CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

<< 2017年10月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
最新コメント
沢田登志子
ネット初心者 (11/09) 久米 信行
ネット初心者 (11/07) ななな
広告メール規制省令案パブコメ開始 (09/06) kanata
久しぶりのオークション (07/27) 事務局G
確定申告はお早めに (03/12) しゅう
確定申告はお早めに (03/11) 国際担当T
鬼のパンツ・・・?! (01/30) Sora
鬼のパンツ・・・?! (01/26) 沢田登志子
EC業界2008年年頭所感 (01/25) 国際担当T
アックゼロヨンアワード (01/09)
最新トラックバック
クレジットカードのセキュリティ対策(続きです) [2016年06月01日(Wed)]
前回の記事に関し、ギョーカイの方々から様々なインプットをいただきました。ありがとうございます!5/26に、報告書(追補版)がほぼセットされました(最終版はまだ公表されていないようですが)。

その前にネットショップさん数社から、モール店舗ではなく本店(自社ドメイン店)の事情についてお話を聞いてみました(飲み会のついでにちょこっとでしたが)。不正使用対策については、3Dセキュアにしろセキュリティコードにしろ、やはり買い物かご(ショッピングカート)システムの仕様に左右されるとのことでした。

ショッピングカートASPでは、関連会社や提携先を通じて決済代行機能も提供していることが多いようで、怪しいカード情報を検知すると、加盟店にアラートを出してくれるそうです。なので、今回の対策強化は、モールと同様、カートASP事業者に協力を求める必要があると思います。逆に言えば、そこで十分な協力が得られるのであれば、モールやASPを利用する零細加盟店に対し、直接、義務を課す必要はないのかも知れません。扱っている商材が物流を伴わないデジタルコンテンツや換金性の高い商品の場合は狙われやすいですが、単価の安い加工食品等であれば、不正カードの被害に遭うリスクは限りなく低いということも、考えに入れておく必要がありそうです。(・・・ということを、小委員会で発言してきました。)

今度の法改正では、決済代行会社(PSP)の登録制が導入されます(任意ですが)。カートASPの提供する決済代行機能がその定義に当てはまるのかどうか、まだよくわかりません。カートASPに対し「協力を求める」のか「割販法の規制を直接適用する」のかは大きな違いです。ショップ側からは「カート=決済」と見えているように感じ受けますが、サービスとしてどの程度一体化しているのか、会社によって様々なのかも知れませんが、実情をお聞きしてみたいです。

一方、カード番号の管理については、私がお聞きした限りでは自社で「保有」している例はなく、ネットショップは「非保持」については全く違和感がないことを改めて確認できました。ただ、今年2月にクレジット取引セキュリティ対策協議会がまとめた「クレジットカード取引におけるセキュリティ対策の強化に向けた実行計画」では、カード情報がショップのサーバーを通過しない「非通過型」だけを「非保持」と認め、「通過型」にはやはり漏洩のリスクがある、とされています。

「通過型」という形態が許容されてきたのも「カゴ落ち」への配慮とのことです。実態としては、まだ「通過型」のものが多いのでしょうか(この点をショップさんに確認するのを忘れました)。だとしたら、消費者の認識不足がセキュリティ対策の足を引っ張ることにならないよう、意識向上が欠かせないですね。小委員会では、その役割も政府に期待する声が上がっていましたが、むしろ消費者団体に頑張って欲しいところです。

零細ショップの事情はこのような感じですが、番号情報管理についても不正使用対策についても、一番問題になりそうなのは、ASPなどを使わずに自社で独自のEコマースシステムを作っている(かつ日々まとまった量のデータが行き交う)中堅どころではないかという気がします。
Posted by 沢田 登志子 at 10:46 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
クレジットカードのセキュリティ対策が義務化されます [2016年05月18日(Wed)]
クレジット取引等について規律する割賦販売法という法律があります。信販会社やクレジットカード会社が規制の対象なので、ネットショップとしては、特定商取引法とは異なり、自社でクレジット(分割払い)を提供しない限り、これまではあまり気にしなくて良い法律でした。

現在、経済産業省において、この割販法を改正する検討が進んでいます。2015年7月に公表された報告書では、加盟店契約をするカード会社や決済代行会社に登録制を導入すると記載され、法改正が決まっていますが、今年はそれに加え、「クレジットカードのセキュリティ対策を法的義務とする」検討が行われています。

