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サービス産業のADR〜実ニーズに基づく制度設計を [2008年02月26日(Tue)]
ずっと前にご紹介した件の続きです。

秋から半年間の調査期間が、まもなく終了しようとしています。2月14日に最終のWGを開催し、今年度の取りまとめの議論を行っていただきました。

今回の調査の目的は、対象分野をサービス業に限定した、新しいADRの設計です。今年度、まずは実態調査ということで、国内で消費者取引を扱うADR機関いくつかにヒアリングをさせていただき、運営状況や取扱件数などを調べました。特に「業界型」と言われるADRについては、紛争の一方当事者である事業者側が、業界団体の拠出という形でADRの費用を負担している中で「中立性・公正性」をどう担保するか、という点が調査の大きなテーマでした。

しかし実際にいろいろな話を伺ってみると、そういった形式的な問題よりも、当の業界が、ADRというものをどれだけ理解し、自分たちの信頼性向上のために重要だと思っているかどうかによって、実績や(消費者側からの)評価が分かれるように感じられました。今後の制度設計に当たっては、まずその点がキーポイントになると思われます。

続いて行った米国の実態調査では、研究員がADR機関や消費者保護部局など20箇所を訪問し、企業側がADRに参加するインセンティブや、そのためにADR機関が行っている様々な工夫について、情報を収集してきました。

米国は、各州の司法長官が、州レベルでの消費者保護の責任を担っており、日本の消費生活センターのような苦情受付窓口の役割を果たすとともに、ADRも行い、更に必要に応じ、調査をして法執行や少額訴訟手続きにつなげるという権能を持っています。日本で民間組織がADRを行う場合、「ADRに応じなかった場合のペナルティ」をもってADRに誘導することは制度上(実務上も)難しいかも知れませんが、苦情動向・解決結果・解決ノウハウなどの情報提供、企業スタッフのトレーニングの機会の提供、信頼性向上=「評判」のメカニズムによる売上アップへの貢献など、企業側の参加意欲を高めるインセンティブが是非とも必要と思います。

また、米国では、ボランティアを含む様々な方々が、ADR法で言うところの「手続き実施者」(調停人など)として活躍しています。こういった点も大いに参考にできると思います。但しWGでは、その前に、対象とする産業分野にはどのような紛争があり、どのように解決するのが望ましいのかをきちんと分析すべきというご議論がありました。専門性の要求度合い、業界ごとの特殊性、法的立場からの助言の必要性など、制度設計上の重要な要素が、それによって変わってくるからです。今後、更に具体的な検討に入る際には、まずサービス産業における紛争実態の分析から入っていくべきでしょう。

という提言を行って、今年度の調査は終了いたします。報告書は、追って公表されると思います。
Posted by 沢田 登志子 at 16:21 | 沢田登志子 | この記事のURL | トラックバック(0)
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