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にせラブストーリー(第弐話) [2008年06月11日(Wed)]
どうも、相談担当です。

第壱話の続き

「その人、信販会社に何言ったんですか!?」
「何って・・信販会社には、そちらに出した手紙と同じ内容を、本人から書面で出しています」
「ウチの親会社から連絡があって、親会社が信販会社から『このような契約を取っているなら加盟店契約を切る』と言われたって言うんですよ、このせいで加盟店契約切られたら一体どうしてくれるんですか、そうしたら訴えてやる!」
「ちょっと待ってください、彼女は確かに手紙に書いているような対応をそちらからされたって言っています、間違い無いようですよ、わたしも彼女の言っていることが嘘には思えないですし、しかも、その内容を見て加盟店契約を切るかどうか判断したとしても、それは信販会社の判断であって彼女じゃないでしょう」
「だからそんなこと、ウチはやっていないって言っているでしょう!」

どうやら話を聞くと、I氏の会社を取次店として、信販会社と直接の加盟店契約をしている親会社はI氏の兄貴分のようです。こんなところにも兄弟関係があるんですね。つまり、I氏は兄貴の顔に泥を塗ることになったわけです。おおコワ。

「あぁー、もういい、そんな客、こっちからお断りだ!ダイヤのネックレス返してください、返せ、そうしたら全額返金するよ、もう」
「あ、全額返金に応じてくれるのですか、それは有難うございます」
「そのかわり、ダイヤに何か傷とかあったら、一切返金しませんからね」
「わたしが確認の上で返送いたします」

早速、そのことを彼女に伝えて、再度こちらで彼女と一緒にダイヤのネックレスを確認した後、返送するということになりました。

I氏に連絡すると、I氏は吹っ切れたのか、それとも腹いせなのか、わたしにいろいろなことを話し始めました。

「あのね、実はKはもうここには居ないんですよ、ウチは確かにSデパートの前でキャッチしています、確かにその頃Kはキャッチ担当でしたがね、その人に声かけて事務所につれてきたのも事実です」
「はい」
「それで、実はその人、ウチでダイヤ契約した後も、Kがキャッチしているのを、Sデパートの前のガードレールに座って、ずうっと見ていたって聞いています、1時間半とか2時間とか、ほぼ毎日、最後は本当にKも気持ち悪がっていましたよ、ストーカーみたいだって」
「・・?」
「Kはね、その後、D地区でキャッチしている別の業者に移ったんですよ、ウチらの業界はね、大体内々で通じているから、誰がどこ行ったかなんてすぐ分かるんですよ」
「そうしたらその人、Kを追いかけて行ったみたいで、今後はD地区の業者のところで、Kからまた宝石買っていると思いますよ、こんなこと、その人、多分おたくさんに全然言っていないでしょう」
「ええ、はじめて聞きました」
「さっき言ったように、ウチらは内々で情報が入りますからね、よそで誰が何を契約したかなんてのも・・、そんな人なんですよ、その人、多分、D地区の業者で契約したから、こっちが払えなくなって、おたくさんの所に相談したんでしょうよ、こっちにはもうKはいないから、そんなところの商品なんて、もう必要ないってことなんだろうよ」

そうですか、業界の裏世界をI氏によってちょっと知ったような気がします。だから次々販売が発生するんでしょうね。顧客情報なんか持ち出し当たり前の世界なんだと、改めて痛感しました。

そして、彼女はKに好意を持っていたということが分かりました。それとも、契約後にKが好きになったのか・・。そういえば、彼女は女性の勧誘員Tに対しては批判を繰り返していましたが、Kに対しては確かに何も文句は言っていなかった・・。
でも、キャッチセールスに勤しむKの姿を、仕事帰りに毎日ガードレールに座って見続けている彼女・・子供が待っているのに・・。残念ながら、その感情は少し歪んでいる。
ただ、そんなことは別にしても、Kから別の契約をしているというのが本当であれば、彼女に改めて確認しなければなりません。Kに付きまとって、今後も次々契約する可能性があるからです。

数日後、彼女は母親とともに、わたしのところに来ました。

「このたびは、娘が大変お世話になったそうで、本当に有難うございます」
「いえいえ」
「それでは、娘のダイヤのネックレスを持ってきていただけますでしょうか?」

一瞬、何を言われているのかが理解できませんでした。

「わたし、そちらに預けましたよね、ダイヤのネックレス、あれ、持ってきてください」
「いえ、わたしはあなたから、そのダイヤのネックレスを預かってはいませんよ、今まで見せていただいたこともありませんよね」

わたしのところでは、基本的にモノを相談者から預かる場合は、必ず「預り証」を出しています。時々クリーニングトラブルなんかで現物を預かるときも、必ず複写式の「預り証」を交付して双方で保管するのがルールです。

「え、だって預けましたよ、そちらに」

預かってもいないものを返すよう、にこやかに微笑みながら言う親子を前に、わたしは何だかものすごい不安感に襲われたのです。

次週に続く。(すみません、次週で最終話です)

Posted by 相談担当H at 16:21 | 相談担当H | この記事のURL | トラックバック(0)
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