クレジットカードのセキュリティに責任を有するのは、カード会社や決済代行会社ばかりではありません。今般の義務づけは、カード情報を扱う(カード加盟店となる)すべての事業者が対象です。ネットショップを運営する皆さんも、今後は十分に意識していただく必要があるのです。

ここでいうクレジットカードのセキュリティ対策とは何か。2つあります。

1つは言うまでもなく「安全管理措置」。顧客のカード番号を自社で保有している場合は、外部からの攻撃等によって番号情報を漏洩させないための技術的安全管理措置や、従業者の監督などの組織的安全管理措置を採ることが義務付けられます。繰り返される(加盟店からの)大規模な情報漏洩事件を受け、個人情報保護法とは別に、「クレジット取引の健全な発達」を目的の一つとする割販法としても、対応する必要に迫られたものです。(クレジットカード番号は、単体では個人情報に該当しないというのがクレジット業界の理解(主張)です。)

現行の割販法にも全く規定がない訳ではなく、カード会社に対して、「加盟店等に対する必要な指導その他の措置を講じること」が義務付けられています(法第35条の16第4項)。今回は、カード会社を通じた間接的な規制ではなく、加盟店等(現行法では「クレジット番号等保有業者」)に対して直接規制をかける方向で改正がされるのです。5/26開催の産業構造審議会商務流通情報分科会割賦販売小委員会において、基本的考え方が取りまとめられる予定です。

個々の加盟店、とりわけ中規模のネットショップなどに対し、どの程度の義務が課されるか、罰則はどうなるのか等については、この報告書で詳細が定められる訳ではなく、今後、経産省内で検討されることになります。ただ、大きな方向性として、特定の技術や手法(例えばPCIDSS)の採用を一律に要求するのではなく、「各事業者におけるリスクに応じて」求められる措置が変わってくる、という考え方が採られています。自力で安全に管理することが難しい中小零細のネットショップにとっては、「カード番号を一切持たない」というのが唯一最良の対応と言えると思います。

セキュリティ対策のもう1つの柱は、「不正使用防止策」です。サーバへの攻撃がどんどん先鋭化している現在、情報漏洩を完全に防止するのは不可能としても、漏洩したカード情報が不正に使用されようとする場面で対策が採られていれば、リスクが顕在化するのを避けられるという考え方ですね。購入者が対面でカードを提示するリアル店舗においては、決済端末をIC化対応することにより、偽造カードを検知し、不正使用による被害を避けることができます。カード自体のIC化はかなり進んだ(現在7割程度)そうですが、加盟店側の端末の対応が他国に比べて大幅に遅れているので、世界中の偽造カードが日本に来て暴れまくることになるのではないかと恐れられています。

では、オンラインでのカード決済はどうか。現状、不正なカード番号がオーソリを通り、商品発送(サービス提供)後にチャージバックされる、いわゆる「なりすまし」リスクは、3Dセキュアを導入していない限り、カード会社(アクワイヤラー)ではなく加盟店が負っているとお聞きしています。なので加盟店側としては、セキュリティコードを入力させたりブラック情報を共有したり、行動パターン分析から注文主に電話するといった地道な対応まで含め、不正使用の被害に遭わないよう様々な工夫を行っていると思います。今回の改正では、その「工夫」の部分を義務化することが検討されているのです。

と言っても、こちらも例えば「3Dセキュアを義務づける」と言った形ではなく、「各事業者におけるリスクに応じて」措置を求めるという考え方を採るので、個々のショップが具体的に何を(どの程度)しなければならないのか、現段階では想像がつきません。何かしなければならないのは、ショップではなく、決済の仕組みを提供する、モールや決済代行会社、ショッピングカートASPなのかもしれません。

セキュリティは本当に大事なことで、普段、消費者の自己責任とすべきことを事業者に転嫁するような規制には抵抗している私も、本件、特に番号情報の安全管理に関しては、オンライン取引全体の崩壊を避けるために、規制やむなしと思っています。本人確認の強化も基本的には賛成です。中小企業への配慮にも言及されており、その点は安心しているのですが、ただ、割販法で加盟店を直接縛るのは初めてのことなので、規制の客体となるネットショップに隅々までちゃんと理解されて混乱なく目的が実現されるのか?という点に、少し不安を感じています(杞憂かもしれませんが)。本件の検討の場には、ネットショップの実務を熟知している人は参加していないので、規制が導入された際、現場にどのような影響が出てくるのか、私を含め、誰も想像しきれていないのです。規制の効果という観点では、技術的な意味でのセキュリティ専門家の視点も十分ではないように思います。

