ガラパゴス規制ではなくて
[2012年07月12日(Thu)]
7月7日(土)、日弁連(ほか)主催のシンポジウムに参加してきました。
シンポジウム「消費者法の課題と展望X 悪徳商法に利用されない決済制度の確立を目指して〜消費者トラブルの国際的対応も交えて〜」
シリーズ物として開催されているとのことで、今回のテーマは決済と越境。私は越境消費者取引のトラブルについて、越境消費者センター(CCJ)の活動報告を中心に発表いたしました。
パネルディスカッションにも入れて頂いたので、越境トラブルを見てきた立場から、「国内事業者にしか及ばない行政規制は意味がない。ガラパゴス規制ができても海外に逃避するだけ。諸外国と同じように、国際ブランドのチャージバックを消費者保護の基本に置くべき。」という主張をしてきました。
消費者問題に関心と知見をお持ちの先生方が「どんな規制があり得るか」というトーンでお話され、会場にも多くの相談員さんがいらっしゃる中、「規制は不要」という立場で発言するのはなかなか勇気が要ると言いますか、相当なAway感が漂っておりました。が、結果として「(シャンシャンでなく)面白い議論になった」という評価?を頂くことができ、役目は果たしたのかな、とホッとしております。
コーディネーターの齋藤先生が、かなりの場面で私に発言を振ってくださったのですが、それでも言い尽くせなかったことがあります。いわゆる決済代行問題については私もずっと関心があり、法的手当が全く要らないとは考えていません。大事なクレジットカード番号を扱う事業者なので、ちゃんと安全管理措置を採っててくれないと困ります。今のように、サクラサイトと同一人格みたいな会社でも誰でもやれてしまう状態はマズいと思います。
一方で、海外の悪質事業者を加盟店としているのは、もともと海外のアクワイヤラや決済代行会社であることを考えると、海の向こうの外国企業に対して登録義務や加盟店管理義務をいくら課しても虚しい限り。松本先生が言われた通り、「規制は国境を越えない」のです。事後的な「巻き戻し」に重点を置くべきと思います。
そこで提案です。決済代行事業者(アクワイヤラを含めても良いかも)に法定の登録制度を導入し、日本の消費者に対して販売や役務提供を行う事業者を加盟店とする場合は、日本政府に「登録することができる」とするのはどうでしょうか。軽めの登録要件をクリアして登録された事業者には、カード情報の安全管理義務など一定の行為規制がかかりますが、登録しなくても商売は可能。但し、未登録の決済代行会社(国内であれ海外であれ)と加盟店契約をしていることがわかったら、おおもとの売買契約は取消可能。あるいはイシュアに対して抗弁権が発生する。という仕組みです。
民事効は大事ですが、マンスリークリアに抗弁権の接続を認めるといった案は、真面目な零細事業者に影響が大き過ぎるので反対です。そうではなく、日本の消費者向けに商売をしたい販売事業者に対して、「抗弁されたくなかったら、ちゃんとした決済代行事業者を選んでね」と動機付けすることで請求・決済の流れをきれいにし、敢えて登録しない悪質事業者には民事的なペナルティが課される、というのが良いのではないかと思っています。
もちろん細かくはいろんな課題があるでしょうし、そもそも何法で?というのもあります。引き続き、各方面を巻き込んで検討していければと思っています。
シンポジウム「消費者法の課題と展望X 悪徳商法に利用されない決済制度の確立を目指して〜消費者トラブルの国際的対応も交えて〜」
シリーズ物として開催されているとのことで、今回のテーマは決済と越境。私は越境消費者取引のトラブルについて、越境消費者センター(CCJ)の活動報告を中心に発表いたしました。
パネルディスカッションにも入れて頂いたので、越境トラブルを見てきた立場から、「国内事業者にしか及ばない行政規制は意味がない。ガラパゴス規制ができても海外に逃避するだけ。諸外国と同じように、国際ブランドのチャージバックを消費者保護の基本に置くべき。」という主張をしてきました。
消費者問題に関心と知見をお持ちの先生方が「どんな規制があり得るか」というトーンでお話され、会場にも多くの相談員さんがいらっしゃる中、「規制は不要」という立場で発言するのはなかなか勇気が要ると言いますか、相当なAway感が漂っておりました。が、結果として「(シャンシャンでなく)面白い議論になった」という評価?を頂くことができ、役目は果たしたのかな、とホッとしております。
コーディネーターの齋藤先生が、かなりの場面で私に発言を振ってくださったのですが、それでも言い尽くせなかったことがあります。いわゆる決済代行問題については私もずっと関心があり、法的手当が全く要らないとは考えていません。大事なクレジットカード番号を扱う事業者なので、ちゃんと安全管理措置を採っててくれないと困ります。今のように、サクラサイトと同一人格みたいな会社でも誰でもやれてしまう状態はマズいと思います。
一方で、海外の悪質事業者を加盟店としているのは、もともと海外のアクワイヤラや決済代行会社であることを考えると、海の向こうの外国企業に対して登録義務や加盟店管理義務をいくら課しても虚しい限り。松本先生が言われた通り、「規制は国境を越えない」のです。事後的な「巻き戻し」に重点を置くべきと思います。
そこで提案です。決済代行事業者(アクワイヤラを含めても良いかも)に法定の登録制度を導入し、日本の消費者に対して販売や役務提供を行う事業者を加盟店とする場合は、日本政府に「登録することができる」とするのはどうでしょうか。軽めの登録要件をクリアして登録された事業者には、カード情報の安全管理義務など一定の行為規制がかかりますが、登録しなくても商売は可能。但し、未登録の決済代行会社(国内であれ海外であれ)と加盟店契約をしていることがわかったら、おおもとの売買契約は取消可能。あるいはイシュアに対して抗弁権が発生する。という仕組みです。
民事効は大事ですが、マンスリークリアに抗弁権の接続を認めるといった案は、真面目な零細事業者に影響が大き過ぎるので反対です。そうではなく、日本の消費者向けに商売をしたい販売事業者に対して、「抗弁されたくなかったら、ちゃんとした決済代行事業者を選んでね」と動機付けすることで請求・決済の流れをきれいにし、敢えて登録しない悪質事業者には民事的なペナルティが課される、というのが良いのではないかと思っています。
もちろん細かくはいろんな課題があるでしょうし、そもそも何法で?というのもあります。引き続き、各方面を巻き込んで検討していければと思っています。