということでは空気をあたためるのではなく、直接建物を暖めてしまう方法もあります。こうした方法を「ダイレクトゲイン」といいますが、これは次回の講釈で。
太陽熱利用システム [2006年11月13日(Mon)]


太陽熱を効率よく集める
降り注ぐ太陽熱を床下の
コンクリートに蓄える。
シンプルだが確実な省エネアイテム

今回のプロジェクトでは、太陽光発電の代わりに、太陽熱利用システムを採用する計画だ。
山田さんから提案されたのは環境創機株式会社のソーラーシステム『そよ風』の活用だ。

このいぶし銀のシステムが、個人的にぐぐっときている。

太陽光で電気というエネルギーをつくるのではなく、太陽光をそのまま使って屋根とガラスの隙間の空気を28度以上に暖め、暖めた空気をダクトを通して床下蓄熱層に送り込むというきわめてシンプルなサブシステム。
例えるなら、冬に南窓から降り注ぐ太陽がぽかぽか陽気を床下をはじめ、部屋の中全体につくりだす、そんな感じだろうか?

太陽熱を確保できるのは、もちろん日中だけなので、冬暖房のメインシステムにはなりえないのだが、太陽光がしている間+数時間は暖房効果があるので省エネ効果は高い。
コンクリートに溜めた熱はゆっくりと放熱されるので、熱が伝わるタイムラグがあり、夜でも暖かいかもしれない(実際に使っていないので断言できないのですが・・・)。

冬に床が冷たくないだけで、どれだけ暖房費が節約でき、生活は快適になることか!

太陽光発電(ソーラーパネル)は、たしかに原発などに比べてはるかにクリーンなエネルギーだし、エネルギーの自給という意味での意義は大きいと思う。
がしかし一方で、パネル製作にかかるエネルギーや、パワーコンディショナーなど付随設備にかかるコストや取り付けコストと回収できるエネルギーのバランスの問題がある。(そもそもアパートビジネスの採算性を考えると、かけた費用分を賃料に上乗せするなどのバランスがあって、今回のプロジェクトの予算を超えてしまうということもあった。)

エントロピーの法則などを考えると、もっと地味で、シンプルに太陽熱を利用する仕組みがあればいいなあ、と思っていたところで、この仕組みである。

自然エネルギーのポテンシャルを最大限に活かすのが課題のひとつなので、ピッタリの仕組みではないだろうか?

加えてこのシステム、天井の暖まった空気を循環したり、夏場は放射冷却を利用して、涼しい空気を取り込むことができるなど、

「なるほどー」

と思わずうなってしまう。しかもシステムがシンプルなので費用が安い。

エコアパートにつけるよりも、よっぽど自分の家につけたいシステムだ。
続・井戸端グーグル:畑を「並べる」意味 [2006年11月09日(Thu)]

並んだ菜園
南側に並んだ菜園は、
お隣同士の交流を円滑にする


エコアパート設計案では、建物南面に4世帯の畑が一列に並んでいる。

しかも境界のフェンスをできるだけ低く、腰あたりに設定したいと考えている。
その結果、畑の片面、もしくは両面が、おとなりと接することになる。

実は、このような設置の仕方は、隣同士が近すぎて、揉め事が潜在的に起きやすい形になっている。
例えば、無農薬で野菜を栽培したいと思っている横で、農薬を撒かれてしまうと、風でとなりに影響が出てしまう。
または逆に無農薬で野菜を育てるために、アブラムシなどが大量に発生して、隣に迷惑をかける。
境目のフェンスぎりぎりまで農作物を育てて、隣の場所まで出てしまう、などなど。

このへんのことは、5年もコミュニティガーデンを運営しているので容易に想像できる。

それでも、畑は横一列に並べるのは何故か?

なぜなら、畑を

「食糧生産の場」「資源循環の場」「雨水循環の場」「気温上昇抑制の場」

として捉えるにとどまらず

「コミュニティ創造を演出する装置」

と位置づけているからだ。

接したとなりを気遣い、遠慮し、我慢し、分かち合い、仲良くすることが、良質なコミュニティを生むことをコミュニティガーデンで経験してきた。

隣人を疎む傾向が、個のプライバシーを保護する社会を生んだが、それは同時に犯罪など隣人の目が行き届かない死角をつくる社会でもあった。

「ひとはひとりでは生きていけない」

この根本的な真理を、私達の社会は見失っていたのではないだろうか?
ほどよくお互いが関わりあいながら、支えあう関係は、エネルギー効率の問題だけでなく、私たちの暮らしになくてはならないもだろう。

農薬を撒きすぎる人に

「こっちに農薬が飛ぶのでやめてください」

というのではなく、

「うちで木作酢を使ってるんですが、よかったら試してみませんか?」

と声をかけてみたり、

「アブラムシが大量発生して迷惑です」

というのではなく、

「アブラムシは植物を枯らせてしまうので、苗が小さいときに、ちょっと薬を撒くと成長がいいですよ」

といったような会話がはじまる可能性であるとも考えられるのではないか?