そこで、特に加盟店の立場の方々にこの話を知っていただき、予想される(加盟店にとっての)マイナス面やそれを最小化する方策についてインプットをいただきたく、私が把握する限りの内容をご紹介してみました。十分に説明しきれていないところが多々ありますので、疑問点や感想その他何でも、メールやFBメッセージをいただけると嬉しいです。可能な限り、5/26の小委員会やその後の議論に反映させたいと思います。よろしくお願いいたします。
Posted by 沢田 登志子 at 21:12 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
消費者契約法見直しに関する説明会(事業者向け)のご案内 [2015年08月18日(Tue)]
消費者委員会消費者契約法専門調査会で検討されていた消費者契約法の見直しについて、8月11日、中間取りまとめが公表されました。これまでの検討経緯につきましては、消費者委員会消費者契約法専門調査会のウェブページにてご確認ください。

今回の見直しでは、不当勧誘に対する取消権の拡大(対象範囲拡大及び要件緩和)や不当条項リストの追加など、B to Cビジネスを行う全ての業種・業態に大きな影響を与え得る内容が提案されています。

インターネット関連事業者を中心に構成する「消費者法制の見直しに関する研究会」では、特に不当勧誘の規律がインターネット通販の商品説明に及ぶことを重大な問題と捉え、同専門調査会の議論を注視し、意見書の提出を行って参りました 。

第12回専門調査会(古閑委員提出資料

第15回専門調査会(古閑委員提出資料)

不当勧誘の対象拡大の規定ぶり次第では、通販にとどまらず、あらゆる「表示や広告」が広く含まれてしまう可能性があります。そうなると、重要事項に関し事実と異なることが書かれていた場合に加え、消費者にとって不利益な事実が当該「表示や広告」に記載されていなかった結果、消費者に誤認が生じて契約に至った場合には、消費者に取消権が発生し得ることになります。 

また、不当条項リストの拡充によって、現在、一般的に使用されている条項が無効と推定されてしまう恐れがあります。

最終取りまとめ及び消費者庁による法案作成までにはあまり時間がありません。上記以外の論点を含め、本件について、できるだけ多くの業種・業態のみなさまに知っていただきたく、下記のとおり説明会を企画いたしました。

当日は、消費者委員会事務局の担当官から中間取りまとめの内容についてご説明いただき、その後、会場の皆様から、ご質問やご意見をお出しいただければと考えております。

今回ご説明いただくのは、あくまで中間取りまとめの内容・背景やこれまでの議論経緯であり、今後の検討は、再び専門調査会での議論に委ねられることとなりますが、ここでお出しいただいたご意見、特に事業者実務への具体的影響につきましては、今後の議論の参考としていただけるものと考えております。

急なご案内ではございますが、奮ってご参加くださいますよう、お願い申し上げます。
 
              記

1. 日時   2015年9月10日(木)13:00〜16:30

2. 主催   消費者法制の見直しに関する研究会

3. 会場   パナソニック東京汐留ビル会議室
          (4F受付にお越しください)

4. プログラム
   13:00-14:00 中間取りまとめのご説明:
         消費者委員会事務局参事官補佐 増田朋記様
   14:15-16:30 中間取りまとめに関する質疑応答

5. 参加費  無料

6. 申込み  
フォームよりお願いします。

→会場の定員に達したため、受付を終了させていただきました(2015/08/30)


*お申込み後に送られる参加承認メールをご確認ください。
*一団体・一社から複数お申込みの場合、参加人数を制限させていただく可能性がございます。
*会場の定員に達し次第、締め切らせていただきます。
   
【お問い合わせはこちらへ】
   一般社団法人ECネットワーク 沢田登志子
   sawada@ecnetwork.jp
Posted by 沢田 登志子 at 10:10 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
「準則」2014改訂:デジタルコンテンツと未成年者の意思表示 [2014年11月05日(Wed)]
10月31日(金)、三菱UFJニコスとの共催シリーズ第3弾として、8月に改訂版が公表された「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」をテーマに、セミナーを開催しました。準則はECネットワークセミナーで何度も取り上げていますが、今回は初めて参加される方も多かったので、まず、経済産業省情報経済課のご担当者から、公表資料に基づき「準則とは何か」という説明をしていただきました。

