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季節に敏感になる [2006年09月03日(Sun)]
さきほどとった緑のゴーヤ1本とバナナ2本、蜂蜜と牛乳でつくった

「ゴーヤジュース」

を風呂上りに飲んでいる。
新鮮なゴーヤは苦味が薄く、私の舌はまたひとつ新しい季節を記憶するのだろう。

採りきれなかったグリーンカーテンのゴーヤが山吹色になってはじけ、中から朱色の種が輝いている。

口に含むと甘い。

ゴーヤが熟すと黄色になるなんて、中の種が真っ赤になるなんて、そしてあの苦さの象徴のようなゴーヤが甘いなんて・・・。

身近な自然に驚くほどの不思議がある。そしてそれに感動する自分がある。
自然と私はリズムを奏でている。

おもむろにThink the Earth Projectが発行した『えこよみ』をひらいて見ると、今日は処暑の初日であり、宝暦暦では「稲穂実る」であり、立春から数えて二百十日の節目だそうな。

驚くのは、何気ない1日をあらわす言葉を、先人は無数に表現する言葉を持っていたということ。美しい言葉の数々は、美しい自然と、それを感じる感性と、受け入れる文化が作り出したもの。そう考えると、日本語にいっそうの愛着を感じる。

「GWを過ぎるとキウイの花がひらく」

「今年は雨が少なかったのできゅうりの出来が悪かった」

「去年の今頃はもっと暑くて、ダイコンの種まきがしんどかった」

季節と暮らしていると、きっとこんな言葉がでてくるのだろう。
そんなとき私たちは繊細になり、謙虚になり、敏感になる。

そんな暮らしを私は豊かであると感じるし、生活の中でたとえ一瞬であっても感じるシーンを創りたいと思う。
「ドラえもん的宣伝」と「林家三平的宣伝」 [2006年09月03日(Sun)]
住まいとはそもそも、そこでその住まい手が自分たちの住まい方とその価値観を実現する場です。

「私はこんな暮らしがしたいからこんな家がほしい」

というのが筋です。
ですから、その価値観に照らし合わせて、それが実現できる度合いによって、それが本当に安いか高いかが決まるのだと思うのです。


山田さんのおっしゃるとおり。
現代の生活に一番欠けているのは
「こんな暮らしがしたい」
という価値観を存分に膨らませる生活環境かもしれません。

「給料から計算するとローンはこれくらいで、家にかけられるコストはこれくらい」

「通勤時間を考えると場所はこのへん」

というように、暮らしのイメージよりも前に、仕事や自分の許容範囲から考えてしまうわけで、結果価格重視となってしまうわけですね。それもひとつの家を世代にまたがって使うのではなく、一世代一住宅となるのですから、経済的負担ははかりしれません。欧米のようなストック型住宅のような環境、たとえば二世帯住宅のような環境があれば、そこを拠点に生活設計を考えるかもしれませんが、フロー型住宅であるなら子供や孫とともに暮らす将来の生活環境まで設計するなど現実的にはありえないでしょう。

田舎暮らし系の番組が数多く放送されているところを見ると、テレビがそのギャップを埋めているということでしょうか?それとも団塊マネー対策?

テレビといえば、最近の大手メーカーのCMをみると、エコ的なイメージを打ち出した宣伝が多い気がします。

住まい手の環境問題への関心の高さが伺えますね。


しかし、それが本当に環境への配慮になっているかと言えば、まだ宣伝が先行しているように思います。技術自体はずいぶん前から確立されているわけですから、その活用は住まい手の意識と比例するので仕方ないかもしれません。

NPO法人気候ネットワークが書いたレポートにもあるように、オール電化がどの程度環境にやさしく、経済的なのかについて、整理がされていないまま、導入が先行しているケースもあるようです。

それは企業がもつ宣伝力が、住まい手のニーズを的確につかんでいるからともいえますが、企業が営利と環境とのバランスを失いやすい組織であることもまた、過去の歴史が証明しているわけです。

それにしてもCMや住宅展示場など宣伝力のすごさは感心するばかりで、見ているとなんでも問題を解決してくれるドラえもんのように見えてしまいます。

のび太君が

「ねえ、ドラえもん、環境問題が深刻なんだって、なんとかしてよー」

というと、ドラえもんが四次元ポケットをがさごそして

「エコキュート♪(ドラえもん調)」

「オール電化♪(ドラえもん調)」

「外断熱♪(ドラえもん調)」

と言って解決してくれる、そんな感じに見えます。
まあ、そんな簡単にいかないが、アニメと違うところなんですが・・・。

例えばエコキュートの床暖房についても、使い方によっては必ずしも経済的&エコにならない場合もあるようです。
料金設定のからくりがあったり、夜間のエネルギーをつかうには原子力発電の増加が前提だったり、電気使用量ベースでいうと増加するデータが出ていたり・・・。
それら細かい点をすべてふっとばしてしまう力が、ドラえもん的宣伝力にはあるわけです。

