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映画:「禅 ZEN」の高橋伴明監督 荒廃した現代こそ道元に焦点(毎日新聞) [2009年01月13日(Tue)]
2009(平成21)年01月13日(火)
毎日新聞 東京夕刊
トップ>エンターテインメント>映画

映画:「禅 ZEN」の高橋伴明監督
荒廃した現代こそ道元に焦点
http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20090113dde012200054000c.html

昨年、世相を最も反映した漢字として選ばれたのは「変」だった。
禅の普及に努めた道元禅師を描いた映画「禅 ZEN」(公開中)
を撮った高橋伴明監督は、近ごろの日本は「不」だという。
「不平、不満、不実……。だから、道元さんの映画には意味がある
と思うんです」 【若狭毅】

◇ 悩んでいる人に見てほしい
「世の中が荒廃している」
と高橋監督。親が子を殺し、子は親を殺す。金もうけのためには
何でもあり。殺すのは誰でもよかった、という人物も。
「数え上げたらキリがない」。
そんな時代だからこそ、仏教、道元なのだという。

道元は日本曹洞宗の開祖。乱世の鎌倉時代に生き、
「只管打坐(しかんたざ)」
を広めた。ひたすら座り続け、あるがままの真実の姿を見ること
こそ悟り、と説いた。

映画では、24歳の道元(中村勘太郎)が宋へ渡り、悟りを得て
帰国し、布教する姿を描く。堕落した僧たちから攻撃されながら
も、困窮する人々や怨霊(おんりょう)におびえる権力者らに
禅の神髄を伝える。

「何かに悩んでいる人に見てほしい。自分はこれから先、どう
生きていけばいいのか。自殺を考えている人もいるかもしれない。
そんな負の意識になっている人に、ぜひ見てほしい」

◇ わかりやすさの中に難解さも
親鸞や日蓮と違って、道元の生涯には劇的な場面が少ない。
それでも、史実の部分にフィクションは加えなかった。
架空の遊女おりん(内田有紀)を登場させて、禅への案内役とした
が、難解さは残る。

「相当わかりやすくしたつもりなんですが、これ以上わかりやすく
したくない、という思いもありました。極端にわかりやすくすると、
『ああ、そうかそうか』で終わってしまう。これがギリギリだと
思いますね」

「多少わかりにくい面もあるかもしれませんけど、何かを感じて
ほしい。できれば2回見てもらって、感じたことが何だったか、
気づいてもらう。3回目には、気づいたことをどう実践するか、
その方法を見つけてほしい」
と優しく笑う。

“心と形”がテーマ。歌舞伎役者で所作が美しく、清潔感のある
勘太郎は、道元にぴったりだったという。

「どこか一点でも、道元さんの生きざまを格好いいと思って
もらえれば、うれしいですね」

毎日新聞 2009年01月13日 東京夕刊
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