そして本題。2年にわたり検討WGの全体主査を務めていただいた稲益みつこ弁護士から、2014年の改訂内容についてご紹介いただきました。今回改訂では、「消費者の操作ミスによる錯誤」の修正と「未成年者による意思表示」の修正に加え、これまであまり取り上げられていなかったデジタルコンテンツに関する論点が新設されました。

「消費者の操作ミスによる錯誤」は、いわゆる「最終確認画面」の問題です。近年、スマートフォンでの購入なども想定して様々な確認方法が出現しているため、どのようなものであれば電子消費者契約法3条に定める「確認を求める措置」とみなすことができるかにつき、考え方を整理したものです。

新設されたデジタルコンテンツの論点は、1)コンテンツと著作権法に関する基本的な事項、2)利用契約終了後のデジタルコンテンツの利用、3)電子出版物の再配信、4)オンラインゲームにおけるゲーム内アイテムに関する権利関係 の4つです。1)2)は一般論で、3)4)はそれぞれ個別のデジタルコンテンツ提供サービスに焦点を当てています。

これらについて、稲益先生から、手際よく&わかりやすくご説明いただきました。ここでは項目だけで恐縮ですが、詳細は、準則本文で是非ご確認ください。

続いて「未成年者の意思表示」です。今回この論点の修正を担当された高木篤夫弁護士から、改訂の趣旨、背景、内容について詳しくご説明いただきました。問題意識は、言うまでもなく、未成年がオンラインゲームで高額利用という昨今のトラブルへの対応です。未成年者取消を申し出ると、ゲーム会社から、「準則に従って年齢確認画面を設けている。年齢を偽って購入すれば詐術(なので取消には応じない)」と言われてしまうのですね。

従って今回の改訂は、現在記載されている「詐術に当たる可能性のある例」をどうするか(削除するか、より限定した記述にするか)が大きな議論になりましたが、最終的には、「事例はあくまで判断の方向性と可能性を示したものであり、実際に詐術に当たるかどうかは個別具体的に判断される」という脚注を追加し、考慮要素を挙げるにとどまりました。この論点に対しては、パブリックコメントでも多くの意見が寄せられたそうです。

高木先生からは、そもそも民法の未成年者保護規定の目的は?詐術を用いたと言えるための要件は?学説の動向は?参照できる判例は?と様々な側面から解説いただき、参加くださった方々に、基本的な考え方をお伝えすることができたのではないかと思います。

もう1点、今回の改訂では、幼児が親のスマホで遊んでいて購入ボタンを押してしまうケースに対応し、意思無能力についての記述が追加されました。会場ではご披露できませんでしたが、高木先生がご紹介したかった動画をこちらでご覧ください。
Click, Baby Click!

さて質問タイム。フロアからは、具体的事例とともに、「この問題をドラスティックに解決するには、電子消費者契約法のように主観要件を客観要件に置き換える特別法、もしくは米国法のように割り切って消費者負担に上限を設ける、といった立法的解決が求められる&準則もそこに向けてもう一歩踏み込むべき」というご意見が述べられました。

一方、事業者サイドからは、「韓国のように民間が使える個人認証の仕組みが日本にもあれば・・・」という話とともに、「子供が親のカードを盗み出して使ってしまうことに対し、家庭でもっと叱って欲しい!」という切実な声が挙がりました。

最後に共催先の三菱UFJニコスから、「利便性とセキュリティは通常相反するが、Apple Payなど指紋認証を組み入れた新しい決済手段にも期待したい」と前向きな締めくくりをいただき、セミナーは無事終了です。

講師の先生方、ご参加くださった皆様、事務方関係者の皆様、どうもありがとうございました!
Posted by 沢田 登志子 at 08:20 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
不動産購入時の重要事項説明をネットで [2014年05月08日(Thu)]
4月24日、国土交通省で「ITを活用した重要事項説明等のあり方に係る検討会」が始まりました。

重要事項説明というのは、おうちを購入したり借りたりする際、契約の前に不動産屋さんから長々と説明を受けてハンコを押すアレです。宅地建物取引業法35条で「宅地建物取引主任者が説明すること」と義務づけられています。主任者証を提示したりするので、これまでは当然のように「対面で行う」という解釈・運用でしたが、インターネット経由でも良いことにしよう、というのが今回の検討です。

もう1点、契約成立後の書面交付に電磁的方法を認めるという検討もすることになっていますが、とりあえず重要事項説明(ジューセツと言うらしい)のことを中心にご紹介します。

対面とネット・・・うーんどこかで聞いたような話です。なんだかちょっと残念な終わり方をした昨年の一般用医薬品ネット販売の件と少し似ています。仕掛人は、楽天の三木谷社長率いる新経済連盟さん。

