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脱おカミ大好き社会を目指して [2008年04月22日(火)]
4月19日(土)、「司法制度と先端テクノロジィ研究会」にお邪魔してきました。富士通総研さんが主催する研究会です。私はメンバーではありませんが、ADRがテーマとなる会の時に、たまに参加させていただいています。

今回は、このブログでも何度かご紹介した「国民生活センターの行うADR」がテーマでした。内閣府に出向されている弁護士さんから、簡単な背景説明とともに、「独立行政法人国民生活センター法改正案(pdf)」の内容についてご説明いただきました。現在、衆議院を通過したところだそうです。消費者庁の件も固まってきたようなので(内閣府の外局??)、今後は、より具体的に制度設計がされていくでしょう。

これまでは、消費者行政としてどうあるべきか、という文脈でのみ語られてきた国センADRですが、今回は、ADRの1つとしてどうよ、という視点もあり、多面的な議論で、大変勉強になりました。法律家、特にADRの専門家の目から見ると、「何故、今、行政ADR?」という疑問が当然浮かんでくるのですね。

近代国家の決まりごととしては、パターナリズム(Paternalism)は警戒すべきもの。国家(権力の発動)は抑制的であるべきで、行政にあまり多くを期待することは、国民生活への過剰な監視や介入を招く、という考え方です。父権訴訟なども、この観点で批判的な見解もあると。

確かにそうですね。「安心安全」「消費者保護」を突き詰めていくと、必ずそこに行ってしまいます。前回ご紹介した有害情報対策法案の件も、まさに。日本国民は、おカミに決めてもらったり守ってもらったりが本当に好きなんだよなぁ・・・と感じます。

国センADRの目的は「個別紛争解決(被害救済)」に置かれるべきか、それとも条文にあるように「国民生活の安定・向上」か、という点も、大いに議論になりました。これに関しては、もう1人の報告者である日本女子大の細川先生から、消費者行政の視点で、様々な問題提起がなされました。このスキームは、なんとも中途半端である、というご主張です(同感です)。

消費者相談の現場では、ほんとーに悪い奴を捕まえたり排除したりすることについて、「誰か(行政)になんとかして欲しい」というニーズがあるのは事実です。民間ADRと行政(法執行や政策決定)との連携も必要、と私もずっと訴えてきましたが、ADRの本旨を歪めることのないよう、バランスを取る必要があるとも思っています。

国家とは関係ないところで、自分達の紛争は、自分達で自律的に解決しましょうよ、というのがADRなのですから。
Posted by 沢田 登志子 at 12:42 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)