毎日新聞(岡山いのちの電話 聞き役に徹し四半世紀/岡山)
[2008年06月11日(Wed)]
2008(平成20)年06月11日(水)
毎日新聞
トップ>地域ニュース>岡山>おかやま大研Q
岡山いのちの電話 聞き役に徹し四半世紀/岡山
http://mainichi.jp/area/okayama/study/news/20080611ddlk33040492000c.html
何かとストレスのたまる現代社会。
誰かに聞いてほしいが言い出せない−−
そんな悩みを抱えている人も多いはず。
今年、発足から25年目の「岡山いのちの電話」は、
「誰も分かってくれない」
「どうすることもできない」
−−そんな苦しみを真正面から受け止め、
聞き役に徹することで自殺抑止にも大きな効果を
もたらしているという。命をつなぐ“ホットライン”の
現状を探ってみた。
【坂根真理】
◇多い30代、職場の悩み−−
減る10代の相談、若者はネット掲示板に移る
1953年、イギリスで一人の少女が自殺した。
「話を聞く場所があれば、自殺を防げたかもしれない」。
そう感じた、ある牧師が始めた電話相談の流れが世界中に広まった。
岡山いのちの電話協会(086・245・4343)は、
精神科医や大学教授らを発起人に84年に開設された。
24時間、匿名で利用できる利便性も手伝い、
協会によると、1日に約60〜70件の電話がある。
07年の相談件数は1万8143件。
最も多かった年代は、30代男性だったという。
同協会事務局長の宇野傑(まさる)さん(75)によると、
この世代の特徴として、職場の人間関係や仕事に起因する
重圧感とストレス、リストラへの不安を訴える内容が
大半を占める。
「家族や上司に心配をかけたくない」
と、誰にも相談できず一人で悩む傾向があるという。
逆に昨年は、10代の相談件数が減った。ある相談員は
「電話で相談する代わりに、インターネットの掲示板へ
書き込むなどしているのでは。電話はかけてこなくなったと思う」
と話す。また、開設当初は
「サラ金に手をだして、借金が返せない」
という家計に関する相談が多かったが、
最近は対人関係の悩みが中心を占めるのが特徴という。
■相手に寄り添う□
件数だけで言えば30代男性だが、
別掲のグラフにあるように、自殺をほのめかすなどの
深刻な相談は40代男性が昨年は最多だった。
協会の調べによると、経済苦や病気で将来を悲観するあまり、
死を考えるような相談内容が目立つという。
自殺をうかがわせるような内容の電話には、
「今までよく生きてたね」
など相手に寄り添って話を聞くことにしている。
病床で死を待つだけの状態だった高齢の女性は
「楽になりたい。死にたい」
と苦しみを話した。相談員は女性から電話を受けるたびに、
「今までよくがんばったね」
と親身になって話を聞いた。ある日、遺族から
「(女性は)亡くなりましたが、いのちの電話が
生きる支えになっていました。ありがとう」
と協会にお礼の電話があった。宇野さんは
「自殺を防止できているかどうかは統計が
とれないので分からないが、自殺志願者に
電話相談の機能が十分に働いていると信じたい」
と力を込めた。
昨年の県内の自殺者は421人で、
47都道府県中38位(県統計管理課)。
しかし、全国では9年以降、自殺者数が3万人を超える。
厚労省は自殺予防活動の一環として、
通話無料のフリーダイヤル「自殺予防いのちの電話」
(0120・738・556)を昨年9月から、
毎月10日の午前8時から翌日の午前8時まで
24時間受け付けている。
□「心がつながる喜び」■
協会には電話相談員196名が在籍する。
定年退職した男性や主婦、身内が自殺した遺族など
「人の役に立ちたい」と集まったボランティアが、
交代制で相談に応じている。相談員になるためには月3回、
臨床心理士が行う講義に出席するなどし、
1年間専門的にカウンセリングを学ぶ。
もっとも実際には、研修を受けたとはいえ
相当な心労を伴うケースも。自殺をほのめかされて、
そのまま電話を切られたような場合は、
「私の電話対応のせいで自殺してしまったらどうしよう」
と不安にかられた相談員自身が悩み、
落ち込むこともある。そんな時は、相談員同士が
励まし合ったりするという。相談員になって12年に
なる50代の主婦は、
「相談員を続けるのは、相談者の人生に共感したり、
心がつながった喜びの経験があるから」
と話し、
「自分のためではなく他人のために力を尽くすこと
に価値がある」
と静かに笑った。
◇寄付をお願い
協会は「いのちの電話」運営のための寄付を募っている。
相談員養成費や研修費、人件費などで年間約1000万円
の運営費が必要という。寄付は郵便振替
「01260−4−15857 岡山いのちの電話」
まで。