昨年6月に閣議決定された「世界最先端IT国家創造宣言
に基づき、IT総合戦略本部新戦略推進専門調査会の下に規制制度改革分科会が設置され、12月に「IT利活用の裾野拡大のための規制制度改革集中アクションプラン」がまとめられました。この中に「対面原則の見直し」という項目があり、e-ラーニングなどとともに不動産取引の重要事項説明が挙げられたので、国土交通省が(もしかしたら渋々?)動き出すことになったという経緯のようです。

見直すという方向は既に決まっているし、今回は高額とはいえ取引の話だけで「身体の安全」を気にする必要がないので、医薬品のようには揉めないと理解(期待)していましたが、初回(4/24)の会議では不動産業界の方々から結構な反対意見が出て、あらあら。という感じでした。

参考:日経新聞(4/25)記事

私はもちろん、わざわざ現地に出かけなくてもネットで重要事項の説明を受けられるようにした方が良いという意見です。現地を全く見ないで住宅を購入する勇気のある消費者はあまりいないと思いますが、転勤などで遠隔地にいながら情報を集め、物件を絞り込まなければならない場合もあるでしょう。広告に書かれたオイシイ話だけではなく、都市計画上の取り扱いや容積率など、希望する住み方にとって将来制約となるかも知れない要素があるなら、できるだけ早い段階で知っておきたいのが人情です。

平成18年に国土交通省で行われた「不動産取引における消費者への情報提供のあり方に関する調査検討委員会」報告書では、アンケート結果等から、契約直前の説明が専門的でよく理解できなくてもそのまま契約せざるを得ないという消費者の不満が取り上げられ、重要事項説明書は事前に(例えば契約の3日前位に)交付されることが適当である、と何とも当たり前の結論が出ています。5年経った現在もそれが十分に実現されず、未だに契約当日に初めて書類を渡されて説明を受けるというケースが多いことはオドロキです。

この報告書には「重要事項説明の際にはインターネットや電子メールの活用も必要」との記載もあり、今回の検討は、IT戦略本部から降ってきたものではありますが、本来はこの平成18年の報告書の延長線上で議論されるべきですね。IT化は目的ではなく手段なので、対面原則の見直しによって、「重要事項は最後(契約時)に一回しか説明しない」という悪しき慣習が崩れていくことを期待します。言った・言わないのトラブルもあるところ、どんな説明をしたか記録が残るという点も重要と思います。

国土交通省では、5月中に実証実験(Skypeなどで重要事項説明をしてみる)を行うそうです。次回6/3の検討会では、その結果を聞くことになっています。年内に最終取りまとめが予定されています。
Posted by 沢田 登志子 at 15:51 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
「準則」改訂検討が進んでいます [2014年04月03日(Thu)]
本日は「電子商取引及び情報財取引等に関する準則」(以下「準則」)の話題です。昨年の改訂は、前回改訂後に新たに出た判決(ピンクレディー事件とチュッパチャプス事件)と著作権法改正への対応という軽微な修正に留まりましたが、今回は2年越しの研究会の成果ということで、意欲的なテーマで検討が行われています。

現行準則(2013年9月公表)

直近の改訂概要

準則は、インターネットの法的問題に詳しい弁護士の先生方がドラフトしていますが、最終的には経済産業省の産業構造審議会(以下「産構審」)WGで承認を得、パブリックコメントを経て、経産省のクレジットで公開されます。この間、“関係各所との調整”もあり、世の中に出るまでには相当長いプロセスを通ります。

今回の改訂も、2回のWGを経てかなりゴールに近づいて来たとはいえ、パブコメにかかるのはまだ少し先の見込みです。なので、事務局をお手伝いしていた立場から、今回の検討内容を少しご紹介したいと思います。

産構審WGの正式名称は、「産業構造審議会商務流通情報分科会IT利活用ビジネスに関するルール整備ワーキンググループ」です(長!)。2014年1月17日に開催された今年度第1回の議事要旨が公開されています。(検討資料が非公開なので、これだけ見ても何のことかわからないと思いますがw)

第1回は各論点の「方向性」のみ議論されましたが、この後3月14日に第2回WGが開催され、具体的なドラフトについて検討されました。議事次第等は追って公開されると思います。

