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住まいは誰とつくるか? [2006年10月20日(金)]


山田さんとの打ち合わせは、月に数回の対面でのほか、メールでの細かいやり取りをしている。そのほかにも、NPOの関係でちょくちょく顔合わせをしながら情報交換をする。
今回は、3ヶ月かけてようやくできたラフ・デザイン案を元に、ポストイットで質問や検討事項の洗い出しをした。

アパート作りというと、素人はすぐに間取りを考えるが、始めの数ヶ月は、山田さんから間取りの話はまったくなし。
こっちはアパート作りの話=間取りの話と思っていて、間取りの話をしたいのに

「まあ、それはちょっと置いておきましょう」

とじらされるような感じがしたが、設計した後になってからやっぱり違ったとならないためには、またイメージが固まってしまい、自由な発想を阻害しないためにも、ラフデザインができる前のプロセスをとても大切にした進め方が印象的だった。

どんなイメージを持っているのか。このアパートを通じてどんなメッセージを発信したいのか。抱えている不安は。アパート経営や住まい手に対する考え方は。などなど、施主を交えて様々な話をしながら、輪郭を整えていく時間を十分にとった。

特に今回のテーマは「エコアパート」なので、環境の話や、自然エネルギーの活用の話、住まい手のライフスタイルや、地域との交流など、いわゆるコンセプトビルディングの話が中心となった。パーマカルチャーが専門の山田さんと、コミュニティガーデンが専門の私の間で交わされている話も、このブログで少しずつ紹介したいと思う。

でてきたラフ・デザインは非常に理にかなった設計となり、検討事項もさらに一歩・二歩上を目指す話になった。柔軟性と大胆さを併せ持ったプロのアドバイスがふんだんに盛り込まれていている。山田さんにはコミュニティガーデンのノウハウや、自然エネルギーの活用を建物のデザインに落とし込む「通訳」のような役割も果たしてもらっている。

建物をつくるパートナー選びはとても重要だ。
施主は家作りのプロではない。
家作りのプロを選び、プロの力が最大限に発揮できるような環境作りをすることが施主の主な仕事になる。

その前提として、どんな家作りをしたいのかという考えを持っておく必要がある。
それによって、パートナーとなる相手もかわってくるだろう。

家作りのパートナーは大きく分けて3者。

1、こだわり派は建築家

エコアパートプロジェクトはこのパターン。
国内材の活用、自然エネルギーの活用、シックハウス対策など細部へのこだわりを求めているので、環境デザインの専門建築家・山田さんをパートナーに選んだ。
建築家との家作りは、生活や家族へのこだわりがあり、敷地の条件や要望を汲み取ったデザインをしてくれる。設計・工事監理がかかるが、家族の生活設計や夢を汲み取って形にしてくれるし、工期管理なども施主の立場になってしてくれる。
建築家と設計管理契約を結び、施工業者と工事請負契約を結ぶので、設計期間分だけ長くかかることがある。
建築家との相性や、コミュニケーションが鍵になる。


2、作る過程を楽しみたい派は地域の工務店

2の工務店は、設計よりも施工が本業なので、設計はオーソドックスかもしれないが、工事の質にたいするこだわりが強い。直接工事をするので、比較的コスト安で意思疎通がしやすく、メンテナンスなどの連絡も取りやすい。工務店1社とのつきあいなので関係はシンプルだが、工期管理などはあまり得意でない場合もある。詳細な見積書をもらうこと、打ち合わせメモをもらうこと、現場でのコミュニケーションを大切にすることなどが鍵になる。


3、時間をかけずに平均点以上の家を望む派はメーカー

規格品だが、総合点が高い。監理もしっかかりしていて工期も短く、バリエーションも豊富。家作りにエネルギーを注ぐゆとりがなくても平均点以上の家が入手できる。営業経費、展示場経費なども含まれるので、コストはやや高い。
新建材の使用、シックハウス、環境配慮など、建物の本質的な部分へのこだわりや理念を持ち込みたい、今回のようなプロジェクトにはちょっとそぐわないが、バリアフリー住宅、環境配慮型住宅などもではじめている。見積もりは標準仕様が多く、展示場などで見るオプション使用にしたいと思うと、予算が大幅アップしてしまう。

誰が良いパートナーかは、住まい手がどんな暮らしを実現したいかによって変わってくるだろう。
家を「買う」のではなく、暮らしを「創る」という観点にたって、思いのこもった家を建てたいものだ。