世の中、自分以外のことは無関心という雰囲気が漂い、なんとなくぎすぎすしてしまっている。
もっと、お互いをゆるし、会話を重ねながらやんわりとお互いを支えあうコミュニティができればと思っている。

そのためには畑のほかにも、成果を分かち合い、語り合うスペースも必要で、西側には共有のウッドデッキを設け、そこで農作業後にお茶を飲みながら、野菜作りの情報交換やミニ収穫祭が楽しめるようになっている。

当然利用規約などは、しっかりとしたものを作っておかないといけないのだが、あくまで畑を通じてやんわりしたご近所づきあいができる空間を創出したいものだ。
井戸端グーグル・続き [2006年11月06日(Mon)]

建物手前に設けたコモンスペース。
テラス、ビオトープ、スパイラルガーデンなど
地域の交流が出来るスペースを確保した


井戸端グーグルが機能するために、エコアパートを写真のように配置してみました。
建物西口(写真手前)に設置したのはコモンスペース(共有の庭)。
テラスのほか、ビオトープやハーブガーデンがあります。
アパートに出入りする際は、立地上かならずコモンスペース前を通るようになっていて、住まい手が顔をあわせやすい設計になっています。

「いってらっしゃい」
「お帰りなさい」

など、あいさつからはじまり、テラスでハーブティを飲んだり、生き物の観察をしたりと、コモンスペースを中心とした共有スペースをもち、菜園という個人スペースと連動することを可能にしています。

住宅にこういう入合地的なスペースがあると、コミュニティの距離を縮める効果があるのではと思っています。
井戸端グーグル [2006年11月03日(Fri)]
「ねえ、最近野菜が安くない?」
「そうそう、小松菜とか、白菜なんか特にね」
「へー、どこが安いの?」
「ほらそこの○○なんか特売やってるわよ」
「もっと安いのは△△だけど、あそこは品も悪いわよ」

コミュニティーガーデンのマダム達の会話。

(いま、野菜は安いの?ちょっと前はものすごく高かったのに?)

たまにしかスーパーに行かない私は、日々変わる価格変動に疎い。ネットで検索するも、なかなか情報にたどりつかない。
うーむ、畑の井戸端会議は、グーグル価格コムよりもよっぽど良質で生活に密着した情報検索システムのようです。彼女達が家政婦は見たの市原悦子さんに見えてくる。

コミュニティガーデンの運営で、必ず聞かれるのが

「野菜作りの専門家はいるのか?」

ですが、この質問は現場を知らない方に多いようです。
たしかに専門家がいる体験農園もプロ並みの収穫ができる魅力がありますが、コミュニティガーデンでは、上記の『井戸端グーグル』が問題を解決してくれるのです。

「ねえ、あなたのところのダイコンて、なんでそんなに大きいの?」
「あら、植える時期がポイントよ。盆過ぎから9月上旬に植えないと」
「でも暑いときに植えるとアブラムシが付きやすいのよ。去年はそれでダメだった」
「この本には、寒くても育つ種類が書いてあるから貸してあげる」
「来週、農家の○○さんのところへ行くんだけど、一緒にいって聞いてみようか?」
「(皆)じゃあみんあで行きましょうよ、オーッホッホッホ」

という具合だ。
ちなみに会話では参加者が「マダム限定」のように書いたが、実際には性別・年齢を問わず、もっている情報が共有される(年齢層が高いと「あれ」「ほれ」「それ」「どれ」といった言葉が多くなる)。

農業のプロになるわけでなければ、こういう情報交換で十分機能するし、それ以上のスキルについては、百人百様なので、ひとりの専門家では対処できないだろう。

コミュニティガーデンでは、ガーデン(菜園)についての専門知識よりも、コミュニティを円滑にするためのコミュニケーションや合意形成と、その場の方向性(ポリシー)が重要であり、ガーデンに必要な様々な「専門家」は、コミュニティネットワークを駆使してそのつど「借りてくる」ことができる。
唯一、借りてくることができないのが、『井戸端グーグル』なる円滑なコミュニティだ。

このコミュニティで交換される情報は、「おいしくて安い買い物をする」「病院などの情報」「まちで起こっていること」「ワイドショーのネタ」などにめっぽう強い。弱点は、すぐに暴走し、つねに脱線することですが、まあそれもよいでしょう。

この『井戸端グーグル』というソフト(?)を、エコアパートにインストールしたいわけだが、そのために重要なのが、畑の配置と、情報交換ができる心地よい居場所なわけです。
(続く)