現在検討中の論点は、次のとおりです。

(1) 消費者の操作ミスによる錯誤に関する論点(現行I-1-2)の改訂
いわゆる「確認画面」の話です。現行論点で電子消費者契約法を解説していますが、近年、表示や確認方法のバリエーションがいろいろ出てきたので、どういうものであれば「確認を求める措置」として有効かなど、改めて考え方を整理するものです。

(2) 未成年者による意思表示に関する論点(I-4)の改訂
昨今トラブルになっている子供のオンラインゲーム高額利用の問題を念頭に、現行準則の「詐術に当たる」例を見直すことができるか、という検討です。

(3) デジタルコンテンツに関する論点の追加(新規)
現行準則には、ソフトウェアのライセンス契約については記載されていますが、オンラインゲームや電子書籍など、デジタルコンテンツの取引に焦点を当てた論点はないため、以下の内容で新規追加を検討しています。
1) デジタルコンテンツのインターネット上の提供等における法律問題
2) デジタルコンテンツ提供サービス終了後のデジタルコンテンツの利用
3) 電子出版物の再配信を行う義務
4) オンラインゲームにおけるゲーム内アイテムに関する権利関係


この他に、プラットフォーム関係としてアプリマーケットや共同購入クーポンについて、またIDパスワードのなりすましについても少し検討したのですが、準則論点にするにはもう少し深堀りが必要ということで、今回は見送られました。

経産省では、5月半ばパブコメ開始を目標に調整を進めるとのことです。
後日、それぞれの内容について、もう少し詳しくご紹介できればと思います。
Posted by 沢田 登志子 at 19:21 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
「消費者契約法の運用状況に関する検討会」が始まりました [2014年03月24日(Mon)]
あっという間に年度末、最後の1週間ですね・・・またしても久々の更新になってしまいましたふらふら

前回は、債権法改正で約款に関する規律がどうなるか、というテーマを取り上げました。これは民法の一般原則の話ですが、消費者契約法においても、不当条項のリスト化などを規定すべきという提案があります。これまでの論点整理は、以下をご覧ください。

「消費者契約法に関する調査作業チーム」論点整理の報告(平成25年8月)

消費者契約法の評価及び論点の検討等について(内閣府国民生活局)(平成19年8月)

これらを受けて、3月17日、消費者庁で検討が始まりました。
消費者契約法の運用状況に関する検討会

と言っても、ここで本格的に法改正の検討を行う訳ではなく、まずは裁判や相談事例から立法事実を把握することが目的の会議です。何回目かの会合で、私からも相談事例を紹介させていただく予定ですが、やはり海外事業者の事例が中心になりそうです。規制範囲を拡げたり規律を厳しくしたりするよりも、クロスボーダー取引において、消費者契約法を使ってどのように紛争解決ができるかという、どちらかと言えば私は手続き的なことに政策ニーズを感じています。

これまでに整理された論点の中で、不当条項規制以外でインターネット取引への影響が大きいと思われるのは、「勧誘」の概念を拡大する(かどうか)という論点です。消費者の契約締結の意思形成に影響を与えるものは、ウェブ画面上で不特定多数に向けた広告でも「勧誘」と位置づけ、不実告知があれば意思表示の取消を可能とするといった内容と理解しています。

私も、景表法などの広告規制法に、虚偽広告等に対する取消しなど民事的効果がないことに問題を感じてはいますが、それは消費者契約法における「勧誘」概念の拡大ではなく、プライバシー情報の取扱いやステマの問題を含め、「広告として(or広告とは)どうあるべきか」を正面から検討する中で、違反の効果についても定めていくべきではないかと思っています。

次回会合は4月810日です。またご報告します(今度はあまり間をおかないように。。)。

*追記:すみません、次回の日付まちがえました。4月8日です。
Posted by 沢田 登志子 at 15:37 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
約款に関するルールは不要か? [2014年01月27日(Mon)]
先週23日に開催された「インターネットビジネスと約款」セミナーの模様は、後日、ICPF(情報通信政策フォーラム)さんのサイトで要旨が公開されるそうですので、是非ご覧ください。ここでは、ごく簡単にご報告します。

東大の柳川範之教授から「ルール明確化による経済効果」についてのご講演の後、内田貴先生から、民法改正の背景と目的についてご説明いただきました。両ご講演の資料は、既に上記サイトに掲載されています。