毎日新聞 2008年6月11日 地方版
毎日新聞
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岡山いのちの電話 聞き役に徹し四半世紀/岡山
http://mainichi.jp/area/okayama/study/news/20080611ddlk33040492000c.html
何かとストレスのたまる現代社会。
誰かに聞いてほしいが言い出せない−−
そんな悩みを抱えている人も多いはず。
今年、発足から25年目の「岡山いのちの電話」は、
「誰も分かってくれない」
「どうすることもできない」
−−そんな苦しみを真正面から受け止め、
聞き役に徹することで自殺抑止にも大きな効果を
もたらしているという。命をつなぐ“ホットライン”の
現状を探ってみた。
【坂根真理】
◇多い30代、職場の悩み−−
減る10代の相談、若者はネット掲示板に移る
1953年、イギリスで一人の少女が自殺した。
「話を聞く場所があれば、自殺を防げたかもしれない」。
そう感じた、ある牧師が始めた電話相談の流れが世界中に広まった。
岡山いのちの電話協会(086・245・4343)は、
精神科医や大学教授らを発起人に84年に開設された。
24時間、匿名で利用できる利便性も手伝い、
協会によると、1日に約60〜70件の電話がある。
07年の相談件数は1万8143件。
最も多かった年代は、30代男性だったという。
同協会事務局長の宇野傑(まさる)さん(75)によると、
この世代の特徴として、職場の人間関係や仕事に起因する
重圧感とストレス、リストラへの不安を訴える内容が
大半を占める。
「家族や上司に心配をかけたくない」
と、誰にも相談できず一人で悩む傾向があるという。
逆に昨年は、10代の相談件数が減った。ある相談員は
「電話で相談する代わりに、インターネットの掲示板へ
書き込むなどしているのでは。電話はかけてこなくなったと思う」
と話す。また、開設当初は
「サラ金に手をだして、借金が返せない」
という家計に関する相談が多かったが、
最近は対人関係の悩みが中心を占めるのが特徴という。
■相手に寄り添う□
件数だけで言えば30代男性だが、
別掲のグラフにあるように、自殺をほのめかすなどの
深刻な相談は40代男性が昨年は最多だった。
協会の調べによると、経済苦や病気で将来を悲観するあまり、
死を考えるような相談内容が目立つという。
自殺をうかがわせるような内容の電話には、
「今までよく生きてたね」
など相手に寄り添って話を聞くことにしている。
病床で死を待つだけの状態だった高齢の女性は
「楽になりたい。死にたい」
と苦しみを話した。相談員は女性から電話を受けるたびに、
「今までよくがんばったね」
と親身になって話を聞いた。ある日、遺族から
「(女性は)亡くなりましたが、いのちの電話が
生きる支えになっていました。ありがとう」
と協会にお礼の電話があった。宇野さんは
「自殺を防止できているかどうかは統計が
とれないので分からないが、自殺志願者に
電話相談の機能が十分に働いていると信じたい」
と力を込めた。
昨年の県内の自殺者は421人で、
47都道府県中38位(県統計管理課)。
しかし、全国では9年以降、自殺者数が3万人を超える。
厚労省は自殺予防活動の一環として、
通話無料のフリーダイヤル「自殺予防いのちの電話」
(0120・738・556)を昨年9月から、
毎月10日の午前8時から翌日の午前8時まで
24時間受け付けている。
□「心がつながる喜び」■
協会には電話相談員196名が在籍する。
定年退職した男性や主婦、身内が自殺した遺族など
「人の役に立ちたい」と集まったボランティアが、
交代制で相談に応じている。相談員になるためには月3回、
臨床心理士が行う講義に出席するなどし、
1年間専門的にカウンセリングを学ぶ。
もっとも実際には、研修を受けたとはいえ
相当な心労を伴うケースも。自殺をほのめかされて、
そのまま電話を切られたような場合は、
「私の電話対応のせいで自殺してしまったらどうしよう」
と不安にかられた相談員自身が悩み、
落ち込むこともある。そんな時は、相談員同士が
励まし合ったりするという。相談員になって12年に
なる50代の主婦は、
「相談員を続けるのは、相談者の人生に共感したり、
心がつながった喜びの経験があるから」
と話し、
「自分のためではなく他人のために力を尽くすこと
に価値がある」
と静かに笑った。
◇寄付をお願い
協会は「いのちの電話」運営のための寄付を募っている。
相談員養成費や研修費、人件費などで年間約1000万円
の運営費が必要という。寄付は郵便振替
「01260−4−15857 岡山いのちの電話」
まで。
毎日新聞 2008年6月11日 地方版



