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社説:今年の経済展望 しばらく続く暗中模索(秋田魁新報) [2009年01月05日(月)]
2009(平成21)年01月05日(月)
秋田魁新報
トップ>秋田のニュース>社説

社説:今年の経済展望 しばらく続く暗中模索
http://www.sakigake.jp/p/editorial/news.jsp?kc=20090105az

残念ながら、経済は悪化し続けている。正月気分に紛れている
面もあるが、不況風が反転する兆しはまだ見えない。

共同通信社の主要企業アンケート結果につい、ため息が出た人
が多かったに違いない。98%とほぼ全社が景気後退局面に
あると答えているのだ。

予想されていたとはいえ、あらためて突きつけられると、
先行きへの不安が募ってくる。足腰の弱い地方の中小企業に
とってはなおさらである。

先を見通せないことが沈滞ムードを一層あおる。景気底打ち
時期の予測は難しく、来年に持ち越すという見方さえある。
文字通り暗中模索が続くと受け止めなければならない。

中でも深刻なのは雇用情勢の悪化である。派遣を中心とした
雇用調整に歯止めがかからない。失業者の増加や雇用不安は
個人消費をさらに冷え込ませ、不況を長引かせてしまう。

雇用悪化は単に経済問題にとどまらない恐れがあることにも
注意が必要だ。経済的困窮や失業による社会からの孤立が
気持ちをすさませ、極端な場合、自殺や犯罪へと駆り立てる
可能性が高まるのである。

日本企業の強みの1つに雇用の安定があった。多少のことが
あっても雇用が保証されているという安心感が労働者の
貢献を生み、企業の業績向上、ひいては日本経済の発展に
つながったとみてもいいほどである。

最近の雇用調整は、それを経営者側が否定している側面が
強い。せっかく培った企業風土を自ら足元から掘り崩し、
葬り去ることになりはしないか。

今後の鍵を握るのはやはり、2大輸出市場である
米国と中国だろう。不況一色と言っていい米国は、
オバマ次期政権の手腕に期待がかかる。中国経済は減速
気味だが、市場の活力が失われたわけではない。

しかし、いつまでも輸出頼みでいいはずはない。
他力本願である限り、今回、米国発の危機にほとんど
太刀打ちできなかったように、いつなんどき、荒波に
のみ込まれてしまうか分からないからである。

そろそろ徐々にではあれ、国内需要の掘り起こしに
本格的に取り組むべきではないか。ピンチをチャンスと
とらえ、粘り強い経済構造へと転換を図るしたたかさが
ほしい。

内需を喚起するには、国民がもっと消費にお金を回しても
いいと思うような環境づくりが欠かせない。例えば社会保障
の立て直しが挙げられる。将来に安心感が持てれば、景気回復
の契機になり得るばかりか、成長持続の下支えにもなる。

きょう5日、通常国会が召集される。景気対策のために
党利党略を捨てた迅速な論戦が求められるのは言うまでもない。

同時に経済構造の転換をはじめ、長期的な視点に立った
深い議論も不可欠だ。まさに政治が本来の機能を取り戻せるか
どうかの正念場を迎えている。

(2009/01/05 08:36 更新)
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