モンスターズストーリー(5)
[2009年02月25日(Wed)]
どうも、相談担当です。
(4)の続き。
「それで何がご希望なのでしょうか」
「こんな怪我するサンダルなんて要らないからお金返して欲しいんだよ、薬代も欲しいと思うんだけど、でも店は対応しないって言うんだよね、アンタからも言ってくんない?」
「販売した店にですか?」
「そうだよ、このサンダルは、作ってるのと販売しているのと同じところだよ」
まあ、それで彼が満足するのであれば、もちろん業務としてやぶさかではありませんが、ただ問題は、彼はここまで匿名で相談を受けているということです。
相手の事業者に単なる要望として申し伝えるだけであれば匿名でも支障はありませんが、個別の案件について問合せを行い、あっせんとして検討を促すのであれば、匿名での対応は物理的にありえません。誰の問題なのか相手も特定できないわけですから。
「この件で店への連絡がご希望であれば、あなたの名前や住所、連絡先などの個人情報が必要です」
そう伝えると、彼は住んでいる町名と名字だけ言いました。
「それだけでは特定できません、フルネームと全ての住所、そしてこちらから連絡するための電話番号をお知らせください」
「いや、むこうはこれで分かるよ、これしか伝えてないから、店へは今ここで電話かければいいだろう」
ほう、そうきましたか、でもごめんなさい、これ以上の言いなりにはならないのが、事務方と違ってわたしが温厚ではないところです。
緊急性があるとも思えませんし、彼の前で店と話をすると、たぶん話の最中に首を突っ込んでくる可能性が高く、店側の言い分を冷静に聞き取れなくなるので無理でしょう。
「ここで今、電話をかけることは出来ません、申し訳ありませんが他の相談者との約束があります、日中に必ず店に連絡を入れておきますので、その結果をあなたにお知らせしますから、携帯で結構ですので連絡先をお知らせください」
しかし、彼は決してわたしに電話番号を教えようとはしませんでした。
そのかわり、日中、適宜こちらに自分から連絡を入れるので、そのときに結果を教えて欲しいといいました。わたしはそれで了承し、彼は席を立ちました。
その後、15分ぐらい経ってからでしょうか、他の業務をしていると、彼から電話が入りました。
「店に電話した?」
「未だです」
「早くかけろよ、また電話する」
「だから、あなたの番号を教えていただけたら、店と話したらこちらから報告いたしますので」
「いいよ、こっちから電話するから」
その後、なんと、彼からは5分おきに電話がかかってくるようになりました。
集中できないので、とりあえず、事務方含め、周りにいる人みんなに、「担当は、現在、他の相談中ですので電話に出られません」と回答してもらうことで口裏あわせしました。事務方も事情が分かっているので協力的です。
ただ、周りに迷惑をかけているばかりにもいかないので、店には早々に電話することにしました。
彼の言うとおり、店は彼の名字と町名を告げただけで、すぐに理解していました。
「はい、ウチのサンダルで足の皮がむけたということで聞いています、だからウチはサンダル代はお返しすると伝えています」
「彼は足の裏の皮がめくれて痛かったため、薬を買ったということです」
「ええ、あまりにしつこかったかったので、だから言ったんですよ、薬を買ったんなら、ドラッグストアや医者からもらった領収書をFAXなどで見せてくれれば、それも支払うって」
「・・そうなのですか」
「だけど、領収書なんかないって突っぱねられまして、ではせめて購入した薬の名前を教えてくれれば値段を調べると伝えているのですが、もう使って捨てたからわからないと・・、つまり、その方は、薬代として単に1万円支払えということだけを言うんです、それでは対応しきれないのでお断りしました、だからそちらに相談されたのでしょうね、なるほどね・・」
次回に続く。
(4)の続き。
「それで何がご希望なのでしょうか」
「こんな怪我するサンダルなんて要らないからお金返して欲しいんだよ、薬代も欲しいと思うんだけど、でも店は対応しないって言うんだよね、アンタからも言ってくんない?」
「販売した店にですか?」
「そうだよ、このサンダルは、作ってるのと販売しているのと同じところだよ」
まあ、それで彼が満足するのであれば、もちろん業務としてやぶさかではありませんが、ただ問題は、彼はここまで匿名で相談を受けているということです。
相手の事業者に単なる要望として申し伝えるだけであれば匿名でも支障はありませんが、個別の案件について問合せを行い、あっせんとして検討を促すのであれば、匿名での対応は物理的にありえません。誰の問題なのか相手も特定できないわけですから。
「この件で店への連絡がご希望であれば、あなたの名前や住所、連絡先などの個人情報が必要です」
そう伝えると、彼は住んでいる町名と名字だけ言いました。
「それだけでは特定できません、フルネームと全ての住所、そしてこちらから連絡するための電話番号をお知らせください」
「いや、むこうはこれで分かるよ、これしか伝えてないから、店へは今ここで電話かければいいだろう」
ほう、そうきましたか、でもごめんなさい、これ以上の言いなりにはならないのが、事務方と違ってわたしが温厚ではないところです。
緊急性があるとも思えませんし、彼の前で店と話をすると、たぶん話の最中に首を突っ込んでくる可能性が高く、店側の言い分を冷静に聞き取れなくなるので無理でしょう。
「ここで今、電話をかけることは出来ません、申し訳ありませんが他の相談者との約束があります、日中に必ず店に連絡を入れておきますので、その結果をあなたにお知らせしますから、携帯で結構ですので連絡先をお知らせください」
しかし、彼は決してわたしに電話番号を教えようとはしませんでした。
そのかわり、日中、適宜こちらに自分から連絡を入れるので、そのときに結果を教えて欲しいといいました。わたしはそれで了承し、彼は席を立ちました。
その後、15分ぐらい経ってからでしょうか、他の業務をしていると、彼から電話が入りました。
「店に電話した?」
「未だです」
「早くかけろよ、また電話する」
「だから、あなたの番号を教えていただけたら、店と話したらこちらから報告いたしますので」
「いいよ、こっちから電話するから」
その後、なんと、彼からは5分おきに電話がかかってくるようになりました。
集中できないので、とりあえず、事務方含め、周りにいる人みんなに、「担当は、現在、他の相談中ですので電話に出られません」と回答してもらうことで口裏あわせしました。事務方も事情が分かっているので協力的です。
ただ、周りに迷惑をかけているばかりにもいかないので、店には早々に電話することにしました。
彼の言うとおり、店は彼の名字と町名を告げただけで、すぐに理解していました。
「はい、ウチのサンダルで足の皮がむけたということで聞いています、だからウチはサンダル代はお返しすると伝えています」
「彼は足の裏の皮がめくれて痛かったため、薬を買ったということです」
「ええ、あまりにしつこかったかったので、だから言ったんですよ、薬を買ったんなら、ドラッグストアや医者からもらった領収書をFAXなどで見せてくれれば、それも支払うって」
「・・そうなのですか」
「だけど、領収書なんかないって突っぱねられまして、ではせめて購入した薬の名前を教えてくれれば値段を調べると伝えているのですが、もう使って捨てたからわからないと・・、つまり、その方は、薬代として単に1万円支払えということだけを言うんです、それでは対応しきれないのでお断りしました、だからそちらに相談されたのでしょうね、なるほどね・・」
次回に続く。