一方で今回のプロジェクトで採用を検討している集熱ガラスのようなパッシブなシステムを活用する場合、それだけですべて解決というわけにはいきません。
当然太陽が出ている時間しか熱は作れませんし、いつでも都合よくというわけにいかない。
確かに環境への負荷を考慮し、かつ自然エネルギーを最大限に活用した「かしこい技術」ですが、それを大々的に「あったか床暖房」というわけにいかないので

「床が『冷たくない』程度でゆかった(良かった)、どうもすみません!(林家三平調)」

というような感じになり、インパクト的に弱いんですね。

これをドラえもん的宣伝と比較して、林家三平的宣伝と名付けてみました(先日の番組よかったので思いつきました笑)。

林家三平的宣伝は、理由をちゃんと聞かないといけないという面倒くささがあります。
正直、地味な技術の積み重ね。

「せっかく屋根の上にガラス板乗せたのに冷たくない床ってどういうことよ、どうせなら暖かい床にしてよ」

というニーズは施主にも住まい手にもあるでしょうしね。仕組みがもたらす効果が渋すぎて、理解するのが難しい。雨水の利用や、庇(ひさし)なんかも同様です。

けれども、今「省エネ」といわれている部分に実効性をもたせるには、いかに自然エネルギーを効率的に使うことで、エネルギー消費を抑えるかが問題であって、集熱システムはその「抑える」という部分にはうってつけの技術だと思うんです。
しかしそれが理解されるには「補助的エネルギーシステム」としての発想を理解するのが前提になります。

「冬は厚手の靴下を履きましょう、夏は汗をかきながらうちわを仰ぎましょう。それが自然なんですから」

という当たり前のことを受け止めた上での「知恵」や「技術」でないと、省エネなど実現できるわけありません。
そういった自然の摂理を受け入れず、夏も冬も同じ温度・同じ湿度でかつ環境にも良いという幻想を抱くから、それを実現しようとするドラえもんがでてくるわけです。

風通しの良い間取りにしたところで、それがクーラーと同等の冷却効果を出すかと言われれば

「風が通ってクーラー(こりゃ)いいわ、どうもすみません!(三平調)」

3坪の畑を各部屋につけたことで、完全な自給自足が実現するのかと言われれば

「畑で取れた今晩のおかずはエッコ(1個)分だけ、どうもすみません!(三平調)」

となるわけです。

そこに大手メーカーが

「エコキュート♪(ドラえもん調)」

というと、

「なんかそっちのほうがよっぽどエコかなあ?」

みたいな感じに大多数の方はなってしまうわけですね、ドラえもんの勝ち(笑)。


ただ、ここでおもしろいのは、じゃあドラえもんと林家三平どっちが面白いかと言うと、これまた難しいわけです。
個性の違いはありますが、甲乙つけがたい人気者。

つまり、大手には大手のやり方があるように、注文住宅には注文住宅のやり方があって、戦略次第では、まったく違う土俵で勝負できるわけです。

今回のテーマは、家を消費財と考えるのではなく、地域を関係ないものと考えるのではなく、暮らしを大切にし、その延長線上に地球環境への配慮という「住まい方を大切にする」という考え方があります。そういったきめ細やかさは、ひとつひとつていねいなプロセスを経て生まれてくるでしょう。

ていねいに渋い技術を積み重ねていることに価値を感じてくれる「コアな住まい手」だっているはずです。
ありがたいことに、住まい手のニーズは多様化し、しかも環境への意識が高まっているわけですから、大手が手を出せない小さな市場はあるわけです。

問題はいかに宣伝力がない私たちが、小さな市場を捕まえるか。

例えば、ブログでこのように建築プロセスを公開し、住まい手が意味や価値を理解してもらえるような方法もあるでしょう。
施主・設計士・施工業者が蜜にコミュニケーションするプロセスを紹介するなど、うまくいけばニッチな産業になるわけです。

もしニッチな産業が育てば、そこに大手が入ってくるといった好循環が生まれて競争が激しくなるわけですが、それはより住まい手によい物件が提供され、われわれの目的も達成されるわけですね。

地道な技術を積み重ね、掛け値なしの家造りでど真ん中勝負したいものです。

「環境にやさしくて、どうもすみません!(林家三平調)」

エコアパートができたら、大森工務店さんにエコ漫談をやってもらいましょう。
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