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インドを襲うマイクロファイナンスの悲劇、借金苦で貧困層の自殺多発(bloomberg) [2010年12月29日(Wed)]
2010(平成22)年12月29日(水)
ブルームバーグ
ホーム>ニュース>コラム/特集

インドを襲うマイクロファイナンスの悲劇、
借金苦で貧困層の自殺多発
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=90920021&sid=a66201E1rHxc

12月29日(ブルームバーグ):

10月28日の昼すぎ。インド南部のモンドライ村の
自宅の庭でくつろいでいたタンダ・スリニバスさんは、
助けを求める叫び声を聞いた。

妻のショバさんが全身を火に包まれて
ドアから飛び出してきたのだ。

2人の息子の母でもあるショバさん(30)は、
2リットルの灯油をかぶって焼身自殺を図った。

救急車を呼んだ医師によると、夫婦は多重債務の返済をめぐって
前日に激しく口論。債務には村人に小口融資をしてきた
マイクロファイナンス業者からの借金も含まれていたという。





ショバさんは女性債務者の複数のグループのまとめ役で、
自身のローン1万2,000ルピー(約2万2,000円)の
利払いを迫られていたほか、2週間前に導入された
州のマイクロファイナンス活動規制にもかかわらず、
他の女性の借金の肩代わりも要求されていたという。

『ブルームバーグ・マーケッツ』誌2月号が報じた。

スリニバスさん(35)は毛布で火を消そうとしたが
自分のポリエステルの衣服に火が燃え移り、
3日以内に夫妻は2人の息子を残して死亡した。

10歳と13歳の息子は今、
70歳で病気の祖父と目の不自由な祖母に
農村で育てられている。

村の男性の多くはアルコール飲料用のヤシのエキス集めで
生計を立てており、2人の孫を終日世話できる親族は
誰もいないと60歳の祖母は号泣した。

マイクロファイナンスの中心地

ワランガル市から80キロメートル離れたモンドライ村の悲劇
は、アンドラプラデシュ州内で数多く繰り返されている。
インドの9月末時点のマイクロファイナンス残高53億ドル
(約4,400億円)の約3分の1は同州で実行された。

警察の報告や報道を基にマイクロファイナンス関連の
死亡データを集計している政府機関によると、
同州では3月1日から11月19日までに
借金などを苦に70人余りが自殺を図った。



こうした状況を受けて同州政府は10月15日、
マイクロファイナンスの債権回収業者が
返済に苦しむ借り手の自宅を訪問して取り立てることを禁止する
などの規制に乗り出した。

インド政府が貧困から抜け出せないでいる人々に
十分な教育や医療、仕事を提供できていない中で、
貧困層の生計を助けるはずの小口融資を提供する
マイクロファイナンスが皮肉な展開を見せている。

皮肉な展開

マイクロファイナンスで融資するのは
「麻薬販売に似ている。」
と話すのはインドの格付け会社
マイクロ・クレジット・レーティングス・インターナショナルの
マルコム・ハーパー会長(75)だ。

マイクロファイナンスなどのテーマで
20余りの著作のある同会長は

「アンドラプラデシュ州の読み書きのできない女性たちに
 融資する業者はもっと責任を持つべきだ。」

と言う。

業者が女性たちをどう説得して借金させたかを調査している
カカティア大学のK.ベンカト・ナラヤナ教授(経済学)は、

「マイクロファイナンスは女性の力を高めるはずだったが、
 業者が社会や経済の進展を逆行させ、
 融資を受けた女性を結局奴隷のようにしてしまった。」

と指摘する。

インドで急拡大するマイクロファイナンス・ビジネスは
世界的な現象の一部にすぎない。
慈善事業として元来始まったマイクロファイナンスは
ここにきて成長や高リターンを求める民間資本を
引き付けている。

メキシコの元非営利団体(NPO)で
現在は貧しい労働者向け融資で最大の銀行である
コンパルタモス銀行は2007年に
約4億6,700万ドル規模の新規株式公開(IPO)
を実施した。

今年8月にはインドのマイクロファインナンス最大手
SKSマイクロファイナンスが163億ルピー規模の
IPOを行っており、著名投資家ジョージ・ソロス氏のファンド
もSKSに出資するなど、同業界への関心は高まっている。

誤った方向

アンドラプラデシュ州の事態は
マイクロファイナンス事業の先駆者で
06年にノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行創業者の
ムハマド・ユヌス氏(70)のビジョンとはかけ離れている。

元経済学教授のユヌス氏はバングラデシュで
銀行融資を受けられない貧しい人々に
小口の事業資金を貸し付ける事業を1976年に開始。
それ以来、98億7,000万ドルを融資して
87億6,000万ドルを回収した。
833万人の借り手のうち女性は97%を占めるという。

ユヌス氏はマイクロファイナンスで利益を上げることに
反対しないとしながらも、貧困層の支援という
本来の目的からそれて大もうけを狙う業者を
厳しく非難している。

バングラデシュの首都ダッカから電話インタビューに応じた
ユヌス氏は
「商業化は誤った道だ。」
と述べ、融資金利の目安は資金調達コストに
10%上乗せした水準だろうと語った。

曲解

インドのマイクロファイナンス業者は
銀行から平均で13%以上の金利で資金を調達し、
貧困層に貸し付けているが、
業界団体マイクロファイナンス・インスティテューションズ・
ネットワークのアロク・プラサドCEOによると、
融資金利は36%まで上がることもあるという。

一方、ユヌス氏によると、バングラデシュのグラミン銀行の
金利は教育ローンで5%、住宅ローンで8%。
物乞いには無利子で貸し付けており、
主な融資金利は20%が上限だという。

ユヌス氏は
「マイクロファイナンスが乱用され曲解されている。」
と述べ、
「これは私が作り出したマイクロクレジットとは違う。」
と嘆いた。

翻訳記事に関する翻訳者への問い合わせ先:
東京 守護 清恵 Kiyoe Shugo
+ kshugo@bloomberg.net Editors:Kanta Watanabe, Yoshito Okubo

記事についての記者への問い合わせ先:
Yoolim Lee in Singapore at yoolim@bloomberg.net;Ruth David in Mumbai at
+91-22-6633-9017 orrdavid9@bloomberg.net

ブルームバーグ 2010年12月29日(水)07時00分
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