法制審議会民法(債権関係)部会の検討状況を伺うと、約款の部分は、民法に新たに規定を設けること自体について、部会に参加する経済団体がいずれも反対ということでした。

反対理由は「現状で何も困っていないから」だそうです。うーん、金融・通信・交通・電力といったインフラ系の事業は、約款も含めて「業法」で規律されているので何も問題ない(これ以上のルールは要らない)かも知れないけど、インターネット業界も同じように考えて良いのでしょうか?
・・・というのがパネルディスカッションのテーマです。

私の意見は、海の向こうの契約相手に対して自分たちのルールをきちんと説明できるように、法律に明確に書いておく必要があるというものです。いくつかの事例を挙げて、この点を強調してきました。

やや強調し過ぎてしまいましたが、主要な論点はそこではなく、パネルで議論されたのは「約款の組入れ要件」「約款の変更」「不意打ち条項・不当条項」の3つのポイントです。インターネット取引が思いっきり依存している利用規約なのに、法的な裏付けがなく、とりわけ変更に関してのルールがない状態は、クロスボーダーのことを考えずとも、実務上はかなりやりにくい(結果として、とても慎重な対応をせざるを得ない)のではないかと思います。

パネルに参加された株式会社日本総合研究所の大谷和子法務部長と株式会社Gyaoの神谷寿彦社長室長も、(不当条項のリスト化にはお二方とも消極的ながら)「約款を利用する事業者の立場としてもルール明確化は必要」という点で基本的に一致していました。

にもかかわらず、民法に何も規定されないで終わってしまうとしたら、非常に残念です。今は外国勢にプラットフォームを握られている感がありますが、本邦企業がグローバル市場を狙っていく際には、日本の民法は利用規約に関するルールもわかりやすいので準拠法としても安心です、とアピールできた方が良いのではないでしょうか。

他のIT企業さんはどのように考えられるか、今更かも知れませんが、ちょっとお話を伺ってみようと思います。



Posted by 沢田 登志子 at 14:20 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
1/23開催ICPF特別セミナー「インターネットビジネスと約款」 [2014年01月20日(Mon)]
民法(債権法)改正に向けての検討が進んでいる、という話は数年前から聞いていましたが、正直に言うと、資料の分厚さに恐れをなして、あまりフォローできていませんでした。でも、このたびせっかく機会をいただいたので、少し真面目に勉強しています。

2014年1月23日開催 ICPF(情報通信政策フォーラム)特別セミナー「インターネットビジネスと約款」

インターネット上の取引を利用規約で規律するというのは、今やすっかり当たり前のことになっています。規約の内容をきっちり確認してから申込ボタンを押す利用者は決して多くないと思いますが、どこかのページに利用規約があり(今は面倒だから見ないけど)リンクを押せば表示される、という認識はあり、事情が変わって申込みのキャンセルや解約をしたい時には規約に従って手続きする必要がある(規約に拘束される)ということについては、大多数の利用者が納得して受け入れているのではないかと思います。

ECショップにとっても、お客様との取引に伴う「お約束」を全て規約(その他)に書いておくことは、商慣習として確立していると思います。私どもの窓口に相談が寄せられた際も、まず、規約(その他)にどう書かれているのかを確認し、それをベースに解決方法を考えます。

これだけ定着した利用規約ですが、民法には、それについて書かれた条項がないのですね。利用規約と言いさえすれば何でもかんでも許されるかというと、ウェブ上を探してもなかなか見つからないとか、注文ボタンを押した後にしか表示されないとか、そこだけ外国語で書かれているとか、そんなケースまで利用者が無条件に拘束される訳じゃないよね??という疑問は、消費者がトラブルに遭ったというサイトを見ていると日々湧いてきます。

表示されていたかどうかとは別に、「まさか、そんなことが書いてあるとは思わなかった〜」という内容が隠れていることもあります。お試し無料というから申し込んだら、いつのまにか定期購入や有料会員になっていたというケースなど。最近はそれに加えて、「解約する場合には1ドルの手数料がかかる」と後出ししてくる悪質なサイトも横行しています。迂闊にも引っかかってしまった利用者に対し、「規約をちゃんと読まないのが悪い」とどこまで言えるのか、悩ましいところです。

どういう場合であれば利用規約は有効に契約の一部となり、どういう場合はならないか。これについて何か基準が欲しいと考えた関係者が知恵をしぼり、「電子商取引及び情報財等に関する準則」で考え方を示しています。

I-2-1 ウェブサイトの利用規約の契約への組入れと有効性(上記リンクのi.22〜32)

消費者契約であれば、消費者契約法がある程度の基準になるかも知れません。しかしインターネットビジネスの利用者は消費者だけではありません。ECショップの運営にあたっては、ホスティングサーバやデータセンター、買い物かご、決済、広告、SEO等々、様々な外部サービスを利用します。それらの取引は、多くの場合、利用規約(約款)によって規律されています。利用者が契約前にじっくり読んだとしても、不満な部分を交渉して修正する等ができる訳ではなく、契約するかしないかの選択しかない、というのが約款の特徴です。その点に着目したルールが必要のように思います。

上記「準則」で(複数回に及ぶ改訂を経て)考え方が示されたのは画期的なことで、実務にはずいぶん参考になっていると思います。しかし、インターネットビジネスが思いっきりクロスボーダーになり、契約相手が海外の事業者というケースが急速に増えていることを考えると、解釈指針ではなく、ガイジンにも説明できるルールが法文に明確に書かれていることが必要、というのが実感です。

1/23のパネルディスカッションでは、そんなことをお話させていただければと思っています。

Posted by 沢田 登志子 at 15:39 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
謹賀新年2014 〜昨年の相談から〜 [2014年01月06日(Mon)]
あけましておめでとうございます。昨年はほとんどブログを更新できませんでしたが、今年は心を入れ替えてせっせと発信して参ります。まずは2013年にいただいた相談から抜き出してご報告。

一昨年(2012年)はソーシャルゲームの話題で明け暮れました。しかし業界のさまざまな努力も功を奏し、2013年はソーシャルプラットフォームを介したゲームの相談はぐっと少なくなりました。その代わりという訳ではないですが、スマートフォンを新たなプラットフォームとしてSNSなどを介さずに提供されるゲーム(ネイティブアプリ)の相談が増加しています。こんな感じです。

スライド1.jpg


上の図は、ECネットワークに直接寄せられた相談(国内取引のみ)のうちオンラインゲーム関係の件数を取り出し、月ごとの推移を見たものです。サンプル数が少ないので、これがそのまま全国的な傾向と言える訳ではありませんが、なんとなく感じは掴んでいただけると思います。

月40〜60件の新規相談のうち、10〜30%がオンラインゲーム関連です。昨年は前半にアプリゲームの相談(グラフの青い部分)が多くなり、夏頃はいったん減りましたが、年末にかけて再び増えてきました。

国民生活センターからも告知が出ていますが、子どもが有料の自覚なく(あるいは目の前の誘惑に負けて親のクレジットカードを盗み出し)アイテムなど高額の購入をしてしまう、というケースが急増しているようです。消費者庁インターネット消費者取引連絡会でも直近の会(2013/12/10開催)でテーマとなりました。関係する事業者さんの発表資料や議事録が公開されていますので、ご参考にご覧ください。

全国の消費生活センターから私どもにいただく相談も、ゲーム関連は子どもの取引に関するものがほとんどです。一方、ECネットワークに消費者から直接入ってくる相談では、「不当にアカウントを停止・利用制限されている」という苦情が圧倒的に多く、「システムトラブルで損害を受けたが補償されない」「アカウントがハッキングされた」という苦情がそれに続きます。未成年取引の問題はその次くらいでしょうか。

スマートフォンの急速な普及に伴って、そこで展開されるサービスの新規参入が増え、利用者の裾野が拡大しトラブルが増える・・・というのは当然の帰結です。これまでEC市場の消費者トラブルを見てきた経験から、しばらくすれば落ち着くところに落ち着く、と私は基本的には楽観しています。しかし、責任分担などのルールがはっきりしない、あるいは適切でないためにユーザーに不満やストレスが残っているとしたら、それは何より商売にとってよろしいことではないですね。他社との差別化のためにも、早めに吸い上げて対処する必要があるかも知れません。

第三者である私どもは、それは顧客満足の視点のみならず、市場の健全な発展のためにも重要と思っています。問題点や不十分な点をただあげつらうのではなく、このような問題意識で苦情を分析し、前向きな提案をしていくことが私どもの(勝手に自分で決めた)役割です。

今年度も、経済産業省「電子商取引及び情報材等に関する準則」改訂の検討が始まりました。オンラインゲームやアプリの問題については、法的な観点からの分析も避けて通れない段階に来ているようです。

本年も、どうぞよろしくお願いいたします。
Posted by 沢田 登志子 at 10:27 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
プロフィール

ECネットワークさんの画像
リンク集
http://blog.canpan.info/ecnetwork/index1_0.rdf
http://blog.canpan.info/ecnetwork/index2_0.xml